万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

秋深し

2012年10月31日 | Weblog
                                

 あんなにも残暑が暑かったのに急速に秋が深まって参りました。朝の冷え込みには体が驚いてしまいます。

庭も山も秋色が進んでいます。知らぬ間に山茶花が咲き、花片を散らせています。野紺菊もいつものように侘びた色合いで咲き始

めました。


                                
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大文字草

2012年10月27日 | Weblog
                          

                


 昨年いただいた大文字草(アカバナ)が今年も咲きました。清楚なと云いますか、可憐なと云いますか、詩情豊かです。葉っぱ

もしっかりしていて好ましい色相です。

 昨年も書きましたが「大文字草」は「雪の下科」の草なのですが花は晩秋近くに咲くのです。「雪の下」は初夏から梅雨の頃な

のですが・・・・。
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絵ものがたり正信偈 発行

2012年10月26日 | Weblog
                     
  

 10月10日に発行発売となりました当山若院が手がけました『絵ものがたり正信偈 光になったおうじさま』、発売10日に

して出版社法蔵館の在庫が無くなったのだそうです。ただ今重版中とのことです。紀伊国屋書店などの店頭にはまだあるようです

が、アマゾンなど通販店には在庫切れのようです。驚きの悲鳴を上げています。

 少しでも多くの方にお読みいただき、聖人の思し召しに接していただきたいと思っています。

 お近くのご門徒の方にはお手元にほぼ届けられたかと思いますが、遠方のご門徒の方には発送が遅れています、今暫くお待ち下

さいませ。

 画像は正信偈の「凡聖逆謗斉回入(ぼんじょうぎゃくぼうさいえにゅう)、如衆水入海一味(にょうしゅうしいにゅうかいいちみ)」の訳文のページです。
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見返り草

2012年10月21日 | Weblog
                   
                   見返り草

                                          
                                          接写で拡大

 6月に福山のランコさんから鉢植えを頂いた「見返り草」に花が咲いています。夏に水が不足したのか葉っぱが少し枯れが見ら

れますが、花は立派に咲いてくれました。見れば見る程複雑な形状と色合いをしています。見返りとは振りかえって二度見をさせ

ると云うことなのでしょう。すれちがった美人を振り返って二度見をするように魅力的な花です。

 参考までに「見返り美人」の切手を紹介しておきます。どことなく容姿が似ています。

                    
                    上段の真ん中が「見返り美人」切手です。

 「見返り美人」と聞くと私はこの切手を思い起こします。小学校の5、6年生の頃から中学校にかけて切手の収集に熱中してい

たことがあります。細長の特異なデザインのこの切手が欲しくてたまりませんでした。余り保存状態はいいものではありません

が、入手した時の嬉しさは今でも覚えています。

 このようなことから「見返り草」は「見返り美人」の方に私には親しめるように思います。

 切手の「見返り美人」の原画は東京博物館に蔵されていて菱川師宣筆で国宝です。

この「見返り美人」の意味するところは、艶やかな着流し姿の女性がフト立ち止まって後ろを振り返った。その初めて見た顔の

相貌の美しかったことかと云うことなのでしょう。私が云う「振り返って、もう一度見つめる」とは一寸違っているようです。

 
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西王母(せいおうぼ)の咲く頃

2012年10月18日 | Weblog
                        


 西王母椿が今年も盛んに咲いています。この椿が最も早く咲く花の一つですが、この西王母が咲くと秋になったのだと感じま

す。昼間は暑さが残っていても、朝夕は寒さを感じる頃にいつも咲きます。

 名前が示しているように何とも云えない美しさ、妖艶さが漂います。

 今、宗方地区の報恩講にお参りをしています。極早生みかんの収穫と出荷の最中でもあります。


              
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正満寺(しょうまんじ)仏婦来山

2012年10月12日 | Weblog
               

                                 

                                                   


