ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

3月第4週目に報道された大手電気メーカーの記事を読んで考えました

2013年03月31日 | 日記
 3月の最終週である第4週には、日本の電機産業がらみのニュースがいくつか報道され、日本の電機産業の今後を考える手がかりになりました。

 3月28日に、パナソニックは中期経営3カ年計画を発表
 3月28日に、シャープ、韓国サムソン電子からの出資完了
 3月29日に、ギター大手の米ギブソンがティアックを買収
 3月29日に、NECが携帯電話機事業の売却検討
 などです。

 3月28日に日本を代表する大手電機メーカーのパナソニックは、2016年3月期までの中期経営3カ年計画を発表したとのニュースが話題を集めました。



 パナソニックは、テレビ、半導体、携帯電話機、回路基板、光ピックアップの5大赤字事業に対して重点的に構造改革に取り組み、5事業の赤字を解消し、営業利益で2013年3月期見込みの2.5倍に相当する3500億円以上を、売上高営業利益率で5%以上を目指すと発表しました。売上高目標は示さず、収益重視の姿勢を明確にしています。

 今期に860億円の営業赤字を見込むテレビ事業は「プラズマを含めた液晶を中心とするテレビ事業の赤字を2015年度には何とか解消する」とし、代表取締役社長の津賀一宏さんはプラズマテレビの撤退については「可能性はゼロではない」と述べて、検討していることを認めたが、「撤退は最後の判断」と記者会見で語ったと、大手新聞数紙などが伝えています。

 パナソニックは2013年3月期までに2期連続で7500億円を超す最終赤字を計上する見通しとも発表しました。この赤字見通しを受けて、同社の株価は下がりました。

 同社は、4月1日にパナソニックの前身だった松下電器産業時代の特徴だった事業部制を約12年ぶりに復活させます。現在、88あるビジネスユニット(事業単位)を49に減らし、事業部単位で収益管理を徹底する作戦です。

 中期計画では、電動化(エレクトロクス化)が進む自動車や、省エネルギー技術を生かした住宅を成長分野と位置づけ、それぞれ2018年には2兆円事業に育てる方針を盛り込みました。この結果、2016年3月期までの中期経営計画の目標を達成できれば「普通の会社になれる」などと、社長の津賀さんは述べたそうです。そのためには「一刻も早く赤字事業をなくす。不退転の決意で取り組む」と述べたそうです。

 3月28日に、シャープは、韓国サムスン電子を引受け先とする第三者割当増資について、当初の計画通りに払い込みが完了したと発表したとのニュースが報道されました。

 サムスン電子の出資比率は約3%で、シャープの第五位株主になったそうです。割当増資による調達資金は約104億円で、シャープは中小型液晶パネル関連の設備投資などに使うもようです。

 サムスン電子はシャープが得意な大型液晶パネルを安定調達し、市場が広がりつつある大型テレビで攻勢をかける作戦です。シャープはサムスン電子にテレビ用の液晶パネルを供給することによって、低迷する亀山工場(三重県亀山市)の稼働率引き上げなどを狙うと伝えています。

 日本の大手電機メーカーの中でも、総合電機メーカーとして君臨し、今は巨額赤字に苦しむパナソニックと、液晶パネルと液晶テレビで高収益をつい先日まで上げていたシャープは、それぞれ会社の建て直しに励んでいます。

 ここ数年は、日本を代表する電機メーカーの事業不振によって、大学の工学部の電気・電子学科は、学生から不人気です。電子立国日本を体験した教員たちからみれば、電気・電子学科の不人気は信じられないそうです。

 日本の製造業の両輪の一つである電機産業の不振は、日本の屋台骨を揺るがしかねない事態です。日本の製造業をどう立ち直すかを考え続けたいと思います。

日本経済新聞紙の「働けない若者の危機 世界も悩む」を読んだ話の続きです

2013年03月30日 | 日記
 日本経済新聞紙の朝刊一面のコラム欄で、2013年3月23日から「働けない若者の危機 第5部世界も悩む その1」から3月27日の「同第5部世界も悩む その4」の4回シリーズを読んだ話の続きです。

