昨年の暮れに一匹の猫が、北九州門司からフェリーに乗って密航して来た事からこの物語は始まる。
我々の仕事は、地上側で荷役やお客様の上下船の安全を完了させる事だけなんですが、その日は船側の乗組員が、貨物甲板の端で挟まってる猫を発見したのです〜〜
それを陸上にいる我々に無線から連絡が入り、トレェラーを転がす屈強な男達が、その猫の救出にフェリーの中に飛んでいったのでした。
それから数分後、アメリカ映画のラストシーンの様に
猫を抱いた作業服の男がアルマゲドンの様にサウンドもマジ聴こえるかの様にスローモーションで船から降りて来るごとくでした。
しかし、作業途中の為一旦その猫を道端にダンボール箱に入れて置きました。
何人かが集まり、「衰弱酷い」とか、「もうあかんで!」とかを、剥きにならないけど、無関心でも無い大人態度で見つめていました。
そして誰かが水を汲んできて、誰かが自分の弁当の鯖を解してそのダンボールの中に置いてあげました。両目がふさがれて、尻尾が折れて、毛がバシバシの瀕死の猫が水と食べ物に口をつけたのを見た、屈強で髪の毛を後ろで束ねた侍みたいなドライバーと、スキンヘッドの作業員が、「こいつ生きよるかもしれん?⁉️」と言って、その猫を作業員詰所に連れて行きました。
そこでも、多くの屈強な港の男達がその猫を覗きながら、「あかんで!」「無理かも?」とかと話しをしていました。良い意味でも悪い意味でも、この猫はこの作業場の人気者?になりました。
また機会があればこの後をレポートします。
因みにこの写真は、その後医者にも行き、手術も受け、元気に猫らしい素ぶりをする様になった猫です。
誰か引き取ってくれへんかぁなぁ?とここ数日屈強な港の男達は頭をひねっています。