ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

さいたま市にある見沼自然公園で、野鳥のウソやマヒワなどに出会いました

2013年01月31日 | 季節の移ろい
 さいたま市緑区にある見沼自然公園に、夕方に立ち寄りました。大きな人工池を囲む雑木林や低木などには、ウソやマヒワなどの野鳥が飛び交っていました。

 ある用事のために、さいたま市の某所に出かけた時に、空き時間が少しできたので、以前に行ったことがある、さぎ山記念公園に立ち寄りました。ところが、さぎ山記念公園は半分ぐらいが改修中でした。そこで、すぐ隣にある見沼自然公園に向かいました。

 人工池の周囲にある雑木林では、野鳥観察の方の数人が木を見上げています。何が来ているのかを伺うと「ウソとマヒワなどの群れが来ている」と教えてただきました。

 小さな実が付いている木を中心に、ヤマガラやウソ、マヒワ、メジロなどが周囲の木々も含めて群がって行き来しています。

 4、5羽のヤマガラが木の枝と根元との間を行き来しています。



 ウソが3羽、小さな木の実をつっいています。



 冬になると高山から下りてくるウソのオスではないかと思いましたが、観察していた方は「メスでは」と、周囲の方に説明されていました(佐久荒船高原では、3月ぐらいから胸部分に鮮やかな桃色・紅色の模様がある、姿の美しいアカウソが登場します)。

 マヒワは10数羽ぐらいの群れです。とにかく枝から枝に動き回り続けます。





 “黄色い”羽根が印象として残るマヒワは越冬のために、北から渡ってくる冬鳥です。黄色みが薄い2枚目の画像のマヒワは雌です。3月ごろになると、刈り取ったままの田圃などで、数10羽のマヒワの群れをよく見ます。黄色い野鳥の群れです。

 シメも大きな木の上部に登場しました。辺りを見渡している様子です。



 シメは近くの雑木林でも何羽か見かけました。その内の1羽は、かなり大きい感じでしたが、すぐに林の奥に消えてしまいました。

 見沼自然公園は見沼代用水(東縁)と加田屋川に挟まれた沼地を干拓した自然豊かな公園です。人工池の周囲にある人工の草原では、小さな子供と一緒に遊ぶ家族づれや犬を散歩させている方が多数いました。見沼代用水沿いの道を多くの方がジョギングを楽しんでいます。

 さらに、この近くには江戸時代に、現在の川口市の旧川口宿から北に向かう“日光御成道”が通っていたとの説明図がありました。自然と歴史を感じさせる公園です。

古河電気工業などはイットリウム系超電導ケーブルの送電実験に成功しました

2013年01月30日 | イノベーション
 2013年1月29日に、古河電気工業などの研究開発チームは、イットリウム系超電導ケーブルでの送電実験で世界最高となる275キロボルト、150万キロボルト・アンペアの実証試験に成功したと発表しました。

 1985年に高温超電導ブームを起こした酸化物超電導材料がやっと事業化の見通しが立ち始めたようです。

 今回の実証試験成功を発表したのは、古河電気工業と国際超電導産業技術研究センター(ISTEC)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の3者です。経済産業省傘下の新エネルギー・産業技術総合開発機構は平成20年から同24年度までの5年間にわたって実施されている「イットリウム系超電導電力機器技術開発」プロジェクトの研究開発費を支援しています。5年間で約140億円を支援します。

 超電導ケーブル実証試験の具体的な内容の説明は後回しにします。今回、古河電気工業などがイットリウム系超電導ケーブルの実証試験成功を発表した背景には、日本と米国、フランス、韓国、中国などの企業・組織などが、イットリウム系超電導ケーブルの製品化・事業化で激しく競合し始めていることがあります。ハイテク技術のグローバルな競争です。

 中国やアジアなどの新興国各国は、これからの一層の成長を図るためには、社会インフラストラクチャーとして電力網を築く必要が高まっています。その際に、その電力網構築事業を受注したいと、古河電気工業などは考えています。その目標時期は2020年ごろのようです。

