ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

佐久市の佐久荒船高原はまだ冬景色です

2010年04月27日 | 佐久荒船高原便り
 長野県佐久市の佐久荒船高原に数カ月ぶりにバードウオッチングに行ってきました。長野県東南にある佐久市の東側に位置する佐久荒船荒原は、標高1100メートルぐらいあるため、一見すると冬景色です。さすがに雪は北斜面のごく一部にしか残っていませんが、木立の枝から新芽が芽吹いていません。このため、鳥が新緑の葉でかくれないために、鳥を見やすい時期です。また、普段は見ることができない渡り鳥も運が良ければ見ることができる楽しみがあります。数年前の今ごろに、アトリの群れを見ました。秋にシベリアから渡ってきて、春に帰る渡り鳥です。

 遠くに八ヶ岳連峰が見える丘は、初夏にはレンゲツツジがあちこちに咲き、初秋にはコスモスが埋め尽くすところです。その手前の林(ヤブ?)は、芽吹き一歩前の感じです。


 高原で最初に芽吹くのはサンシュ(サンシュユとも表記されるようです)という黄色い小さな花をつける木です。今年は4月下旬に雪が降るなど寒かったため、まだ咲いていませんでした。

 今回のバードウオッチングの成果は、お馴染みのホオジロ、シジュウカラ、ヒガラ、コゲラなどです。枝先に留まってよく鳴きます。特に、ホオジロは夜明けすぐに自分の縄張りを主張するように、よく鳴きます。背の高い樅(もみ)の木の梢の先では、モズが尻尾を振ります。カケスも木立の中をよく飛んでいます。少し離れた窪地では、好きなヤマガラを1羽見かけました。キツツキの一種のアカゲラも1羽遠くにちらりと姿を見せました。木をつっつくドラミングが聞こえました。

 ヤブや林の中からキジの雄が「ケーン」と鳴きます。何羽が見かけたのですが、人間の姿を見ると、すぐにヤブの中に逃げ込みます。1羽をなんとか望遠レンズで撮影しました。少しぶれています。


 キジはまだ、つがいになっていないようです。もう少しすると、子連れのキジの親子を見かけることになります。人間を見かけると、キジの親が走り出し、子供のキジが一生懸命後を追いかけます。

 佐久荒船高原は、長野県佐久市と群馬県下仁田町にまたがる妙義荒船佐久高原国定公園の中にあります。群馬県側にそびえる荒船山(標高1422メートル)は溶岩がかたまった特異な岩肌(幅400メートルぐらい)が有名です。


 荒船山の山肌はまだ木々が芽吹いていない感じです。しかし、よく見ると山肌の中にピンク色のツツジが点々と咲いています。早春の兆しです。もうすぐ、いっせいに木々が芽吹いて、山肌がすこしぼけた感じになります。芽吹くと、1~2週間で緑が山肌を駆け上がり、一気に新緑に包まれます。葉の成長の速さは目を見張るものがあります。冬の間に周到に用意していたからこそ、木々は一気に芽吹いて花開くようです。

カタクリの花を見に行きました

2010年04月25日 | 季節の移ろい
 4月24日に春を告げるカタクリなどの野草を見に行ってきました。長野県立科町の津金寺(つがねじ)の裏山は、春のカタクリから始まり、秋の萩までの野草の花が次々と彩る古刹(こさつ)です。5月は山吹の花が咲き乱れ、6月下旬には蛍が飛ぶそうです。裏山は昔の自然が残っている「津金寺自然探索園」になっています。

 4月下旬に入って寒い日が続いたため、カタクリは開花が遅れていました。

 本堂の観音堂や阿弥陀堂の裏山は杉木立(こだち)の木漏れ日の中でカタクリやアズマイチゲ、イカリソウ、シロバナエンレイソウ、ニリンソウなどの春の主役が所々で咲き始めていました。咲き始めのために花の群生とはいえない感じでした。


