ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

熱海市の海岸沿いで、ロールケーキを買い求めました

2011年01月31日 | グルメ
 静岡県熱海市の東海岸というところに、「ロールケーキ専門店」と称する洋菓子店があります。最近のように、ロールケーキがはやる前から、いろいろなロールケーキをピースで売っているお店です。当然、今回も立ち寄りました。

 今回はサクラ・ロールケーキを買い求めました。かなり小振りのロールケーキです。1個290円と、大きさの割には高い感じです。上品な甘さでした。

 
 生地のスポンジケーキの中にサクラの葉が練り込んであります。桜餅を包む“大島桜の葉”のような薫りがします。

 ロールケーキ専門店の「えとわーる」は熱海市のJR熱海駅から海岸寄りまで坂を下た辺りの、東海岸町にあります。湯河原市側から有料道路の「熱海海岸自動車道」の出口側と、国道135号線が合流する交差点付近です。信号付きの交差点で、ほとんどが一時停止します。すると、なんとなく気になる雰囲気を醸し出すエトワールの店構えが目に入ります。

 気になっていたので、だいぶ前に、立ち寄ってロールケーキを買いました。当時はいろいろなロールケーキをピースで販売していること自身が珍しいことでした。


 九州大学の准教授の方で、熱海市ご出身の方がいて、数年前に何かの話の流れで「熱海市にあるロールケーキ専門店はご存じですか」と偶然聞くと、「あそこはうまい」との答えでした。実際に、夕方に行くと大部分が売り切れています。

 この洋菓子店の問題点は、交通量の多い交差点付近にあり、駐車できないことです。たぶん、地元のお馴染みさんが散歩がてらに買うお店なのです。比較的こぢんまりしたお店で、2階は喫茶店になっています。少し離れた場所に、駐車し歩いて買いに行きます。

 今回、この洋菓子店がロールケーキのサクラ版を売っているには理由があります。熱海市には“あたみ桜”という早咲きのサクラが名物になっているからです。なんと、12月下旬から咲き始めるそうです。伊豆で有名な“河津桜”よりも1カ月以上早く咲きます。2011年1月22日から30日の日曜日まで、繁華街沿いの糸川遊歩道では、早咲き日本一“あたみ桜”糸川さくら祭りが開かれていました。河津桜のような派手な赤さがなく、しかもサクラが1月から咲くとは思わないので、多くの方が見落とします。

 国道135号線の伊豆山付近にも、陽当たりのいい場所にあたみ桜が何本か植えてあります。もう開花しています。メジロが20羽ぐらいで、花の蜜を吸いにきていました。




 メジロは花から花へとせわしなく飛び回ります。結構、賑やかです。ここはもう春真っ盛りです。

熱海市の熱海梅園では早咲きの紅梅と白梅が咲いています

2011年01月30日 | 旅行
 静岡県の伊豆半島の付け根に位置する熱海市は、温暖な気候です。その熱海市にある熱海梅園で、早咲きの梅を楽しみました。熱海梅園は2011年年初の1月8日からいち早く開園し、「おそらく日本で一番早い開園」と伝えています。天気に恵まれた1月30日は、日曜日であるため、朝早くから花見客が大勢、押し寄せました。入り口近くの駐車場はすぐに満車になりました。人波も途切れません。

 陽当たりのいい斜面では、早咲きの梅の木が開花しています。見た目では、梅園全体としては、まだ二、三分咲きの感じですか、早咲きの梅が植えられた斜面部分では、梅林風の雰囲気を感じさせるほど、七、八分咲きの梅の木もあります。




 明治時代に横浜の豪商が私財を投じて造園し、1885年に梅祭りが始まったそうです。その梅林も歴史を重ねて、梅の木の老木が増え、代替わりが必要になり、平成19年度からリニューアル工事に着手し、平成20年度には、梅の生育を邪魔する常緑樹の大木を剪定(せんてい)したり、樹園地に陽光がたくさん降り注ぐように、環境を整備したそうです。これまで植栽には不向だった場所にも、土壌の改良も併せて行うことで梅の樹園地として再生させたそうです。平成20年12月に第2期工事を終了させし、平成21年1月初めに新生梅林がオープンしました。

 熱海梅園では、梅見の滝や足湯などの観光客受けする用具が新設されました。梅園の上部に設けた韓国庭園の傾斜地1800平方メートルには、早咲きの梅を中心とした和風庭園が整備されていました。 和風庭園の近くでは、掛け流しの温泉による足湯(梅まつり期間中にオープン)しています。

 梅林の梅は早咲きが253本、中咲きが111本、遅咲きが89本植えられているそうです。花の色は紅は69本、濃紅が26本、淡紅・帯紅が40本、白が283本、その他が36本、植えられているそうです。梅の実が採れる木も118本植えられているそうです。