 今回、古河電気工業と国際超電導産業技術研究センターが発表したイットリウム系超電導ケーブルの詳細は、2011年6月に発表しています。クロム・ニッケル(CrNi)基合金のテープ状基板に、イットリウム・バリウム・銅(Y・Ba・Cu)などの元素で構成される酸化物超電導体を結晶成長させたものです。この結晶成長では、イオンビーム支援蒸着法を利用しています。





 開発段階では、フジクラが基板を、昭和電線が酸化物超電導体の蒸着を担当し、古河電気工業が超電導ケーブルに仕上げています。これは、国際超電導産業技術研究センターがプロジェクトの取りまとめをしている研究開発チームの企業分担構成だからです。

 古河電気工業は今後、イットリウム系超電導ケーブル事業を始めるためには、製造設備を確保する必要があります。それが、2011年10月に発表した米国の超電導線材子会社のスーパーパワー社(ニューヨーク州)の買収でした。同社は、オランダのフィリップス社の子会社でした。買収額は50億円前後と推定されています。この企業買収によって、古河電気工業は超電導線材の量産設備を確保したとみられています。

 スーパーパワーは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の研究開発部門からスピンアウトしたベンチャー企業です。米国には、イットリウム系超電導線材を製造できる企業としては、アメリカン・スーパーコンダクターがあります。将来、同社と古河電気工業は競合するとみられています。

 今回の超電導ケーブル実証試験に使った長さ30mの超電導ケーブルは、古河電気工業とフジクラが折半出資で設立したビスキャス(本社東京)が製造したそうです。ここで製造した超電導ケーブルは、古河電気工業の100%子会社である中国瀋陽市の瀋陽古河電纜公司の敷地内で、長期課電・通電試験を実施し、成功しました。

 従来は66キロボルトケーブルだったものを、約4倍の275キロボルトケーブルに高電圧化するために、「超電導導体の外側に巻く電気絶縁層を従来の6ミリメートルから22ミリメートルと厚くするなどの工夫を加えた」と説明します。電気絶縁層は絶縁紙を用いているそうです。

 超電導体のテープは表面が銅の色になっています。超電導体テープは液体窒素(沸点がマイナス196度、摂氏)によって十分に冷却されるように、超電導体テープ表面に銀(Ag)をメッキし、さらにその上に銅(Cu)をメッキしているからです。

 電気絶縁層の外側に、イットリウム系超電導線材製の超電導シールド層を巻いて、強力な磁力が外側に働かないようにしています。その外側に保護層と断熱層を設けています。断熱層はプラスチックフィルムにアルミニウム蒸着したものを巻いたものだそうです。いろいろな材料を、その役割ごとに多層に巻いてケーブルに仕上げていることが分かります。

 電力電線ケーブルは日本国内市場では、代替需要向けが主体になり、需要は今後あまり成長しないとの予測です。このため、国外市場を求める成長戦略が練られているようです。国内の電線メーカーはグローバル市場向けの布石を打っているようです。酸化物超電導材料を軸にしたハイテク製品の事業化競争がやっと本格化しそうです。

基調講演「新興国における日本企業の市場獲得と現地化」を拝聴しました

2013年01月29日 | イノベーション
 1月28日に東京都品川区で開催された「国際知的財産活用フォーラム2013」を拝聴しました。特許庁傘下の独立行政法人工業所有権情報・研究館(INPIT)が主催したセミナーです。

 今回の総合タイトルは「グローバル市場の獲得と知財を活かした事業展開」です。



 午前中の基調講演「新興国における日本企業の市場獲得と現地化」は示唆に富む内容のお話でした。グローバル市場で活躍する大手ガラスメーカーの旭硝子の日本・アジア事業部ソーラー・産業事業部主幹の堺井啓公さんが講演されました。