 裏山の下の方の日当たりがいい場所では、カタクリやアズマイチゲがいっせいに花を咲かせて緑の絨毯の中に花が映えていました。カタクリの花はピンクの濃さがいくらか違うものが混じっています。午後の日差しがカタクリの花の背後からあたってピンクの色を際立てさせていました。
アズマイチゲは多くがまだ背が低く、花も小さく、一見するとまるでニリンソウの蕾のような感じでした。

 そのニリンソウは当然、群生しています。裏山なので午後になって日差しが弱くなり始めたため、白い小さな蕾が風に揺れるばかりです。イカリソウも咲き始めでした。シロバナエンレイソウも咲き始めで、花がやはり小さいと感じました。書院の裏側にはヒトリシズカも咲いていました。5月末に咲く九輪草は葉の芽が出始めたところでした。

立科町は長野県東南部の佐久市と上田市の間に位置します。八ヶ岳連峰の麓の部分と、千曲川に近い部分などが混じった町です。小諸市や上田市の桜の名所が満開を過ぎて葉が伸び始めているのに対して、立科町の津金寺は桜がやっと満開になり始めました。標高が約700メートルと高いために桜の開花が遅いそうです。

 津金寺は大宝2年(702年)に大和薬師寺の行基(ぎょうき)が仏教敷衍(ふえん)の拠点として設けたと説明されています。当時は相当草深い地方の寺だったような気がします。伝教大師の最澄(さいちょう)などが学僧を育成する「天台談義所」を設けた結果、信濃の国の地方学問所として存在感を示してきたそうです。天台宗の最も古い談義所だそうです。ここは冬が寒いところです(この寺の少し先が笠取峠です。峠付近には、別荘地の「学者村」があります。夏涼しいということは冬は寒いのではと思いました)。こんな山麓で学問するだけでも修業の場だった気がします。学問をするには静かな環境が大事だと思いますが、食糧を確保するだけでも大変な場所だった気がします。

 戦国時代は武田信玄が庇護したことから、この寺の紋は「武田菱」です。たぶん、川中島の合戦では手勢が通過したところでしょう。天正10年(1582年)には織田信長の一派の兵に全山を焼かれて縮小した後、江戸時代に小諸藩の祈願寺として再興されたそうです。こんな片田舎にも日本の歴史の積み重ねがあることを少し知りました。司馬遼太郎の街道シリーズに紹介されていてもいい場所だと思いました(未確認です)。

 カタクリが開花する時期は、檀家の方がボランティアとして手伝います。入り口などで、野草の説明書を手渡しするなどの手伝いです。「入り口のテントの中は今日は寒い」とボランティアの方が言っていました。寺の周囲は米とリンゴの二つを主に栽培する農家が多いそうです。春が遅く、裏山などからわき出る清水は冷たいので、工夫して田んぼをしていると思います。現在は、「五郎兵衛米」(ごろべいまい)という自主ブランドのお米が好評だそうです。佐久市(旧浅科町)の国道沿いには、この浅科五郎兵衛米を紹介する看板が立っています。農家の努力の一端です。こうした積み重ねが大事と感じました。

ブログ展開のイントロをもう一回

2010年04月22日 | イノベーション
 イノベーションは起こそうとしないと起きません。このため、従来にはない新しい発想が重要になります。“戦略”を考えることが非常に重要になります。

 日産自動車は4月1日から電気自動車「リーフ」の予約注文の受け付けを始めました。納車は12月だそうです。注目された車両価格(基本仕様車)は376万円でした。行政の補助金が77万円(2010年度の予想補助金)と推定されるため、これを差し引くと299万円と、なんとか200万円台に乗せました。

 
 興味があったのは、この“車両”価格が電池を含んでいるかどうかでした。昨年8月に、日産が「リーフ」の仕様などを発表した時には、車両価格は発表されませんでした。1回の充電で約160km走ることができる「リーフ」の電池はコストが約100万円と推定されています。乗用車の主要構成部品が100万円もする高価な点が、従来のガソリン利用のレシプロエンジンを積んだ乗用車との大きな違いです。