 10/9(火)午前10時、広島県世羅町甲山の正満寺仏婦の皆さん35名が住職夫妻引率でご参詣されました。

広島の世羅・甲山と大三島とは随分と遠い所と思っていましたが、昨年尾道と島根を結ぶハイウエイーが世羅まで開通したことで

「しまなみ海道」につながったのです。休憩を取りながら1時間30分で大三島に着いたようです。

 正満寺の坊守智子(ちかこ)さんは私の父から云いますと最初の孫にあたります。彼女が小学校の頃の夏休みにはよく遊びにき

ていましたが、智子さんも今では孫がいるのです。光陰矢の如しとはよく云ったもの、思い込みのみが取り残されて行きます。

 最初に「讃仏偈」の勤行、住職挨拶、若院の法話「如来の家」(これは当山前住の話)、それから本堂や襖絵の説明をいたしま

した。

 丁度、届いていた若院の「絵ものがたり正信偈」の紹介をしたところ、なんと40冊もご購入くださいました。有難し、

 宮浦で昼食して、大三島観光をして帰るとのこと、ようこそお参り下さいました。




掛け花入れに矢筈茅、藤袴、杜鵑それに時計草の赤い実の蔓を垂らしてみました。
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深山のH.Sさんの逝去

2012年10月08日 | Weblog
 深山のH.Sさんが去る9/30逝去され、10/2大翔苑で葬儀が行われました。

H.Sさんは戦後、大三島の奥地である深山地区に家族で入植されて山間地を開墾し農業経営をされて来ました。今は深山地区へ

入る所にダムが建設されダムまでの道は快適な道路となっていますが、深山の集落(6、7戸)から奥の道は4㌧車くらいが精一

杯の道路です。その険峻な道を数㌔登った所にH.Sさんの家があるのです。その家で3人のお子さんが大きくなり、孫さんたち

も大きくなられました。

 台ダムからH.Sさんの家までの道はカーナビには表示されない道なのです。何故なら、この数㌔の道はH.Sさんが建設した私

設道路なのです。昭和40年代にH.Sさんがほんとんど一人で行政の援助もなしにブルトーザなどを使って切り開いた道であっ

たのです。何年も何年もかかったに違いありません。私はこのことを聞いた時、耶馬溪に住民のためにトンネルを掘削した僧善海

のことを思い起こしました。

 H.Sさんのお考えのスケールの太さと信念の固さには驚きました。その道をお子さんたちも孫たちも学校に通ったのです。地

区の人たちの仕事も生活も格段に便利になりました。今でも少し広げたくらいでそのまま使われています。頭が下がります。

 H.Sさんが93才で亡くなられるまで続けられたお仕事は「養蜂」でした。30箱くらいもある巣箱に蜂が飼われていまし

た。この養蜂もどこまでも蜂を大切にする方法に徹しておられました。自利利他円満そのものと云えると感じていました。

 このH.Sからは本当に多くのことを教えられました。「北の家族」ならぬ「深山の家族」です。長い間ご苦労様でした。あり

がとうございました。



           

 台ダム、右手奥が深山地区、約2㎞山道を登るとH.Sさんの家に至ります。
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10月の法語

2012年10月02日 | Weblog
                             


 10月の金澤慧光さんの絵は「常陸の秋」題されていてコスモスの一群に、背景は筑波山でしょうか?描かれています。今丁度

大三島もどこを歩いていてもコスモスが風に揺れています。10月は日本中コスモスの季節です。


 10月のご法語は親鸞聖人の『浄土和讃』の中の「諸経のこころによりて弥陀和讃 九首」にまとめられている中より選ばれて

いるお言葉です。

   信心よろこぶ そのひとを
     如来とひとしと ときたもう

 この和讃の後半の句は

   大信心は仏性なり
     仏性すなはち如来なり

このご和讃は聖人が『華厳経』と『涅槃経』のご文を味あわれて和讃されています。煩悩の日暮しをしている私に常にはたらい

て下さり、この私に慚愧心(恥ずかしい思い)を起こさしめ、報恩感謝のお念仏をもようさすそのすがたを「如来とひとしい」と

云われ、如来さまのはたらきとしての「大信心」は「仏性」そのものであり、「如来」そのものなのです。仏性、涅槃、如来と一

寸煩悩の逆巻く私とは遠く高く離れているようなのですが、本願、名号、信心、称名と私の起こす煩悩をはたらき場所とされてい

ることを「私が如来」では決してありませんが、「信心歓喜」するすがたを「如来とひとし」とも「大信心は仏性、如来なり」と

申され、お喜びなっておられるとおうかがいいたすことです。

 このご和讃の前にあります一連のご和讃を2首あげておきます。


 平等心をうるときを
  一子地となづけたり
  一子地は仏性なり
  安養にいたりてさとるべし

 如来すなはち涅槃なり
  涅槃を仏性となづけたり
  凡地にしてはさとられず
  安養にいたりて証すべし

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