 まず興味を持ったのは、旭硝子の各事業の売上高と営業利益です。2011年12月期に公表された2011年度の数字です。

 大看板のガラス事業は2011年の売上高は5544億円(全体の44%)で営業利益は99億円(同6%)です。一方、ディスプレー向けのガラス基板などの電子事業は売上高は3865億円(全体の32%)で営業利益1335億円(同81%)、フッ素樹脂などの化学品事業は売上高は2486億円(全体の20%)で営業利益181億円(同11%)です。このほかにその他の事業があります。

 ガラス事業は規模は大きいが収益はかなり低いということです。窓ガラスや太陽電池パネル用、自動車用窓ガラスなどの製品を売っているガラス事業では、建築用の“板ガラス”では、旭硝子グループとフランスのサンゴバン社(+セントラル硝子)、日本板硝子グループ、米国ガーディアンインダストリーズ社の4社で世界市場の65%のシェアを占める大競争製品です。自動車の窓ガラスも、旭硝子グループとフランスのサンゴバン社(+セントラル硝子)、日本板硝子グループの3社でシェア65%を占めています。

 ガラスの既存市場はグローバル市場では寡占化が進み、熾烈(しれつ)な価格競争の結果、あまり儲かっていないようです。

 これに対して、電子事業の中核を占める液晶用ガラス基板は、旭硝子グループとサンゴバン社(+セントラル硝子)、日本板硝子グループの3社でシェア65%を占めています。旭硝子の営業利益の81%を稼ぎ出す“儲け頭”です。

 旭硝子は窓ガラスなどの汎用品では、あまり儲けていませんが、日欧米アジアなどのグローバル市場向けにガラス溶解炉などの生産設備を稼働させ、汎用品のガラスを販売することで従業員の雇傭を維持しています。

 そのガラス生産設備を稼働させている中から、テレビやパソコンなどの液晶ディスプレー用ガラス基板という高付加価値品を販売する電子事業で稼ぐ事業構造です。フッ素樹脂などのファインケミカルでも稼いでいます。

 ガラス全体の事業規模を維持しながら、その時の高付加価値製品で高収益を上げる事業構造を保っている点に感心しました。日本企業は高付加価値製品の販売で収益を維持しようとしています。その実現には、旭硝子のような事業構成がかなり参考になると感じました。

 旭硝子は「2020年のありたい姿」を目指し、「ガラス技術立社」「第二のグローバリぜーション」「環境・エネルギー分野での技術力」の3つの視点で成長基盤を築くそうです。

 ガラス技術立社では、ガラス技術などを基に、新たな事業モデルの構築を追究されるそうです。

 講演された堺井啓公さんは、実は経済産業省の方で、現在は官民交流で旭硝子に出向されているそうです。講演の後半は、経産省や厚生労働省、文部科学省が取りまとめた「平成23年度 ものづくり基盤技術の振興施策」を解説されました。この内容も示唆に富むものでした。

伊坂幸太郎さんの新刊ミステリー「残り全部バケーション」を読破しました

2013年01月27日 | 
 ミステリー作家の伊坂幸太郎さんのミステリー小説「残り全部バケーション」を一気に読みました。東京近郊のJR川崎駅に往復する車内で読みました。

 新刊「残り全部バケーション」は集英社から2012年12月10日に発行されました。これも準簡易装丁版です(定価を抑える工夫のようです)。



 主人公は、溝口と岡田という車の追突事故詐欺という裏稼業の小悪党二人です。これまで、4つのミステリー小説誌などに掲載した4編の短編に、4編を通したつながりなどを語る、取りまとめ編の1編を加えた合計5編で構成されています。

 中身は最初に読むと、あり得ないと感じる状況設定にかなり戸惑います。常識的な理解では話の展開について行けない場合が多いのです。例えば、第三章「検問」は小悪党二人が、女性を誘拐し車の後部座席に押し込んで走行中に、警察の検問に引っかかります(できるだけネタバレにならないように、簡単に中身を説明します)。

