まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『スリーピング・マーダー』ミス・マープル最後の事件

2009-10-08 01:00:42 | アガサ・クリスティ
SLEEPING MURDER 
1976年 アガサ・クリスティ

直訳すると『眠れる殺人』… なんだか怪しく美しそうな題名ですね。

結婚してデボンシャーへやってきたグエンダは一目見てヒルサイド荘が気に入り
夫のジャイルズを説得して購入しました。
しかし家をリフォームするうちに、なぜかそこで暮らしたことがあったような
錯覚に陥ります。

壁紙の柄、ドアの位置、子供部屋の場所、昔庭に階段があったことなど
知らないはずなのに次々言い当てるのです。

ある日階段の手すりから、女性が死んでいる場面を見てしまいます。
しかもその女性の名前はヘレンだということまで知っていました。
もちろん錯覚でしたが、グエンダには納得がいきません。

実はグエンダは昔ヒルサイド荘に住んでいたのです。
ヘレンは父が再婚した女性の名前で、彼女はある日こつ然と姿を消しました。
父はヘレンを殺したと言い張り、病院に入れられ亡くなりました。
幼い頃オーストラリアのおばに預けられたグエンダは知らなかったことでした。

不思議ですよね?
何かに導かれる運命って、絶対に無いとは言い切れないものです。

グエンダとジャイルズは若者ならではの好奇心でヘレンの行方を探ろうと調査を開始し
ヘレンの兄や関係があった男性たちを訪ね歩きます。

ヘレンの兄ケネディ医師は協力的でした。
昔ヘレンに婚約破棄された弁護士フェーンは戸惑い気味です。
ヘレンと逃げたと有力視されていた軍人アースキンは今でもヘレンに未練がありそうです。
若い頃ヘレンと付き合っていたアフリックは、ある疑問を感じていました。

いつもなら真相を明かしたくて仕方がないミス・マープルなのですが
ふたりには「眠れる殺人はそっとしておきなさい」というアドバイスを与えました。
もちろん言うことを聞くふたりではなかったのですけど…

確かに、明かされた真実はある者には幸福をもたらしました。
けれどその真相を解明するためにはさらにひとりの犠牲者が必要でした。
そしてもうひとり…ミス・マープルの機転のおかげで助かったのです。
めでたし、めでたし

サブタイトルが『マープル最後の事件』ってなってるのが悲しくってねぇ
現存するおばあちゃま探偵は、ほぼミス・マープルを踏襲していると
思い込んでいる私ですが、やはり彼女を越えてはいないと思うのよねぇ…
かなりひいき目ですけど。

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