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アフガニスタンこの一年を振り返って(1)

2010-12-29 | ラジオ
2010年はNATOが主導するアフガニスタンの、国際治安支援部隊にとって、多くの点で決定的な年となったようだ。
一連のひとまとまりとなった重大な作戦を実施しながら、国際支援部隊は帰国の用意をしている。
来年7月、NATOの庇護元の下、アフガニスタン国内で活動しているこれら部隊は段階的な撤退を開始することになっている。

もちろん最終的な撤退に付いて口にしている人は誰もいない。撤退のプロセスは数年に及ぶものとなるだろう。
2014年までにアフガニスタン当局は、国内状況を外からの支援が最小限で済む程度まで管理、監督できるようになると予測されている。
しかし、この一年を振り返ってみると、アフガン当局が国内を管理、監督コントロールするには、まだまだどうも時間がかかりそうだ。

NATO連合軍部隊は今年、タリバンとの戦いに積極的に取り組んだが勝利は間近いと宣言することはできないだろう。
そして他の国内問題も解決には程遠いのが現状だ。
アフガニスタンのカルザイ大統領は昨年の選挙の後、国民に選ばれた大統領として正当性を得た。
ですからもうアメリカの手先と、一方的に彼を中傷する事はできない。また議会選挙も実施された。
文明国のスタンダードから見れば、それは充分なものではなかったが、この選挙は設立したと認められた。

このようにアフガニスタンの中央政権、カブール政権の基盤強化を示すファクターもあるにはあるが、カルザイ大統領には実際戦闘力を持った軍隊はなく、警察力も弱く、その一方でカルザイ政権の官僚達は汚職にまみれている。
そしてアフガニスタンという国の特殊性のため、地方の多くの指導者達は、首都であるカブールの中央政権からの独立性を誇示することを良しとしている。 

アフガニスタンこの一年を振り返って(2)へ続く

アフガン戦略とアメリカの野望―柴田レポート

柴田 三雄
双葉社


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12月22日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル