万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

9月の法語

2013年08月30日 | Weblog
                        


    み仏を よぶわが声は
   み仏の われをよびます
   み声なりけり
             甲斐和里子(1868~1962)


9月の法語は甲斐和里子先生のお歌です。余りにもよく知られ、余りにも端的に他力の救いを伝えて下さっているお歌と親しま

させていただいております。

 和里子先生は1868年(明治元)に広島県深安郡神辺の勝願寺に足利義山和上と母早苗の5女として生まれられています。
 
 お念仏の薫る家庭に生を受けられ沢山の篤信の方々がお育ちになられたご寺院でした。龍谷大学学長になれた足利瑞義師や聞法

同人が集うた自照舎を創設された足利淨圓師などが出ておられます。

 英語を取得するためにミッションスクールである同志社女子校に学ばれ、当時としては相当奇異に思われたそうですが、アメリ

カからの女教師に随分と可愛がられたとのことで随分と優秀であられたようです。今大河ドラマ「八重の桜」の新島八重女史とも

出会いがあったかも知れません。

 その後、漢籍学や南画家であられる甲斐虎山先生と結婚され、お二人が力を合わせて女子教育に力を注がれたのでした。その学

園が今の京都女子学園へと発展を遂げたのです。

 和里子先生のことはお歌や随筆は中学校の頃から信仰誌「自照」によって時折読んで存知上げていました。しかし直接お会いし

たことは一度もありませんでした。

 昭和37年5月の頃のことであったと記憶しています。京都龍谷大の深草学舎から市電に乗って京都駅方面へ向かっていた時の

ことでした。その時私と一緒にいたのは2年先輩のI.Hさんでした。Iさんは感性の鋭い方でご尊父は臨済宗東福寺の管長であ

ると聞いていました。そのIさんが吊り革にぶら下がっている私に小声で「浅野君、あのお婆さんを見てご覧、滅多に遇える人で

はないよ、」 私はIさんがそっと指さすその老婦人を見ました。頭の髪は引きつりにし、服装は黒っぽい木綿の着物で座席にど

っしりと座っていました。その周囲に3、4人の和服の婦人が居て老婦人をあれこれとお世話をしています。その老婦人の背筋は

しっかりと堂々として見えました。私に知らせたIさんもその老婦人が誰であることは知られませんでした。その年の深まった秋

の頃、京都新聞の記事に、甲斐和里子さん死去の記事があり、そのお写真を見た時、その相貌は市電の車中で覗い見たその老婦人

であったことに気づいたのです。あの時の、あの方が甲斐和里子先生だったのか!和里子先生95才の最晩年のお姿にお遇いした

のでした。今もその時のことは鮮明な記憶として蘇って参ります。不思議なご縁でありました。今から丁度51年前のことになり

ます。

   をしへ子をさとすことばにおのれ先づさとさるる身のはづかしさかな
   亡き母の文字に似たるがうれしさにわがふみながらまきかへし見る
   たまひたるほまれの文をたらちねの墓にたむけて泣くゆふべかな
   泣きながら御戸をひらけば御仏はただうち笑みてわれをみそなはす
   御仏の御厨子のうちぞ人しらぬわが悲しさの捨てどころなる
   御仏の御名となへをれば誰が罪もみなゆるしえて心すがすがし
   御仏の御名をとなふるわが声はわがこゑながらたふとかりけり
                                「草かご」より
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秋の気配・・・・

2013年08月28日 | Weblog
 先日のゲリラ豪雨以後あんなにも連日猛暑、熱帯夜であったのが嘘のように朝夕肌寒いような気温となっています。久し振りに

寝汗をかかずに眠れるようになりました。心身ともにやすらぎを感じています。

 カメラを持って庭から境内を歩いてみると確実に秋の気配が見て取れます。


           
              縞茅に穂が・・・、


                      
                        白萩も咲き初め、


                                       
 萩の隣の椿の木に蔓草が絡んで小さな黄色い花を付けています。これは「根無葛」(ねなしかずら)、ひるがお科の草です。雑草として無視されがちですが素晴らしい雰囲気をかもしています。


 9/1(日)pm2:30から開演の本堂での「クラッシック音楽会」、JJJJ、150名もの人がチッケットを申し込んでく

ださいました。嬉しい悲鳴を上げております。

 当日は混雑すると思います。お車はなるべく乗り合わせてお越し下さいませ、バス停の駐車場係の指示にしたがって駐車下さい

ますように。

 少し涼しくなって参りました。きっといい音楽会になることでしょう。お気を付けてお越し下さいませ。
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双幅の水墨画

