まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『愛の探偵たち』ラヴ・ストーリーではありませんが…

2009-10-11 00:15:28 | アガサ・クリスティ
THREE BLIND MICE 
アガサ・クリスティ

“ 愛 ” をテーマにした物語が8篇収められている短篇集です。
愛とはいっても男女のことだけでなく、家族愛なんかも含まれています。

気に入った物語をいくつかご紹介しますね。

『三匹の盲ネズミ(Three Blind Mice)』
ジャイルズとモリーの新婚夫婦が始めた下宿屋に入居人がやって来た翌日
トロッター刑事部長がやって来て殺人犯がいるかもしれないとふたりに告げます。
ふたりは下宿人たちの詳しい素性をしりません。
それどころかお互いの過去も本当なのか分からないのです。

昔の小説の下宿屋って風情があって好きなのよね。
でも同じ屋根の下で一緒に暮らす人々の素性が分からないっていうのは怖いかも…
特に今みたいなご時世じゃあ、下宿屋経営は難しいかもしれないですね。

『非の打ちどころがないメイド(The Case of the Perfect Maid)』
ミス・マープルのメイドの姪グラディスが、あらぬ疑いをかけられて
スキナー姉妹のところをクビになりました。
誰もがメイド探しに苦労すると思っていたら、なんと完璧なメイドがやってきます。
しかしその完璧なエミリーは、11日後に姿を消してしまいました。
フラット中の家から盗みをはたらいて…

読んでいるうちに犯人は分かります。 クリスティがよく使う手だしね。
でもコミカルで読んでいて楽しいところが好きですね。

『管理人の事件(The Case of the Caretaker)』
インフルエンザになったミス・マープルを診察しにやってきたヘイドック医師が
薬のかわりにある事件の覚え書きを置いて行きました。
それは村に帰って来たハリーの新妻が馬から落ちて死んだ事件。
実は新妻はハリーの屋敷の管理人だった老婆を恐れていました。

事件の中身はともかく、薬のかわりに犯罪解決っていうのがいいでしょ?
さすが主治医、よく分かっていらっしゃる。
ミス・マープルは事件を解いたらすっかり良くなっちゃったんですよ。

『三匹の~』は舞台にもなったそうです。
登場人物のキャラクターもはっきりしているし
目の前で見たらとってもハラハラドキドキしそうだもの。

クリスティもいくつか戯曲を書いているのですけれど
戯曲が苦手な私は読んでないんですよね。

いつか克服しなければ、名作を読まずに人生を終えることになってしまう…
まずはクリスティで克服してみようかと考えています。

地味めですが、かなりおもしろい一冊です
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


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オランダ王ウィレム3世妃 ソフィア

2009-10-11 00:06:04 | オランダ王妃
死装束に思いを込めた王妃
ウィレム3世妃 ソフィア・ファン・ヴュルテンブルク


1818~1877/在位 1849~1877

ソフィアにはギリシャ王オットー1世との縁談があったのですが
父のヴュルテンブルク公が「できたばっかりの王国は信頼できない」と
考えて破談になりました。

1839年、シュトゥットガルトでウィレムと結婚しました。

ソフィアの母カタリーナは、ウィレム2世妃アンナの姉ですので
ウィレム3世とは従兄弟、義理の母は伯母にあたります。

       

この結婚はソフィアにとって大変不幸なものになりました。

まずは義理の母アンナ… やっぱりね
アンナはなぜか姪のソフィアとの結婚に大反対だったんですね。
そこでソフィアのことを完全無視、見向きもしません。
そんな母親にウィレムが全幅の信頼を寄せているというのも腹立たしいですね。

ソフィアはウィレム3世より、知性の面ではるかに勝れていました。
そしてそのことを隠そうとせずウィレムを見下していました。
現にウィレム3世は権威主義者で国民にも不人気だったそうよ。
ソフィアがウィレムのことを王に相応しくないと考えていることは
誰が見ても丸見えスケスケだったということです。

ソフィアは離婚を試みるも拒否され、なんとか1855年に別居にもちこみました。
その後はできるだけ故郷で過ごしていましたが亡くなったのはハーグでした。

ソフィアのたっての望みで、彼女は花嫁衣装で葬られました。
これはね…ロマンティックな理由からじゃないの。
彼女がこのドレスに込めた思いはね…
「私の人生は、結婚した日に終わった」という意味なのです。
幸せの絶頂で着るはずの花嫁衣装を、こんな形で着なければならないなんて…

            
                若い頃の肖像画
               こんなにふっくらした顔が…やはり気苦労か?


(参考文献 Wikipedia英語版)
コメント (5)
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