万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

`06大晦日

2006年12月31日 | Weblog
 2006年(平成18年)の大晦日の黄昏時、本年も悲しい出来事が一杯あって、ほっとするような事もしばしばあって、でも一つとして完全消化しないままに終わろうとしています。人生は残念ながら未消化のままで終って行くのでしょう。
だからお浄土を知らせていただいたことが盤石の頼もしさとなって来ます。
 いろんな方々にお世話さまになり、いろんな方々に助けられて、お礼も申さないままに年が暮れて行きます。有難う、有難う、有難う。来年の大晦日には新しい本堂で除夜法要と修正法要をお勤め致します。本年は除夜の鐘に続いての修正法要は庫裏の仮本堂で行います。
 写真の椿は「一子侘助」(いちこわびすけ)と云います。境内に咲いています。
仏典には如來さまは一切の衆生を一人子のように哀愍されます。そしてお浄土へ生まれる者は全てに「一切の衆生を一人子のように愛愍する」その心が具わると云うことです。このようなことをこの「一子侘助」が咲きますと思い味わうことです。
 皆さま佳いお歳をお迎え下さい。来年もどうか宜しくお願い致します。(住職)
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亀山寮の堂宮技能者集団

2006年12月29日 | Weblog
 27日の夜半より大風が吹き始め、28日も終日荒れ模様であった。
冬の風であるから体感温度は相当冷たく感じられた。その風の吹きすさ
ぶ中を10人の大工さん達は大屋根に上がって今年最後の仕事をしてい
た。
 午後からは現場を奇麗に掃除し、屋根を覆っているシートの養生をし
て午後5時過ぎに2台の車に分乗して岐阜へと帰っていった。
 聞けば10人の内7人は会社の寮に居るとのこと。自宅からの先輩格の
職人達も寮の出身者なのである。成程と思う。仕事中の命令系統と云う縦
のラインと協力仕合うと云うチームワークの良さ、おまけに行動の迅速さ
に何時も驚いて見ていたが、これは何年もの寮生活によって培われてきた
ものであろう。今建ちつつある万福寺本堂は亀山寮の平均年齢が20代と
云う堂宮大工集団によっているのである。このことは私見で云えば万福寺
の本堂改築工事は非常に画期的な造営になったと感じている。このような
システムによって技能者を育成し、伝統的な堂宮の建築を手がけて来られ
た亀山義比古氏に甚深の敬意を表したいと思う。
 写真の前列中央がこの新築本堂の用材に墨付けをした脇棟梁の室伏さん
(30才)。この10人の大工さん達が柱や梁を組み上げて本堂を建ち上
げて来たのである。溌剌とした息吹と情熱がこもっているように感じられ
て来る。
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野地板

2006年12月27日 | Weblog
本堂の屋根部分は複雑な木組みだけに日数がかかっています。
 ヤット本堂の背面部分、左右尾垂れ屋根に野地板が張られました。
今日と明日で正面の向拝部分の屋根下地が出来ると云うことです。
 年が明けてから「みのこ」の下地と両妻の斗組(ますぐみ)を取り
付けて屋根の大工仕事は完成するのだそうです。
 写真は本堂裏面の状況です。足場の足下のブルーシートは本堂後堂
(付属棟)の屋根です。庫裏の2階から撮影しました。 
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餅まき

2006年12月25日 | Weblog
 ○去る10日に挙行した上棟式の折の餅まきの光景です。
総代さん、建築委員さん、棟梁さん、施工会社社長さんらによって餅2俵、タオル、お菓子などが賑やかにまかれました。
 このブログには写真を1日1枚しか紹介できませんので少し時期を失っていますが上棟式の写真を掲載しておきます。
 現在の本堂の進行状況は屋根の軒の骨組が出来上がり野地板が張られつつありますが、屋根下地の年内完成は少し無理かも知れません。
 ○京都本山へ研修に行っていた若院は無事帰山しました。まだ来年の1月と3月に2週間ずつ行かねばならないのだそうです。
 ○年賀状をやっと24日夜半に書き終えました。今日25日投函します。年中行事が一つ一つ了わって行きます。
 ○一年を振り返って見て、矢っ張り一人では全く力がないですね、大勢の力は有難いです。不可能が可能となって行きます。もっとすごいのは如來さまは黙っていて、目にも触れずにチャンとそのようにして下さるからびっくりします。有無(ウム)
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三堂眺望