 3月25日掲載の「働けない若者の危機 第5部世界も悩む その3」は韓国の就職氷河期に直面している若者層の話です。



 昨年、ソウル市の私立大学の4年生は英語検定能力テストのTOIECで900点以上という高得点を取り、自信を持って就職試験を受けたところ、全敗だったというエピソードから始まります。

 韓国のトップ大学のソウル大学などでも、3人に2人しか就職できない状況になっているそうです。韓国の厳しい受験競争を勝ち抜いても、高収入な社会的地位を得られるという幻想を信じている若者は、韓国にはいないと続けます。

 サムソン経済研究所によると、韓国では大卒の約40%が学歴に見合う仕事に就けないとのことです。大学生の約30%は休学して、就職予備校に通ったり、語学試験の勉強に励むという就職準備に力を入れるという“異常事態”に陥っているとのことです。韓国のサムソン電子やLGエレクトロニクスなど電機メーカーが日本の電機メーカーを凌駕(りょうが)する事業売上げを得るなど、企業の事業は好調ですが、それを支える若手人材は悩みが多いようです。

 大学生が増えている中国でも、80%しか就職できない事態に陥り、次第に深刻化しているそうです。

 3月27日掲載の「働けない若者の危機 第5部世界も悩む その4」は、オーストリアの「ユースギャランティー」という10歳代の若者に就職訓練の場を紹介する政策が効果を上げ、若者の失業率が9%台と低い数字になっていると伝えます。EU各国は、オーストリアのこの政策を参考にしたいと考え始めているようです。



 先進国では、若者の深刻な失業対策に対する政策が必要になっていることを示す事例です。

 ここで話を米国の製造業に変えます。米国の製造業では中心はGM(ゼネラルモーターズ)やフォードなどの自動車産業です。その自動車部品メーカーも米国を代表する産業ですが、大手自動車メーカーとともに次第に勢力を縮小しています。米国では製造業は次第に衰退していく傾向を強めています。

 スマートフォンの代表格である「iPhon」やタブレット端末「iPad」などを販売する米国のアップル社は、その部品を日本や韓国、台湾などの電子部品メーカーに依存し、その組み立てと品質保証を台湾の鴻海精密工業(ホンハイせいみつこうぎょう)に依頼しています。その鴻海精密工業は中国にある子会社のフォックスコン・テクノロジー・グループ(Foxconn Technology Group=鴻海科技集團)に生産を委託してます。

 大まかにいえば、米国のアップル社は中国の製造業の低賃金従業員に依存して、「iPhon」「iPad」を安く生産し、大きな販売収益を上げていることになります。この構図は今後も続く見通しです。低賃金の従業員が製造・組み立てなどの生産工程を担うアジアなどの国に委託することで、製品コストを抑える分業体制をとる限り、米国の製造業は成長しません。

 米国の製造業は航空機や医療機械などの製品単価が高く、組み立てに高度なスキルが必要な分野に限られそうです。これでは製造業は多くの人を十分には雇用できず、若手人材の受け皿にはなれません。

 日本でも、国内の人件費が高いとの理由から、海外に生産工場を移し、国内に逆輸入する製品も増え始めています。国内と国外の生産体制をどうデザインするかが問われ始めています。

 3月29日発行の日本経済新聞紙の朝刊には、政府の規制改革委員会は雇用分野の重点項目を議論し、まとめを出したと伝えています。職務限定の準正社員といえる限定正社員の導入を提案しているそうです。配属先の事業所や仕事の内容、労働時間の限定などを導入する一方で、給与水準は普通の正社員より低い労働条件を導入するとの提案だそうです。

 さらに、解雇の金銭解決の提案もまとめているようです。ただし、この「解雇の金銭解決の提案」は、今日の国会答弁で、安倍晋三首相は否定する答弁をしたと、別のニュースが報じています。

 とはいえ、日本の従業員の雇傭態勢や条件は議論の対象となり、いろいろな意見が併記されそうです。これが進めば、日本でも欧州や米国のように、若者の失業率が高まる可能性も出るかもしれません。企業が従業員を65歳まで採用する制度を導入することで、新卒採用に影響を与えないことを祈るばかりです。

