万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

霧島つつじ

2007年04月28日 | Weblog
 寺庭の霧島つつじが満開を迎えました。画像の霧島は万福寺のつつじや皐月類の植栽の中で一番古いものの一つだと思います。鮮やかな赤に見惚れます。毎年4月下旬に目を楽しませてくれます。これはもう私が生まれる前からのことです。

 本堂の建築状況は、左官さんが荒壁の裏塗りを済ませて今軒下の化粧をしてるようです。
 大工さんは本堂の鴨居入れ、付属棟の床下地が組み込まれています。

 明29日宮浦藤公園では恒例になった「藤まつり」が行われます。快晴ですからおそらく賑わうことでしょう。私には今年も行って見る時間がないようです。
                                 住職
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栂尾高山寺を訪ぬ

2007年04月24日 | Weblog
22日(日)大阪のご門徒のお家のam11時からの法要をお勤めして、京都での所用のため入洛、一足先に京都行っている坊守と落ち合った。
 翌朝、折角来たのだから何処かに行って見ようと云うことになり、それではと少し距離があるけれど、栂尾(とがのお)の高山寺にお参りをすることとした。
 私は今回で三回目、坊守は初てである。新緑が目に優しく写り、まだ随所に散り残る桜を見ながら周山街道を久しぶりにバスで走った。坊守は北山杉の整然と空に槍先を向けている風景や好きな山躑躅の花に心を奪われている。
 高山寺と聞けば明恵上人、明恵上人は鎌倉時代初期の学徳兼備の清僧であられたことで知られている。
 この寺に明恵上人の画像「樹上坐禅像」が伝わっていて国宝に指定されている。明恵上人の人格を彷彿とさせる図柄と雰囲気があって惹きつけられる。
 明恵上人は法然上人の「専修念仏」に対して痛烈な批判書「摧邪輪」(さいじゃりん)を書かれた。万福寺の前住三智は在りし日に栂尾高山寺に訪ねるに際して「摧邪輪」を読んで訪ねたようである。その時の作歌に高山寺と題した3首が残されている。

          高山寺
   摧邪輪ついに読み竟えその著者の住みしみ寺に今訪ね来ぬ
   法然に強くあたりし論敵の人とも見えず我が心ひく
   山気浸々一眸新緑映ゆる中古き聖に接するおもい

 これは昭和50年代初期、5月の頃であったようである。その頃、高山寺のご住職は戦後最初に比叡山の千日回峰行を成就された葉上照澄阿闍梨であられた。葉上阿闍梨と前住三智とは天台学の権威であられた学友佐藤哲英教授を介して知己の間柄であった。
 お茶室に葉上阿闍梨のお歌の軸が掛かっていた。

  母よはは母をまつらむ母の寺摩耶マリヤに伊勢を祀ら舞

 明恵上人を思い、葉上阿闍梨を思い、父三智を追想しながら散策した。坊守も望外のよろこびがあったようである。
 この寺には何度来ても新たな感動がある。法然上人や親鸞聖人の時代の凛とした厳しさの時代に感覚がタイムスリップする。           住職
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しゃがの花咲く

2007年04月21日 | Weblog
 庭の片辺に「しゃが」の花が咲いています。しゃがの花は遠くで見ると余り目立たない花なのですが、側に寄って見れば見るほどその繊細な幾何学模様の美しさに驚嘆いたします。色彩は原色を極力控えたホワイト、ゾクッとする気品が感じられます。その形状は遠い少年時代にその不思議な美しさにむさぼり覗いた「万華鏡」の世界を想い出させるのです。
 「しゃが」はあやめ科の多年草で、「射干」、「者我」漢名では「胡蝶花」とも表記されるそうです。
 バイオで年々色彩豊かな花が作られて来る今日、「しゃが」は控えめなトーンで静に主張しているのが実にいいです。住職
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荒壁塗り

2007年04月19日 | Weblog
 ○昨日と今日と本堂と付属棟に荒壁が塗られています。昔ながらの割竹が小舞編みされて泥壁が塗られています。
 寺にお参りに来られる方々が「久しぶりにこの様な仕事を見ます」と、懐かしそうに見入っておられます。私も何十年か前に小舞いを編んだ経験がありますので懐かしく思います。工程表によれば4/25,26日頃に裏塗り作業となっています。(写真は本堂西側付属棟部分)

 ○今日は宝塚市に在住のF家の年回法要があり懐かしい方々が来山されました。F家は終戦までフイリッピンのマニラでご活躍でしたが、戦争のためにご家族が凄惨な山地への逃避行を強いられてご家族が何人も亡くなってゆかれたのです。日本に帰られ郷里の大三島に住まわれましたが大黒柱のご尊父も亡くなってゆかれたのです。お話を伺っておりますと、私は幼少期のことでありましたが昨日のことのように思い起こされて来ました。平和都市、長崎の伊藤一長市長が暴漢にピストルで倒れた重大事件と相俟って再び戦争に向かってはならないと胸が痛みます。
 当山の過去帳にはフイリッピンの山中で逃避行中に亡くなられた婦女子十数人もの記載が見られます。痛ましいことです。(住職)
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軒作り