2013年08月27日 | Weblog
                           

寺院には何代も経つと知らぬ間に画軸や墨跡が残されて来るようであります。今まで懸けたこともない、開いたこともない軸が

軸箱に納まっています。虫干しも兼ねて少しづつ開いて写真に撮って調べられるものは調べ、訓めるものは訓でおこうと思い立ち

ました。

 アップした双幅の水墨画は細い軸の双幅なのです。しっかりした筆致で描かれています。落款には「石華江漁」のように読めま

す。落款印は私には判読出来ません。明治初期の頃の人と思われる水墨画や書を良くされる人に加納雨逢と云う人がいて「石華」

の雅号を使っていたようなのですが判然といたしません。

 細く長い紙面にバランスよく墨の濃淡でのみで双幅に描かれているこの軸はしゃれていると感じました。
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口総盆踊り

2013年08月17日 | Weblog
                
                 山門前の石段に灯明を、
                          
                           戦没者法要の平和の鐘、本堂では全員で黙とう。

          
             合同盆法要

8/15夜、7時より万福寺本堂に於いて、最初に戦没者追悼法要、次に平和の鐘、黙とう、そして7時30分より口総地区合同

盆法要が営まれました。これは口総地区地域婦人会、地区総代さんのご尽力で行われました。朝早くから準備に当たられ、夜には

万端お世話くださりました。

 人口は減って来たとは云え賑やかな盆踊りが今年も行われました。

 野々江地区、浦戸地区も大層賑わっていたそうで暑さをはじき飛ばすようなエネルギーがまだあるようです。

 昨日、今日で帰省客も帰られたようで、静かになり心なしか暑さも峠を越えたように感じられます。

 猛暑の中のお盆参りが気遣われましたが、どうにかお勤めを果たすことができました。ご安心下さい。元気です。




              

    盆踊り風景

   
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宗方 初盆法要・盆踊り

2013年08月14日 | Weblog


本日14日、宗方地区合同初盆法要にお参りしました。
地域婦人会のお世話で毎年おこなわれています。

今年は16名の方が、初めてのお盆を迎えられ
島内外から縁ある方々がお参りされました。

万福寺の総代をつとめてくださった方をはじめ
お寺としても深いご縁があった方々のお名前がみられ
尊い思いでお参りさせていただきました。

法要後は、盆踊り。
生歌に太鼓の地踊りで、とてもにぎやかでした。
明日は口総、野々江、浦戸の盆踊りです。





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道後宝厳寺焼失

2013年08月11日 | Weblog
                         
                          焼失した一遍上人像


 8/10(土)に道後湯月町の宝厳寺が午後2時過ぎ本堂付近から出火して本堂、庫裏ともに焼失したことをニュースで知りま

した。宝厳寺は一遍上人の誕生寺とも云われていて、本堂に厨子に納められて伝蔵の一遍上人立像は国の重要文化財に指定されて

いる鎌倉時代の制作になるものでした。この像も焼失した模様です。

 一昨年、所用で松山に行った時に時間があったので宝厳寺を訪ねご住職の長岡師より一遍上人像を拝観させて頂き、焼失の

庫裏でお茶を頂いたことでした。もう一度お訪ねしてお聞きしたいと思っていた矢先のことでありましたのでこのニュースは衝撃

です。この宝厳寺の焼失は一遍上人を知る上において、又伊予の浄土教の歴史を知る上からも実に残念なことです。

 子規、漱石、斉藤茂吉など多くの文人墨客が訪れた古刹でもありました。現世(うつしよ)の姿を教えられることです・・・。

 長岡ご住職様には大変な災害でお力落としのことと拝察いたしますが、寺門復興に当たられますことを切に願っております。 
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広島平和記念式典

2013年08月07日 | Weblog
                    
               テレビジョンの映像を撮影、新しい過去帳の奉納、   平和宣言の松井市長


 8月6日午前8時より広島平和公園で68回目の平和記念式典が開催され、今年もテレビ中継で会わせていただきました。

今年も快晴で午前8時とは云え熱暑の中での式典であろうと思います。

 松井一実広島市長の平和宣言はいつもより厳しい内容であったことが印象に残りました。「核は絶対悪である」と明言し、広島

を「日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する地である」ことを宣言されました。

 二度と人間の頭上に核爆弾を炸裂させてはなりません。このことに対する正当論はありません。

 今日は兄綜智の祥月命日です。夕方お内仏にお参りします。


                
                我木香(われもこう)

 「われもこう」はバラ科の植物で赤黒い実に風情があります。庭に花を付けていましたので手折って桔梗と挿してみました。

「我木香」は「吾亦紅」「我毛香」とも当てられています。作詩ちあき哲也、作曲杉本眞人による「吾亦紅」(われもこう)と云

う歌謡があります。腹底にジ~ンと来ます。

     吾亦紅(われもこう)
   マッチを擦れば おろしが吹いて
   線香がやけに つき難い
   さらさら揺れる吾亦紅
   ふとあなたの吐息のようで
   盆の休みに帰れなかった
   俺の杜撰(ずさん)さ嘆いているか
   あなたにあなたに謝りたくて
   仕事に名を借りたご無沙汰
   あなたにあなたに謝りたくて
   山裾の秋 ひとり逢いに来た
   たゞあなたに謝りたくて