 欧米の先進国で進んでいる若者の就職難はグローバルに広がり始めています。高度情報社会を謳歌する先進国にとって、かなり深刻な問題になっています。

日本経済新聞紙の特集「働けない若者の危機 世界も悩む」を読みました

2013年03月29日 | 日記
 日本経済新聞紙の朝刊一面のコラム欄では、2013年3月23日から「働けない若者の危機 第5部世界も悩む その1」が始まり、3月27日の「同第5部世界も悩む その4」と4回シリーズで終わりました。

 働けない若者、すなわち職につけない若者の問題が深刻です。その根幹は、先進国がたどり着いた高度な社会の病気です。「働けない若者の危機 第5部世界も悩む」の文章を基に少し考えてみました。



 2013年3月23日に掲載された第5部のその1では、スペインの24歳の若い男性が半年間の求職活動では手応えがなく、スペイン語が通じるメキシコやアルゼンチンなどの中南米での求職情報をWebサイトで探し始めたとのエピソードから始まります。

 スペインでは現在、若者の失業率が55%と、2人に1人以上が働けない深刻な状況になっていると伝えます。この結果、2012年1月からの9カ月間に、5万5000人の若者が外国での長期滞在を目的に、母国スペインを見限って出国したという事実を示します。

 イタリアでも、若者の失業率が高いという弱みにつけ込んで、1カ月当たり数100ユーロ(100ユーロは約1万2000円)で働かせる「ヤミ労働市場」が問題になっていると伝えます。日本でいう“ブラック企業”のようなものでしょう。

 欧州では、若者が高い失業率に悩む事態に陥り、若者の失業や不安定な職業に追いやられる若者を放置すれば、国は活力を失うと指摘します。これは欧州での話だけではなく、日本も将来、対岸の話ではなくなる可能性を指摘します。

 3月24日に掲載された第5部のその2では、米国の若者の失業事情の話を展開します。米国コネチカット州のある会社に勤務する若い男性の話から始まります。地元の州立大学を卒業した若い男性は、1日当たり9時間の無給のインターン(就職体験活動)を続けます。交通費も支給されない悪条件に耐え、正社員採用の期待を胸に耐える日々です。

 米国では15歳~24歳の失業率は16%と、全体平均の約2倍と高いそうです。若者が卒業直後に就職する“ファーストジョブ=最初の仕事”は仕事のやり方を覚える大事な最初の一歩です。米国では従来、その後は自分の適性を見極めて、転職を繰り返してキャリアの階段を上っていくのが企業人(ビジネスマン)にとって普通でした。ところが、最初の仕事に簡単に就けない現在の状況は、若者の出鼻をくじき、その後のキャリアの階段を上る人生設計を崩します。

 就職できない大学での若者に「大学院に進んでキャリアの階段を上り出すことを選択しないのか」という質問をぶつけると、「大学院の授業料などを払うために、多額の多額ローンを借りると、この借金によって身動きがとれなくなる可能性が高い」と答える例を紹介しています。

 実は、これに似たケースは、日本の大学院の博士課程まで奨学金でまかなうと、就職後にいきなり数百万円の借金を背負ってローン返済に追われる日本の博士号取得者が増えていることから、日本でも一部で問題視され初めています。

 米国では「22-22-22」という言葉があるといいます。22歳の若者を年収2万2000ドル(約210万円)で、1日22時間働かせるという、まさに“ブラック企業”米国版の存在だそうです。

 最初の就職に失敗すると、その後のキャリアの階段を上れないという米国の深刻な若者の就職問題は、米国だけの問題ではないと伝えます。日本でも、将来起こりえる事態と警告を鳴らします。

 欧州各国では、若者の失業率が高いことから、深刻な暴動が時々起こります。米国ニューヨーク市のウォール街で深刻な占拠運動(Occupy Movement)も、米国での貧富の格差拡大と若者の深刻な失業率が動機です。

 欧米という先進国で、若者の失業率が高まり、社会に不満を持つ若者が産まれ、かつ自分の人生を自分で決められないもどかしさに不満を持っています。

 先進国で、不満を持つ若者が増え、お互いに助け合う社会システムが崩れ始めていれることは、人類にとって大きな悲劇です。そして、人類の繁栄を脅かす事態でもあると感じます。欧米で起こったことは、先進国の一角を担う日本でも起こりえます。長くなりましたので、この続きは明日にします。

