ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

朝日新聞紙の「2030未来をつくろう」の「ソーラーランタン 今は利益薄でも」を拝読しました

2016年08月24日 | 日記
 2016年8月21日に発行された朝日新聞紙の朝刊2面に掲載されたコラム「2030未来をつくろう」の見出し「ソーラーランタン 今は利益薄でも」を興味深く拝読しました。

 ちょうど、リオデジャネイロ・オリンピック2016の終盤で、日本の陸上男子400メートルリレーの銀メダル獲得のニュースが流れている時でした。

 このコラムは、南アジアやアフリカなどの電力送電網がほとんど整備されていない地域でも、電気のある暮らしが広がり始めたという内容です。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTSLでも見出し「(2030未来をつくろう)実電化地域、電力の『はしご』」と伝えています。



 電力送電網がほとんど整備されていない地域の事例として、インドの主要都市のニューデリーから東に約200キロメートル離れたゴート村でも、小さな太陽光パネルとリチウムイオン2次電池、LED照明を組み合わせた“ソーラーランタン”が普及し始めていると伝えます。

 「従来のケロシン(灯油)の灯は暗くて、煙で眼が痛かった」と大学生と中学生の兄弟は語り、「これで夜も勉強できるようになった」といいます。

 ここでは送電網はありますが、電気が送られているのは1日当たり2時間から3時間。こうした電力環境の中で、昨年に“ソーラーランタン”を2台、購入してからは、夜も市場で野菜を売る準備ができるために、収入は2割増えたと伝えます。

 この地域の約900世帯が、“ソーラーランタン”の明かりの下で、店を開いたり、工芸品をつくるなどの生活に移行したそうです。

 この地域で一番売れている“ソーラーランタン”は、パナソニック製です。機能を絞り込んで、価格を日本円で1500円から2500円に抑えた結果、インド全体では約5万台が売れたそうです。

 この“ソーラーランタン”はインド全体では、1年間に約5万台売れているそうです。その大半は欧米のベンチャー企業製でした。日本製は「機能や品質は高いが、価格も高い」といわれてきました。そこに、パナソニック・インド事業開発センターは参入しました。

 電気が使えると、教育や健康が改善され、貧困から抜け出す足がかりになると考えたからです。持続可能な開発目標の一つが「安くて信頼できるエネルギーのアクセス」だからです。

 パナソニック・インド事業開発センターは、価格をこれまでの半分以下に抑え、低所得者向けの製品を発売しました。販売面では、現地の社会的企業と連携し「なぜ健康や家計にプラスなのか」を啓蒙し、代金回収やアフターサービスの窓口を現地の社会的企業に委託したそうです。

 もうけは薄いが、インドの無電化人口は2億4000万人のいて、将来の巨大な潜在的市場ともいえます。

 電気のない生活をしている人は世界中に約12億人います。彼らは、年間収入が3000米ドル(約30万円)以下です。電力の送電網につなげない“ソーラーランタン”などのオフグリッド(独立電源)の市場は約7億ドルだそうです。2020年には31億ドルに成長する見通しです。

 アフリカのエチオピアは人口が約2億人と多い地域です。ここに日本の中小企業連合は出力が10から100ワット程度の太陽光パネルを屋根に設置して、蓄電池に蓄えるシステムを設けます。複数の照明やテレビ、扇風機を動かします。

 この記事につけられた説明図では、送電網が24時間安定した最上階の供給体制の地域では、LED照明、テレビ、扇風機、給湯器、炊飯器、冷蔵庫、電子レンジ、エアコンが普及しているそうです。

 日本に対して、地球の裏側で開催されているリオデジャネイロ・オリンピック2016の各試合を、エアコンをつけてテレビを見るという生活ができる環境にいるとの自覚を持って、観戦していた方がどの程度いたのか・・。

 まして、冷たいビールやアイスコーヒーなどを飲むという冷蔵庫のある生活のありがたさを自覚している方はどの程度いるのか・・

 日本にいると、忘れがちな電力網の恩恵を改めて感じました。

 実は、同日2016年8月21日に発行された日本経済紙の朝刊1面に掲載されたコラム「アフリカ新世紀1」でも、以前に民族対立で約100万人の犠牲者をだしたルワンダでは、携帯電話機の普及がこの10年間で5パーセントから80パーセントに急増し、情報技術(IT)を学ぶ基盤ができてきたと報じています。

 この携帯電話機の電池の充電などにも、太陽光パネルとリチウムイオン2次電池の組み合わせが背後にあるようです。