 この時に噂された日産の秘策は、日産は電池抜きの電気自動車を販売し、購入者は電池をリースによって利用するという案でした。これならば、“車両価格”は一気に100万円安くなります。しかし、電池抜きの自動車は自動車としては不完全なため、車両保険の対象にならないと噂され、この秘策は消えたようです。非常に面白い案でした。従来の発想からはなかなか出てこない案でした。

 「リーフ」に搭載される電池はリチウムイオン2次電池です。携帯電話機やノート型パソコンなどに使われている充電可能な高性能電池です。電気自動車向けには現在、大別すると二つの課題があります。一つ目は、電気エネルギーをたくさん蓄えられるように電池のエネルギー密度を高めることです。このため、電池を構成する正極、負極、電解液などの開発、改良が進んでいます。二つ目は長寿命化です。自動車部品ですから、10年間は使える寿命が必要になります。携帯電話機のリチウムイオン2次電池では、“外れ”に当たると1~2年で充電できなくなることがあります。これに対して、電気自動車向けの電池は10年間以上使えるとすると、数年間で中古車にする場合に残存価値ができるため、電池の中古市場ができる可能性があります。これが今後、予想以上に重要になる可能性があります。

 日本での量産向け電気自動車の先駆けは、三菱自動車と富士重工業です。三菱自動車は2009年7月に「i-MiEV」を発売しました。

 車両価格は約460万円です。国の補助金は139万円(2009年度の補助金)といわれています。こんなに車両価格が高いのは、搭載したリチウムイオン2次電池が200万円以上するためと推定されています。三菱自動車の電気自動車が高いのは、2009年度の生産台数が1400台、2010年度が5000台と、台数が“非量産型”を前提としているためです。電気自動車の性能を真面目に開発、改良し、現実的な販売態勢をとった結果です。

 日産は最初から年産5万台規模の“量産”を目指しているそうです。2010年度には日本ではまず6000台を販売する計画です。2012年には日欧米の4拠点で「リーフ」を12万台、2013年には25万台生産する事業計画を立てているとみられています。この結果、搭載する電池も最初から量産化でき、その分だけ電池の低価格化は進みます。

 電気自動車を事業として成立させるために、日産はまず、仲間のフランスのルノーと組み、最近は日産・ルノー連合はドイツのダイムラーとの資本提携を含めた包括提携に踏み切ったと、新聞は伝えます。電気自動車の量産体制を実現するための一連の動きとみられています。

 日産のCEO(最高経営責任者) とルノー会長・CEOを兼務するカルロスゴーン氏を中心とする日産の経営陣は、電気自動車の事業を成立させる事業戦略を着々と進めているように思えます。これに対して、三菱自動車や富士重工は電気自動車をまず研究開発してから、事業戦略を本腰を入れて考えるように感じます。技術面では三菱自動車の方が先行するかもしれません。しかし、ユーザーが購入してみたいと思える魅力的な車両価格を実現しないと、事業が成立しないことも容易に考えられます。結果は数年後に出ると思います。

 さて、イノベーションの話です。
 電気自動車が普及すると、各住宅はある規模の電力貯蔵装置を持つことになります。最近は家庭用の太陽電池(ソーラーパネル)システムや燃料電池が普及し始め、各家庭は“ミニ発電所”を自宅に持ち始めています。

 現在は、既存の電力系統(東京電力などの)に加えて“売電”をしています。既存の電力系統の電圧を一定の幅内に収めることは予想以上に難しいそうです。この点で、自家発電所から生まれる電気エネルギーを、電気自動車の電池に充電すると、既存電力系統への負荷変動が小さくなります。各住宅がミニ発電所とミニ電力貯蔵装置を備え始めると、社会の基盤システムが変わり始めます。これがイノベーションを起こすと考えています。

 電気自動車とその電池の両方の量産化を図る事業計画が、各住宅がミニ発電所とミニ電力貯蔵装置を備えるきっかけをつくり、社会基盤面で“スマートグリッド・システム”の一部としてイノベーションを起こすと想像しています。この結果、どんなことが可能になるのでしょうか。まだ予想ができません。