東京都千代田区の皇居の桜田壕沿いでも満開のサクラの花が楽しめます

2013年03月28日 | 日記
 東京都千代田区一番町の千鳥ヶ淵交差点から南側のお堀沿いのサクラ並木を歩いてみた話の続きです。一番町と平河町、隼町にまたがる半蔵門交差点近くも東京都心の花見の名所の一つです。

 半蔵門から三宅坂に向かって緩やかに下りていく坂のお堀沿いの先にはサクラやポプラなどの街路樹の並木が見えます。お堀の向かい側にある国立劇場の前にも、比較的低木のサクラ並木があり華やかです(今回で、東京都心のお花見シリーズはひとまず終わります)。

 半蔵門交差点付近から、お堀の桜田壕沿いの先に見えるサクラやポプラの並木です。



 ゆるやかな坂からは眼下に広がる霞ヶ関や虎ノ門などのビル街がよく見えます。江戸時代には、新橋や品川近くの東京湾が見えたといわれています。

 桜田壕沿いの坂を下っていくと、三宅坂の交差点近くの桜田壕沿いに植えられたソメイヨシノの木がよく咲いています。





 桜田壕沿いには低木のボケの木の植え込みが所々に設けられています。そのボケの木の花がちょうど満開です。



 桜田壕沿いの土手には、アブラナ科の“菜の花”などが咲き始めています。黄色い花だけではなく、白い花や薄い桃色の花も咲いています。



 桜田門交差点近くになると、皇居見物を兼ねた外国人の旅行者の方も増えました。多くの方が桜田門から二重橋前の広場に向かったり、出てきたりしています。地方から上京した感じの方も多数います。

 東京都心は、ソメイヨシノの花が満開になり、春爛漫の風情を漂わせています。4月前にソメイヨシノの木は花を散らし、入社や入学時には葉ザクラになります。今年のサクラはこうした記憶を残して、葉を茂らしていきます。

東京都千代田区三番町の千鳥ヶ淵には、今年も花見客が大勢来ています

2013年03月27日 | 日記
 東京都千代田区三番町の千鳥ヶ淵は東京都心の花見の名所です。皇居のお堀沿いにサクラ並木が続きます。

 千代田区麹町と一番町に行った際に、千鳥ヶ淵交差点から南側のお堀沿いのサクラ並木を歩いてみました(本当は、東京都心のお花見シリーズは昨日で終わる予定でしたが、千鳥ヶ淵に行ったので結果的に続きます)。

 お堀の半蔵壕の北端に当たる千鳥ヶ淵交差点から一ツ橋の竹橋に向かう道沿いのサクラ並木です。お堀の土手には、アブラナ科の通称“菜の花”が多数咲き、黄色い絨毯になっています。満開のソメイヨシノ(染井吉野)の枝越しに見える黄色い花がきれいです。



 半蔵壕に枝が伸びたソメイヨシノの花は、お堀の水面を背景にしてきれいです。





 少し散り始めた満開のソメイヨシノの枝の下を、花見客がゆっくりと歩いています。ウイークデーの正午近くですが、なかなかの人出です。花見用にブルーシートを敷くことが許されてる場所が限られているようで、ほとんどの方は散策しながら花見を楽しんでいます。





 半蔵門交差点近くにある銅像です。よく見ると銅像の一つの頭部にハトが留まっています。



 半蔵門付近から花見客が増えます。お昼休みが近くなったために、隼町や平河町方向から花見客が押し寄せてくる感じです。比較的ご高齢の方が多い様子です。

 東京の花見の名所である千鳥ヶ淵は、今年も人気スポットでした。千鳥ヶ淵側から道路を挟んで英国大使館側のソメイヨシノのサクラ並木も今年も見事です。石畳沿いの小道が花の小道になっています。花見客が楽しそうに散策しています。

 ソメイヨシノの木から花びらが少し散り始めています。花見に一番いい時期です。