
押し迫った29日に夏初めに頼んでいたお軸の表装が届きました。届いてみて頼んでいたことを思い出しました。
この軸の書は万福寺の先代三智が昭和癸亥(58年)に大三島町の文化協会茶道部の依頼で書いたものです。その年の文化祭の
お茶会に掛けられたのですが、その時の軸は香川県の寺院に入寺して住職を勤めている次男に遣りました。と、云いますのもこの
軸「閑寂」と題している短歌「底光る潮のたゝえに石つぶて 児の投げしその水の音聞く」の潮のたゝえに石ころを投げては投げて
遊んでいる幼子は三智の孫、今香川の寺に住職となっている私の次男なのです。
今春、これはあなたが持つべきだと次男に遣りました。
その後、父三智の書いたものを調べていますと、「閑寂」の紙面が反故の中に挟まっているのが見つかりました。
初夏の頃、本堂の中島画伯の襖を設えてくれた表具師が奥さんに襖を見せに来山された時に軸表装の依頼をし、「いつでもいいで
すよ」と云っておいたのですが、落款に「癸亥元旦」とあるのでお正月に掛けるのではないかと思われてか、年末に届けてくださ
ったのでしょう。
千家十職の表具師奥村で修業を積んだ人だけに斬新な色合いの茶掛けに仕上がっています。
平成25年の元旦はこの新しく出来た先代の「閑寂」を掛けることにしました。
○31日大晦日、例年のように朝仏前のお華を生けました。仙料を庭に取りに出ると雪がちらちらしていました。今年は水仙の
蕾はまだ固いようです。
お内陣に4瓶、納骨堂に2瓶、松、菊、葉牡丹、仙料などを使いました。
ついでに広間の床の花も生けておきました。今年は水仙も咲かず、椿もまだまだで買った花が主になってしまい面白味がありま
せん。


平成24年1月に厳修された親鸞聖人御遠忌御正当法要に出勤して使った「華芭(けは)」を竹製の華籠に入れて床に置いて見ました。宗祖から751年の心構えの為です。
○平成24年も余すところ10時間足らずとなりました。数々の思いや考えや、人との様々なつながりなどが今年もまた未消化
のままで越年することです。残念さや心残りのままですがお許し下さい。
今年のブログはこれで終わりにします。ご訪問下さり有難うございました。来年もまた宜しくお願いいたします。
佳いお年をお迎えくださいますように、 合掌