(注)三菱自動車は、日産の「リーフ」の車両価格の発表直後に、「i-MiEV」の車両価格を約62万円引き下げ、398万円とすると発表しました。行政の補助金を差し引いた実質的な販売価格は284万円となるもようです。

今後のブログ展開のイントロとして

2010年04月18日 | イノベーション
 最近買ってみたいと思ったモノは、米国アップル社のタブレット型端末「iPad」です。電子書籍アプリケーション「iBooks」を使ってみたいからです。


 1年間に単行本を100数10冊も購入し置き場所に悩んでいる者として、紙の本ではない電子書籍を体験してみたいと考えたからです。本当にほしいと思える商品は久しぶりの登場でした(米国では4月初めに発売されましたが、米国以外での発売は5月末と約1カ月延期されました)。

 電子書籍がどんな可能性を持っているのか、興味津々(しんしん)です。たとえば、デジタル・スチル・カメラが登場し、“写真”の使い方が大きく変化しました。画像データである現在の“写真”は、10数年前は印画紙に焼きつける紙の“写真”でした(一時、デジタルカメラと区別するために、従来のカメラが“銀塩カメラ”と呼ばれたのは、撮影して光が当たったフイルムに像をつくり出す際に銀の酸化・還元反応を利用するからでした)。これに対して最近は、写真をパソコンの画面上で画像データとして見ることが普通になりました。

 画像データを印画紙に焼き付けたい場合は、その画像データを電子メールに添付して写真現像店(?)に送ると、写真現像店が印画紙にプリントする仕組みに変わりました。写真の渡し方も変わりました。渡したい相手に電子メールに添付して転送したり、Web上の特定サイトに保存し、このサイトのある場所を相手に教えると、その相手が自分がほしい画像データをダウンロードする仕組みに変わりました。画像データの写真という存在が、写真の使い方や相手への提供の仕方を変えたのです。この仕組みの変化がイノベーションです。

 端末「iPad」も電子書籍機能によって、紙製の本の存在を一変させるるかもしれません。2010年3月から日本経済新聞社は電子新聞を発行し始めました(有料化は4月から)。もし「iPad」を使って、電子新聞が読めるようになると、自宅などへの宅配制度がなくなるかもしれません。記事が朝刊と夕刊に2回に分けて送られるシステムも変わります。

 端末「iPad」にスペルが似ているアップル社の携帯デジタル音楽プレーヤー「iPod」(第一号は2001年10月に登場)は音楽コンテンツの販売の仕方を根底から変えた点で、イノベーションでした。音楽再生・管理ソフトウエアの「iTunes」を用いて「iTunes Store」サービスから音楽データを購入する仕組みが実現したからです。この結果、街のCD(コンパクトディスク)販売店は事業規模が急速に縮小しています。

 有名なイノベーションのたとえ話に、汽車と鉄道の例があります。蒸気機関車の開発はインベンション(発明)でしたが、その汽車を運行させる鉄道という仕組みはイノベーションでした(駅馬車の仕組みを置き換えたものですが)。鉄道の仕組みによって、定時に出発したり到着できる定期運行の基盤を築き、旅行や移動を計画的にできるようになりました。

 さてここで、日本の企業がイノベーションを起こしつつある事例を考えてみました。まだ開発途上ですが、ホンダ(本田技研工業)の二足歩行ロボット「アシモ」はイノベーションを起こす可能性を秘めています。その派生製品として、2008年4月にホンダは軽量型ロボットスーツ「歩行アシスト」開発版を開発しました。高齢者の歩行を助ける機器です。
 
 よく似たものに、筑波大学発ベンチャー企業のCYBERDYNE(サイバーダイン、茨城県つくば市)が実用化した「ロボットスーツHAL 福祉用」の下肢用があります。歩行が不自由な方が着用し、下肢を動かすことでリハビリをする機器です。