2007年04月16日 | Weblog
 昨日は工事がお休みでしたので軒下まで足場を恐る恐る上がって見ました。
軒作りの状態がよく窺えます。完成時には垂木の切り木口には白塗料が塗られていることでしょう。
 軒反りの奇麗なラインが眺望できました。
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大棟が完成に近づきました

2007年04月14日 | Weblog
 大棟の左右に「三経ノ巻」鬼瓦が上がり、熨斗瓦で棟が積み上げられてほぼ完成に近づきました。東西に4本の降り棟も出来上がり。残すところ4隅の隅棟を葺上げると本堂屋根は完成となります。大野瓦工芸社の職人方は本日一先ず岐阜に帰って5月に残りの作業を行うとのことです。来週には内造作作業が続けられるのと、荒壁塗りの工程が行われるそうです。
 昨年の今頃は旧本堂の解体の真っ最中であったことを思い感慨一入のものがあります。島内外のご門徒のご尽力、総代さん、建築委員の皆さまの尊いお骨折を思うと絶句、言葉がありません。     南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、ありがとう
                                          住職
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牡丹と唐獅子

2007年04月13日 | Weblog
境内に植わっている10数本の牡丹の第1花が昨日咲いていました。これから次々と咲いてくれることでしょう。
 今修復のために京都の仏具店に出している当山の須弥壇にも牡丹と唐獅子の彫刻が極彩色で荘厳されています。この意匠は浄土真宗の須弥壇の定番なのですが、仏法の世界で牡丹と獅子は何を意味しているのでしょうか。芸能の世界では「鏡獅子」「連獅子」などと重要な演目があることは周知のことです。高倉健さんのヒット作「唐獅子牡丹」(義理と人情をはかりにかけりゃ、義理が重たい男の世界、幼なじみの観音様にゃ、俺のこころはお見通し、背中で吠えてる唐獅子牡丹)は任侠の世界でも重要な位置にあったようです。
 百獣の王の獅子も「獅子身中の虫」によって力が失われ狂って行くと云います。その身中に巣くった虫を退治し駆除する働きを持っているのが牡丹の花粉だと云うのです。
 文殊菩薩は獅子の背に騎しています。これは仏法の智慧は能く獰猛(どうもう)な獅子を制御し、さとりの智慧へと向かわしめる働きのあることを喩えているのでしょう。そのようなことから仏教の彫刻や仏画に見ることができるのだと思います。
 それにしても牡丹に唐獅子の絵柄はユニークであって豪壮であることです。住職 
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棟鬼が上がる

2007年04月12日 | Weblog
 昨日は所用のために坊守と広島へ出かけました。オヤツのコーヒーやジュースは冷蔵庫に入っているからと、脇棟梁の室伏さんにお願をして出かけたのです。
 夕方帰って見ると棟の左右の大鬼瓦が完成していて、西側左右の下棟(くだりむね)も出来上がっていて数時間の内に風景が変化していることに驚きました。万福寺のシンボルとなる鬼瓦が上がった記念すべき日です。だのに留守をしていて申し訳ない。                         住職
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大棟鬼瓦取付け

2007年04月10日 | Weblog
昨日で箕甲の瓦葺き作業が一先ず終ったようである。今日より大棟を熨斗瓦で立上げて行く工程に入りました。棟を飾る鬼瓦の取付け作業も行われています。
 浄土真宗の仏堂には鬼面瓦は使用されません。経巻を三巻頭に頂いた形の鬼瓦が使用されます。旧本堂の鬼瓦も「経ノ巻」でした。ですが大きさは新本堂のものの方がズッと大きいものです。大棟が出来上がるのはまだまだ日数がかかりそうです。
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花まつり子ども会

2007年04月07日 | Weblog
明日は4月8日、お釈迦さまのお誕生日「花まつり」です。万福寺では今日7日に恒例の「花まつり子供会」を開催いたしました。愛護会、老人クラブのお手伝いで
今年も賑やかな会になりました。久しぶりに子供たちの歓声が聞かれました。
 司会進行は若院が行います。楽しいゲームや手品などもいれてよかったです。
 会が終わると若院は京都本願寺へ勤務のため上洛して行きました。今月より3年間毎月半月ほど非常勤で布教のお手伝いをするのだそうです。ご苦労様としか云いようがありません。          
 写真は花御堂の前で楽しいおやつタイム。
                                住職
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