2006年12月21日 | Weblog
境内の横の丘から三堂が眺望できるようになりました。
 手前の屋根が四恩堂、そして新築中の本堂の南妻、その向こうに小さく見える屋根は経蔵です。本堂の屋根の向きが旧本堂とは違いますので眺望が変って来たのです。集落のあらゆる所からの本堂を見る光景は随分と変って見えるはずです。皆さんの目になじめるまでには数年かゝるかも知れないなどと思ったりします。
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破風

2006年12月20日 | Weblog
一昨日、日没までかかって南北両妻に破風(はふう)が取り付けられました。たゆうとうな角度で流れていて私としては好印象です。左右2枚の分厚い板とその頂点に懸魚(げぎょう)が地上で組まれてレッカーで釣り上げられました。取り付けられる7ヶ所に7人の大工さんが待機していて掛矢でもってはめ込まれて行きました。
 屋根の完成はまだまだ先のことなのですが、破風と懸魚が取り付けられて何かいのちが通い始めた感じがします。
 写真の破風は本堂の北側ですから、バイパスからもよく見えると思います。
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はね木 2

2006年12月19日 | Weblog
 昨日は「はね木」の残り十数本がレッカーで上げられ組み込まれました。
これら40数本のはね木丸太は造作工事が始まるともう見られなくなります。基礎部分と同じように屋根の内部で大きな働きをしている部材があることは驚きでした。この「はね木たち」のことを忘れてはならないことだと思うとともに、これからの木造建造物を見る上の重要なポイントを学ばさせてもらった思いです。
 写真は本堂の北西隅辺りの「はね木群」の様子です。
 また、とっぷり暮れるまでかかって南北両妻の破風(はふう)とそれに付属する懸魚(げぎょう)とが取り付けられてどこから見ても寺の屋根と判るようになりました。破風の姿は明日紹介する予定です。
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はね木

2006年12月17日 | Weblog
 今日は日曜日なので大工さんたちはお休みのようです。昨日は日没まで「はね木」を屋根に組み込む作業が続けられていました。40数本のはね木丸太が組み込まれるのですが、残すところ10本ばかりとなっています。
 「はね木」は寺社建築特有の工法ではね木によって長く流れるように出た軒を垂れないように跳ね上げているのが「はね木」なのです。天秤のように屋根の内部に土居桁と呼ばれる支点で釣り合いを取っているのだそうです。このような工法は日本独特の建築工法なのだそうで、京都の御所や本願寺の巨大な建物の軒が長く出ているのは大屋根の内部で「はね木」が働いているから可能なのだと云うことです。
 写真は隅木をささえている「はね木」です。隅木には3本の巨大な「はね木」が組込まれています。3本使うのは亀山建築さんの独特の仕様だそうです。
 明日は残りのはね木が上げられて、妻破風が組まれる予定とか、大部屋根らしくなって来ることでしょう。
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上弦の月

2006年12月15日 | Weblog
 今朝、5時50分にいつものように暁鐘を撞きました。まだまだ暗闇。しかし鐘を撞きながら昨夜雨音が相当していたのに月が輝いているのに驚きました。それも鐘楼から見ると裸木となった双幹の銀杏の樹の真上に輝いています。鐘を撞き終わって急いでデジカメを取ってきて撮影しましたが、ストロボが銀杏の枝にまで届かず上弦の月のみ写っていて面白みのないものになってしまいました。いたしかたありません。この月の下には双幹の銀杏が黒々と屹立していることを想像して下さい。
 今日から本堂の工事が再開の予定です。

 ○昨日は廿日市市にいる叔母からの誘いで廿日市美術館開催の「東京国立美術工芸館名品展」を観覧に参りました。近代の所謂人間国宝となられた陶芸家の作品130点が展覧されていて圧倒され続けました。一足先に目のお正月をさせていただきました。                        住職
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静寂

2006年12月13日 | Weblog
 本堂の上棟式を10日に終えて10人の大工さん達は4日間の休暇で岐阜に帰られました。11月5日に着任してほとんどの大工さんは1度も帰省なしでしたから・・・・。
 15日に来られて年末までに屋根を仕上げるのだそうです。まだ屋根の軒を強化する梏木(はねぎ)の巨木を何十本も組み込む荒仕事が残っているとのことです。
 写真は上棟式後に後かたづけをしてくださった仏教婦人会幹部の人達と亀山建設の大工さん達です。
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