まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

オランダ女王 ユリアナ

2009-10-17 08:05:36 | オランダ王妃
庶民派の賢王
オランダ女王 ユリアナ


1909~2004/在位 1948~1980

ユリアナは王女とはいえ宮殿内の教室で同年代の少女たちと一緒に
女性のための一般的な教育を受けて育ちました。

                
               お母様ヴィルヘルミナ女王と一緒に

しかし兄弟が生まれないまま18歳を迎えると王位継承者になることが決まるり
急ピッチで勉強が進められます。
18歳の誕生日には祝典が開かれ国会議員に指名されました。
同年ライデン大学にも入学します。

恥ずかしがりやで内気なユリアナは、国会議員のイメージにはそぐわなかったのですが
しばらくすると国民から慕われるようになっていきました。

同じ頃母ヴィルヘルミナ女王はお相手探しに明け暮れていました。
当時プロテスタントの独身の王子を探すのは至難の業だったそうです。
英国やスウェーデン王子には辞退されてしまいました。

1936年、バヴァリア冬季オリンピックで(女王のはからいがあったみたいですけど)
リッペ=ビーステルフェルト公子ベルナルドと会い婚約へ。
ベルナルドは丁寧な物腰の紳士で、真面目そうな都会人でした。

ユリアナはベルナルドを深く愛するようになります。
ふたりには戦争による別居や、ベルナルドの庶子問題などがありましたが
ユリアナの愛情は終生変わりませんでした。

結婚はヒトラーのナチス=ドイツの誕生で危ぶまれましたが無事行われます。
しかし、ベルナルドがオランダの国籍をとり名前を改めたのに
ヒトラーはふたりの結婚をドイツとオランダの同盟の証だとにおわせました。
これには激しい気性の母ヴィルヘルミナ女王が大激怒で
微妙な時期にも関わらず公式に非難しました。

いずれにしてもドイツはオランダへ侵攻してきます。
ユリアナ一家は英国へ渡った後カナダへ移りました。

カナダでは子供たちは普通の学校に通い、ユリアナはウルワースへ買い物に、
隣人に子供が生まれた時にはベビーシッターもかってでています。
庶民派のオランダ王室一家はカナダで人気者になりますが
子供たちのマナーは乱れてしまって、国に帰ってから夫婦の意見が食い違うことに…

ユリアナは君主制はいずれ廃れると考えていて、子供たちの暮らしを
できるだけ市民生活に近いものにしようと考えていました。

ユリアナはオランダに戻ると戦前におこった飢饉に対する北部への救済策を
冬が来る前に実施しようと、赤十字等にアクティブに働きかけました。
国民のために動き回る彼女の姿に国民は尊敬の念を抱き愛されるようになります。
ヴィルヘルミナ女王は退いて娘に国を託すことにしました。

ユリアナは女王になってからもちゃりんこで市内を走り回っていたそうですよ!
すごく素敵 でも現代の方が難しいかもしれませんね。
テロなんかもあるし、危なくて勝手に出歩けないかもしれない。

1980年に王位を現女王ベアトリクス女王に譲ったユリアナ女王は
1990年頃から体調が衰え公式の場には一切出なくなりました。

その後は24時間体制で看護下におかれていましたが
2004年、眠っている間に亡くなりました。
夫ベルナルド公は8ヶ月後に亡くなり、ユリアナ女王の側に眠っています。

ユリアナ女王からベアトリクス女王一家まで。
娘さんやお孫さんたちの結婚にもいろいろとあったようですが…
        

オランダか北欧だか忘れてしまいましたが、王族がちゃりんこで会社に通ってるって
以前聞いたことがありますよ。
オランダだったかなぁ…? だとしたらユリアナ女王時代に培われた
自由で庶民的な王室のスタイルが守られているのかもしれませんね。

(参考文献 Wikipedia英語版)
コメント (7)
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『ティファニーで朝食を』素敵なお洋服もいいけれど…

2009-10-17 00:13:39 | アメリカの作家
BREAKFAST AT TIFFANY'S 
1958年 トルーマン・カポーティ

映画では、おっしゃれ~! な部分だけが一人歩きをしているようですが
決してそんなにスタイリッシュな物語じゃありません。
お衣装はたしかに素敵な気もしますが、それはおいといて…
考え無しな女のだらしない毎日を描いた、お子さんにはお薦めできない内容よ。

でも、なぜか優雅で美しいのです。
男に肩をかまれて逃げ込んで来るホリーも
下着姿同然で散らかった床からストッキングを拾うホリーも
14歳で40代の男やもめの後妻になった過去も
何も彼女を汚すことはできない感じは、まさにHolyです。
本当はHollyですけどね。

ホリーはとんでもない女です… でも自由な女です… でもああはなりたくない…
でもちょっとうらやましい… ただの遊び人で怠け者でしょ?… でも根は優しいの。

古今東西、手に負えないヒロインが出てくる物語は多いけれど
読者にほとんど不快感を与えないというのは…カポーティーは素晴らしい。

メンタルな問題だとか過去のトラウマなんてことを言い出すと
とってもめんどくさくなるからやめましょう。
彼女の幸運を祈りつつ、文章を楽しみましょうね。

この本には他に3篇の短篇が収められています。

『わが家は花ざかり』は、ハイチの娼館で売れっ子だった17歳のオティリーが
里山のロイヤルにひと目惚れして出て行ってしまうお話です。
そこには意地の悪い老婆がいて彼女をいびるのよ さてさて…

『ダイヤのギター』は、刑務所の古株で信頼厚い囚人シェファーさんが
新入りの若者ティコ・フェイと仲良くなって脱走をそそのかされる物語。
シェファーさんは乗り気じゃないんだけど、ティコはとてもしつこいんです。

『クリスマスの思い出』は短篇集『夜の樹』に収められていた『感謝祭のお客』と
登場人物が同じだと思われます。
もう… 泣けてきた こんなクリスマス、経験したかった。
カポーティ自身の思い出でしょうか? そうでしょうね?

前にも思ったのですが、カポーティは書く物語の内容によって
憑依されてているんじゃないかと思うほどに表情が違う気がします。
でもやはり彼独特のファンタジーが含まれているんですよねぇ。
暖かいか冷たいかは別にして。

ティファニーで朝食を 新潮社


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余談です
『Moon River』をカラオケで歌うのが好きなんです。
でも聞いてる人は『My Way』と同じぐらいウンザリしちゃうんだって。
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