思ふより思われていし吾亦紅   明慧      
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ロス・コンドロス

2013年08月05日 | Weblog
                      


 松山のミュージックグールプ「ロス・コンドロス」さんから電話があり、8/4の夜福山市の和太鼓奏者とセッションのリハー

サルを行いたいので本堂を使わせて下さいとの依頼なのでお受け致しました。

 何時、何処でライブをされるのかお聞きしませんでしたが、本堂の中央に和太鼓を数種とチベット辺りの珍しいゴングを数個置

いて、コンドロスさんはギターとオボエなどを使ってのセッションの練習や打ち合わせを熱心にしておられました。

 ロス・コンドロスさんは3年まえの当山での音楽イベントに来られ演奏下さいました。中々面白いセッションになるようです。
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8月の法語

2013年08月04日 | Weblog
                            

この世に生まれて来てこんなにも暑い夏を経験するのは初めてであろうと思いおります。エアコンデショナーが発達している現

今でありますから、車中も屋内も居れるのですが、日中の屋外は熱風が吹いています。そんなことや何やかやで8月ももう5日、

8月の法語を今読み返しております。


    確かな一足一足が
      念仏によって
    与えられてくる
               宮戸道雄
                1938年~

 この法語を語られた方は宮戸道雄先生、1938年(昭和2年)滋賀県にお生まれになられ、現在京都の大谷派慶照寺のご住職

で伝導に専念されています。

 「確かな一足一足」とはどのような一日々々のことでしょうか、
 
 私と云う者のおざなりの毎日は、只単に一喜一憂し、喜怒哀楽にのみ執らわれて流れ流れて、時に自分の年齢に気づいて知らぬ

間に年を重ねて来たことに驚愕するような人生の生き方をして来ています。かけがえのない人生とか、二度とない人生とかと、口

には云いながらおざなりに時が過ぎ去っていくばかりです。

 そのような私が時としてお念仏に、如来さまの「大丈夫だよ、あなたとともにいるよ、お浄土へ一緒に帰るんだよ」のお心にもよ

うされる時に大地にしっかりと据えられていた私の「いのち」のことが思わされることです。 ナモアミダブツ

 
 明日6日は68回目となる「広島原爆記念日」です。私の10才上の兄綜智は広島の中学1年在学中に被爆し、7日夜半死去し

ました。父三智の日記、昭和23年記に次のような短歌が記してありました。

   めぐり来るこの日は悲しされどまた涙のうちに念仏に帰える    

 と、 また、次のような歌も書き付けてありました。

   絶望の淵にありとも本願の道は変らず開かれてあり
   大悲無倦照護の光一切の苦悩も去りぬ憂いも融けぬ
   あゝ八万四千の煩悩(こころ)我にあるも八万四千の光り我をつつめり
   ひた泣きに泣けど心は暗からず本願不思議名号不思議

 お念仏が私に知らして下さるのは(+)の面も(-)の面も同じように抱き上げて下さり輝きを見せて下さる。人生を歩む足取

りはおぼつかないけれどその道は大道となっていることに、ふと知らされます。


 猛暑、熱暑の毎日、みなさん十分お気をつけてお過ごしくださいますように、 和南                 

 
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吹奏楽演奏会

2013年08月03日 | Weblog


 昨日、8/2(金)広島の孫、高松樹南(みきな)の中学校の吹奏楽部サマーコンサートを聞きに行きました。もう3年生なの

で最後のコンサート、是非来て欲しいと案内を受けたので出向きました。会場は中区西向寺(高松)から5分の所にある広島

文化会館の大ホールなので西向寺に車を置けて好都合でした。

 樹南は3年間トローンボーンを練習してきました。部員全員で48名の大編成です。このような中学生の演奏を聞くのは何十年

振りのような気がします。最近の器楽演奏の技術の高さに驚きながら、感動しながら聞いたことです。

 どうしても孫の処に視線が行きます。カメラを望遠にして見たり、双眼鏡を使って見たりでアッと云う間に演奏会が終わりまし

た。





 最初に校歌「東雲の空」に始まり、フリースピリット序曲、スターファンタジー、スプリング・セレブレーション、斑鳩の空より まほろば~里人の踊り 以上1st Stage  休憩

 2nd Stage 映画大ヒットメドレー、TV時代劇メドレー、Rising Sun(exile)、オレンジ、ライオンキングメドレーで終了、拍手に応えてアンコール曲。

 迫力のある楽しい演奏会でした。ありがとう。
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