足立美術館庭園
松江温泉のホテルに一夜して翌朝バスで安来(やすぎ)の足立美術館に総勢22名で参りまし
た。私は今回で3度目になりますが美術館周囲に展開されている和風庭園には来る度に圧倒されま
す。樹木も益々借景に調和して来たように感じられます。はや何年にもわたって世界で人気ナンバ
ー1ガーデンである程の銘庭になっています。
日本画を中心とした美術館で特に横山大観画伯の名品のコレクションがメインとなっています。
数は少ないのですが彫刻類にも感動いたしました。一寸見過ごしそうな一角に平櫛田中(ひらぐし
でんちゅう)の木彫を発見しました。「維摩一黙」(ゆいまいちもく)と題されている像で床几に
腰を掛け開いた足の膝に両手をつき、口をキッと結び両眼はこれ以上の厳しさはない程の眼光を感
じました。釈尊の高弟らに理路整然と雄弁に「空」(くう)を語っていた維摩居士は突然「沈黙」
したのです。その「沈黙」に釈尊の高弟らは「百雷」が轟き落ちたような衝撃を受けたと『維摩
経』には述べられています。その「沈黙」を彫り上げ、削り出した作品で一瞬その前から動けなく
なりました。
また、陶芸館の濱田庄司、北大路魯山人の大作の作品群は白眉です。眼福の時を過ごさせていた
だきました。三界の欲界、色界、無色界で云えばしばし色界に酔うた時でした。
北村西望の傑作「将軍の孫」
美術館内にも立礼の茶室があり、床には不昧公のお軸、横物が掛けてありました。
私は「流」の字を「涼」字に読んでしまいとんだ間違った解釈をしてしまいましたが・・・
申し訳ありませんでした。
美術館茶室床
風流ならざるところ亦風流なり 不昧
昼食には出雲蕎麦「割子蕎麦とろろかけ」をいただきましたがこれは絶品、舌も喉も喜んでいま
した。
島根在住のお世話下さいました幹事の方々、心に残る二日間をサービス下さり有難うございまし
た。古希の齢ですから随分とお疲れになられたことでしょう。 多謝、黙念