 高齢者社会を迎えつつある日本にとって重要な機器になり、高齢者の生き方を変える可能性があるものです。

 ここで重要なことはCYBERDYNEが大学発ベンチャー企業という点です。新規事業の芽を大学発ベンチャー企業という仕組みによって事業化を図っている点に、ここ10年間の日本の産学官連携の進化があります。


 「ロボットスーツ」は大学発ベンチャー企業と既存大手企業のホンダなどが事業化を競い合いそうです。今後、日本がイノベーションをどう起こしていくのかという“問い”を、今後は大学発ベンチャーの実務者にインタビューして考えてみたいと思います。

 日本の企業の既存事業は国際市場での激しい競争にさらされ、収益確保が次第に厳しくなり始めています。既存事業から、時代の変化に適した新規事業に乗り換えることが、企業の成長に不可欠になっています。イノベーションを起こす新規事業起こしの先駆けとなるベンチャー企業の動きがとても気になります。既存企業の社外であっても社内であっても、ベンチャー企業という形で新規事業を起こすことが、日本の近未来を切り開きます。日本では大学発ベンチャー企業の育て方を模索し続けていると感じています。こう感じることの原因を本気で探ってみたいと思います。日本の近未来がどうなるかを考えてみたいからです。

三千院はシャクナゲが見事でした

2010年04月16日 | 旅行
 京都の春は中心部から周囲の山を次第に登っています。鞍馬や高尾などの周囲の山では桜はまだ咲いていないと、桜の開花情報は伝えます。これに対して、京都の北にある比叡山麓の盆地の大原には桜前線は到達していました。

 4月13日に三千院を訪ねました。参道の山道を登っていくと、農家の石垣や段々畑に早春のヒメオドリコソウなどの野草が群生しています。この山道を登るというアプローチは、厳粛な雰囲気の中に入っていくという気持ちになるような自然の演出になっています。

 三千院の境内では、桜はいくらか散り始めていました。しだれ桜が色鮮やかでした。西洋シャクナゲが見ごろで、コケの緑の絨毯をバックに色鮮やかです。

 池を縁取るコケの中にショウジョウバカマの群生が点在しています。既に花が終わったものと、これから花を咲かせるものがありました。花期のスイッチがどう入る仕組みなのかよく分かりませんでした。これから花をつけるショウジョウバカマの葉は、緑色が薄く若々しい感じでした。

 境内の往生極楽院の中は、中央に阿弥陀如来、右手に勢至菩薩、左手に観音菩薩の阿弥陀三尊像が鎮座しています。お姿をこんな間近で拝観できるところはあまりないと思います。かなりの迫力です。

 開放的なつくりの建屋は、真冬はかなりの寒さになると思いました。これだけでも、ものすごい荒行になると感じました。

 境内の出口付近の円融蔵展示室内には、阿弥陀三尊像の天井画の再現図が描かれていました。サイケデリックな極彩色によって極楽浄土を描いたもので、薪(たきぎ)を燃やした光で見ると、そこが極楽浄土となったものと思います。当時の中国のハイテクノロジーを導入した劇的な演出です。当時の庶民は拝むことができなかったパワースポットです。

 本物は長年、護摩(ごま)を燃やした結果、煤(すす)で黒ぴかりしていて、色彩が分からなくなっています。極彩色の顔料・色素は赤外線分光分析で成分を決めたようです。説明員は「赤外線を当てて分かった」と解説していました。

 境内の奥に植えられた、しだれ桜は満開で見事でした。

 この木のすぐ側で、キセキレイが朗々と歌っていました。春の野鳥の鳴き声の中では、美しいものの一つです。参拝客はほとんど聞き入らず、通過していきます。出口の桜の木の上には、ウソが数羽いて桜の蕾(つぼみ)を食べていました。この時期だけは害鳥になるそうです。

 午後、私は仕事に、妻は二条城に向かいました。二条城は「二条城桜マップ」が用意され、どこにどんな桜が植えられているか、花の写真付きで親切に説明されていたそうです。こうした説明ソフトウエアは観光にとって重要なツールです。ここまでの気遣いが大切です。