 有力政治家が刺された事件の犯人を捜すための検問でした。この検問を担当する警官は、運転している溝口に車のナンバーを質問します。運転席の溝口はスラスラとナンバープレートの記号と数字を答えます。実は、ナンバープレートの数字を少し間違えて答えていました。

 さらに、車のトランクを開けるようにも指示されます。その警官がトランクを検査します。運転している車は、女性誘拐を依頼したクライアントなどが用意したものらしく、溝口と岡田は車のトランクに入れられた荷物の中身を知りません。

 検問を受け、「問題ないので先に進むよう」に警官に指示された溝口は車を発進させます。しかし、何か腑に落ちない感じがすると、車を道脇に駐めてトランクの中を調べます。すると、段ボールの中に、大きなバックが入っており、そのバックの中に百万円の札束が詰まっていました。

 溝口と岡田と、誘拐された女性の3人は、なぜ検問した警官がこの札束に気づきながら、そのまま通したかという理由をあれこれ考えます。こんな奇妙な話が5つ並びます。常識を覆す話の展開に、筋を追うのがやっとです。簡単には理解できないケースもあります。

 奇妙な味の“非常識”ミステリーです。最近の伊坂幸太郎さんのミステリーやSF小説は「見方を変えると、見えてくるものがまったく異なる」というテーマを追究しています。第三章「検問」の話の筋は、一応成立するかなとも思いますが、そんなにうまくつじつまが合うかなとも感じます。

 伊坂さんの小説は、新刊が発行されれば、原則購入し、すぐに読むことにしています。ただし、最近は大型書店に行く機会が大幅に減り、発行直後にすぐに購入するケースが減っています。この新刊「残り全部バケーション」はある新聞の書評で発刊に気が付きました。

 次回の新刊でも、背負い投げのような“一杯を食う”ことを楽しみたいと思います。

近所の河原沿いの道で、猛禽類のノスリに出会いました

2013年01月26日 | 季節の移ろい
 近所の川沿いの道を歩いている時に、チョウサギが1羽、川の浅瀬にいることに気が付きました。通称“シラサギ”と呼ばれるコサギより少し大きなサギです。

 数時間後にカメラを持って、その川沿いの道に戻ったのですが、チョウサギの姿は消えていました。

 日ごろから見かけるコサキが数羽いるだけです。



 コサギ同士はある程度の距離を置いて、それぞれ浅瀬で川魚を狙っています。

 川沿いに立つ木に、猛禽類が1羽飛んできて留まり、辺りを見渡しています。カラスと同じぐらいの大きさの野鳥です。





 後で、Webサイトで“鳥類図鑑”で調べてみると、ノスリのようでした。鋭い感じの視線の眼や、鋭いくちばしが特徴的です。「タカ目タカ科」に属するそうです。ノスリは、漢字では「狂」の下に「鳥」と書く、何かを意味深な猛禽類です。

 ノスリは周囲をじっと見回していました。この木のすぐ下は、稲を刈り取った後の田圃です。この田圃には、スズメやムクドリなどが多数います。ツグミも数羽、点々といます。時々、ヒバリが飛び上がります。

 ノスリが留まっている木のすぐ側の木の枝に、スズメなどがたまに留まりますが、ノスリに気が付くとすぐに飛び立ちます。

 ノスリは野鳥ではなく、田圃の畔などの出てくるネズミやトカゲ、ヘビなどを狙っている様子でした。その後、低空飛行して、ムクドリなどが多数いる低木の方に飛び去りました。

 河畔を進むと、カワウがいました。昨年の河川改修によって、浅瀬が減ったために、カワウを見かけることが大幅に減りました。





 カワウを見ていると、川の中に潜りません。昨年は浅瀬が多かったので、川に潜って魚を捕るシーンをよく見かけたのですが。どうも、カワウにとっては住みにくい川になったようです。

 昨年は川沿いにジョウビタキが住み着いていたのですが、今年は見かけません。河川改修によって、野鳥にとっては住みにくい環境になったようです。