 梅以外に、ロウバイも何本か咲いています。黄色がとても濃いロウバイがありました。


 梅林の中には、熱海市で晩年を過ごした中山晋平の記念館なども設置されています。

 熱海梅園は「日本一早咲きの梅」と「日本一遅い紅葉」を両立させることを目指しているそうです。梅林は3月上旬まで開園しています(梅まつり期間中は入園料が300円です)。

冬はメジロが群れで時々、我が家にも来訪してくれます

2011年01月29日 | 季節の移ろい
 冬のよく晴れた日は、メジロが数羽、群れで来てくれます。たぶん、数100メートル四方の割と狭い範囲であちこちに出没しているようです。ある時は、良く咲いている街路樹のサザンカの木に、ある時はすぐ側の植え込みの中になどと神出鬼没です。


 関東地方は幸運なことに晴れが続いています。朝日の射す中で、良く鳴いているのはシジュウカラです。木の枝の上ばかりでなく、電線や屋根の上に留まって、チュピチュピと良く鳴いています。うるさいのは、ヒヨドリとムクドリです。特にヒヨドリは、結構、身近なところにまで来て、庭木の枝に留まって鳴きます。たまに、コゲラも飛んできます。少し離れた森に住んでいるとみています。ジョウビタキは昨年12月に一度、見ただけです。花の少ない冬期は、野鳥が身近にまで訪れてくれる楽しい時期です。

 こうした野鳥の中で、華のあるスターはメジロです。数羽が集団であちこちに出没します。通りの街路樹のサザンカの木にいたかと思うと、ある家の屋根や庭にいたり、通りの葉が込み入った植え込みの中に飛び込んだりと、なかなかの活動家です。

 5、6羽ぐらいの群れが多いのですが、たまにもっと多数で来ているように感じる時もあります。数羽が身を寄せ合う“目白押し”もします。寒さ対策なのでしょうか。




 サクラが咲いた3月末や4月上旬に、サクラの花の側で見るメジロに比べると、羽根の萌葱(もえぎ)色はやや暗い感じです。うぐいす餅色の羽根になるには少し生え替わるなどして鮮やかになるようです。

ITシステムに支えられたイノベーションの話を拝聴しました

2011年01月28日 | イノベーション
 2011年1月26日に東京工業大学社会人教育院が開催した「ITが巻き起こすイノベーション」という講演会に参加しました。講師は、日本オラクルの常務執行役員の保々(ほぼ)雅世さんです。




 IT(情報技術)によって、当該企業のビジネスモデルを巧みに変革した具体的なケースを分かりやすく解説されました。

 日本を代表する家電量販店では、売上高トップはヤマダ電機です。市街地の郊外に大きな駐車場を設けて、お客を引きつけるロードサイド型店舗を展開しています。売上げ規模が大きく、仕入れ量を増やすことで、家電メーカーからの仕入れ値を大幅に下げさせることで収益を確保しています。家電店トップを維持するために、ヤマダ電機はM&A(合併と買収)を積極的に行い、規模を追及しています。ベスト電器、マツヤデンキ、星電社などと、それぞれ子会社化したり、吸収したりしています。保々さんが博士号をお取りになった時の解析内容に基づいているので、2006年のデータとやや古いデータで説明されました。

 2006年のヤマダ電機の売上高は2005年2月に1兆円を突破し、2010年3月には単体で1兆9717億円に達したそうです。純利益は2010年3月に連結559億円、単体549億円です。

 家電量販店の売上げの約20%を占める巨人のヤマダ電機に対して、ヨドバシカメラはITを活用し、従業員1人当たりの労働生産性の高さで勝負しているのが特徴だそうです。保々さんは2002年のデータで両者を分析します。



 1人当たりの利益をみると、ヨドバシカメラが労働生産性が高いことがよく分かります。その秘密はIT活用の差だと説明します。ヨドバシカメラはユーザーに売上げポイントを与える「Gold Point Card」をいち早く導入し、顧客一人ひとりの購入パターンを収集し、行動パターンを分析します。これを1週間分の最終需要予想にまとめ、家電メーカーに対する発注計画を立てます。4週間前に受注した分の1週間分を確定発注し、その発注分を完全買い取りするそうです。数量の確定発注によって、納品価格を徹底的に下げさせていると推定されます。53万品目を品ぞろえし、在庫回転率を月に3回と驚異的に高くし、値下がりする前に売り切ってしまう戦術と分析します。こうしたことができるのは、ITシステムのおかげであり、徹底してITを活用することから産まれるといいます。「同業他社の中では圧倒的に高い利益率を実現している」そうです。

