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1883年 ギィ・ド・モーパッサン
おおよそ女性ならば想像できる不幸にオロオロするだけの主人公ジャンヌに
普段ならばキーッ
となってしまうであろう私なのですが
『女の一生』は読む楽しさが勝っちゃって、どうでもいいや、ジャンヌは。
物語はジャンヌが17歳で、あずけられていた修道院から出て行くところから始まります。
ここからジャンヌが味わう不幸を大きく三つにまとめてみます。
無菌状態で少女時代を終わり、貴族気質ののんきな両親と海沿いの屋敷で過ごすため
やってきた村で、ハンサムなラマール子爵と出会い、恋に落ちて結婚してみたら
結婚前と後とじゃ大違い!! しかもすごくケチでせこいの![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/gp30.gif)
ラマール子爵は男前なだけあって女好きらしく
新婚時代から浮気をするのですが、相手がジャンヌが大切にしたい人ばかり。
可愛がってあげた自分の使用人とか、やっとできた友達とか…二重の裏切りです。
そして息子ポール。
愛のすべてを注いで育てたのに、急に学校をやめて、借金を作って女と逃げて
後は金がいる時だけ便りをよこす…しかもどうみても理由が作り話なんです。
読み始めてから読み終わるまで「絶対そうなるだろうな」のオンパレードで
予想不可能な展開と、大どんでん返しが好きな方にはおすすめできないが
文章を目で追う楽しさはものすごく味わえると思います。
この物語の中には『モーパッサン全集』や『モーパッサン短編集』の中で
短篇として書かれていたエピソードが、再び登場人物によって繰り広げられる部分もあって
短編を思い出しながら読むのもまた愉快でありました。
夫の言うなりになる毎日にうんざりし、浮気も知ってしまって
息子に金を送るため地所がどんどん抵当に入っていく… その時ジャンヌは?
ジャンヌはね、なーんにもしなくて不幸に浸りきっているのね。
でも大丈夫! 強い味方が現れます。
とにかく、主人公にほとんどアクションがないこの物語。
これで最後まで物語を引っ張ったモーパッサンおそるべし !!
『女の一生』は、もちろん女性の虚しい一生を題材にした『ボヴァリー夫人』と
並んで評されることが多いと思いますけど
ジャンヌに比べればエマ・ボヴァリーはかなりの行動派に思えます。
フローヴェールはモーパッサンの良き師匠だったそうです。
女性の虚無感という同じテーマを取り上げたことになりますね?
読み比べてみるのも面白いんじゃないかと思います。
こちら集英社の文庫本です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
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1883年 ギィ・ド・モーパッサン
おおよそ女性ならば想像できる不幸にオロオロするだけの主人公ジャンヌに
普段ならばキーッ
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『女の一生』は読む楽しさが勝っちゃって、どうでもいいや、ジャンヌは。
物語はジャンヌが17歳で、あずけられていた修道院から出て行くところから始まります。
ここからジャンヌが味わう不幸を大きく三つにまとめてみます。
無菌状態で少女時代を終わり、貴族気質ののんきな両親と海沿いの屋敷で過ごすため
やってきた村で、ハンサムなラマール子爵と出会い、恋に落ちて結婚してみたら
結婚前と後とじゃ大違い!! しかもすごくケチでせこいの
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ラマール子爵は男前なだけあって女好きらしく
新婚時代から浮気をするのですが、相手がジャンヌが大切にしたい人ばかり。
可愛がってあげた自分の使用人とか、やっとできた友達とか…二重の裏切りです。
そして息子ポール。
愛のすべてを注いで育てたのに、急に学校をやめて、借金を作って女と逃げて
後は金がいる時だけ便りをよこす…しかもどうみても理由が作り話なんです。
読み始めてから読み終わるまで「絶対そうなるだろうな」のオンパレードで
予想不可能な展開と、大どんでん返しが好きな方にはおすすめできないが
文章を目で追う楽しさはものすごく味わえると思います。
この物語の中には『モーパッサン全集』や『モーパッサン短編集』の中で
短篇として書かれていたエピソードが、再び登場人物によって繰り広げられる部分もあって
短編を思い出しながら読むのもまた愉快でありました。
夫の言うなりになる毎日にうんざりし、浮気も知ってしまって
息子に金を送るため地所がどんどん抵当に入っていく… その時ジャンヌは?
ジャンヌはね、なーんにもしなくて不幸に浸りきっているのね。
でも大丈夫! 強い味方が現れます。
とにかく、主人公にほとんどアクションがないこの物語。
これで最後まで物語を引っ張ったモーパッサンおそるべし !!
『女の一生』は、もちろん女性の虚しい一生を題材にした『ボヴァリー夫人』と
並んで評されることが多いと思いますけど
ジャンヌに比べればエマ・ボヴァリーはかなりの行動派に思えます。
フローヴェールはモーパッサンの良き師匠だったそうです。
女性の虚無感という同じテーマを取り上げたことになりますね?
読み比べてみるのも面白いんじゃないかと思います。
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こちら集英社の文庫本です