 保々さんは大学卒業後に最初はIBMに入社し、マイクロソフトに転職するなどの経歴を重ねた後に、現在はオラクルに勤めています。米国を代表するIT企業のこの3社は、それぞれ積極的にM&Aを展開しているそうです。2006年までに、IBMは61社を、マイクロソフトは77社を、オラクルは59社と、積極的に企業を買収したり、合併したりしています。将来必要になる最先端技術の芽を入手したり、製品シェアを高めるために当該企業が持つ市場を入手したりするなど苦心してる。大胆な企業買収も珍しくないとのことです。


 講演する雰囲気は親しみやすく、楽しく聞かせていただきました。

特許庁・INPITTが派遣する知財プロデューサーの話を伺いました

2011年01月27日 | イノベーション
 今年4月から特許庁・INPITは知財プロデューサーという知的財産のプロを“ナショナルプロジェクト”に派遣する事業を本格的に始めるそうです。INPITとは、独立行政法人工業所有権情報・研修館という特許庁傘下の独立行政法人で、特許の活用を活発化する事業を担当している組織です。特許を出したり、使ったりする方には良く知られた組織ですが、一般の方にはあまり知られていない存在だと思います。

 1月25日に東京都港区で開催された国際特許流通セミナー2011(主催は工業所有権情報・研修館)のパネル・ディスカッション「研究開発コンソーシアムの成果を事業化につなげる知財マネジメント 知財プロデューサーの挑戦」という野心的なパネル討論がありました。このパネル討論が行われた背景は、最近の日本は「優れた技術を持っているのに、事業では勝てなくなっている」という疑念が高まっているからです。

 研究開発で優れた成果を上げ、それに基づく特許を多数出しているのに、国際市場では事業収益を上げられないという傾向が高まっていると、日本人は感じているようです。例えば、液晶テレビは国際的には韓国のサムソン電子やLGディスプレーが高いシェアを獲得しています。液晶テレビのコアデバイスである液晶パネルも、韓国や台湾の企業が大きなシェアを採っています。携帯電話機も、国際市場での日本企業のシェアはあまり高くありません。

 このため、優れた研究成果から産まれた特許などの知的財産を十分に活かして、収益が上がる事業を設計し運営することが、日本企業にとって急務であるとの見解が強まっています。そのためには、研究開発段階からどんな強い特許を手に入れるかを考える知財戦略を立案し、同時に事業戦略を立てて連動させることが不可欠になります。こうした研究開発戦略と知的財産戦略、事業戦略の3者を“三位一体”で設計し動かしていく“知財プロデューサー”と呼ばれる専門人材が重要になります。こうした知財プロデューサーを“ナショナルプロジェクト”に派遣する事業が本格化しようとしているそうです。来年度の平成23年度の予算が決まらないと正確には分からないのですが、20人程度は派遣する計画のようです。

 実は今年度から試行として、INPITは知財プロデューサーを既に数人を派遣しています。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が研究開発費を提供しているナショナルプロジェクト「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト」(通称、BEANSプロジェクト)に2008年12月から知財プロデューサーとして小野寺徳郎さんを派遣しています。


 小野寺さんは2009年4月からBEANSプロジェクトの一部が入居している東京大学生産技術研究所に常駐し、知財マネジメントを担当し始めたそうです。優れた特許を出願し、目標としている製品化・事業化に成功するための下地をならしています。
 
 今回、特許庁・INPITTが知財プロデューサーを派遣する理由は、国際特許流通セミナー2011で開かれた、関連するパネル・ディスカッション「知財ファンド等による知的財産活用の新たな試み」に登場した産業革新機構の執行役員・企画調整室長を務める西山圭太さんの説明が的を得ています。


 西山さんは「日本は外国に比べて、研究開発費や特許数は多く、日本の大学や公的研究機関の基礎技術レベルは世界最先端を達成している」ものの、「こうして得た独創技術を事業化に結びつける実力が弱い」と、冷静に分析します。そのためには、「優れた研究成果を強い特許で権利化し、優れた知的財産戦略を練り上げ、国際市場で勝てる事業を展開するようにしましょう」と、鼓舞します。

 ナショナルプロジェクトに派遣される知財プロデューサーの役割は、当初の予想以上に重要になりつつあると感じています。知財プロデューサーは最終的には、各人の精力的な活動の集積が結果に表れます。数年後には、知財プロデューサーの成果を是非、拝見したいと思います。運不運にかかわらず、成果表を見せていただきたいと思います。企業の経営者と同様な成果表を見せていただきたいと思います。この結果表に応じて、報酬額を大幅に増減するやり方がほしいと思います。今回も事実上、「ベルギーのIMECは、なぜ強いのか」という話につながる話です(この話題から、数日間離れます)。