恩師

小学校の卒業式の撮影に行った。

ボクが小学校を卒業してから、もうすぐ３０年も経とうとしている。
早いものだな。
ついこないだの事のように鮮明に覚えているよ。
あの時は号泣しちゃったんだよね。
みんな同じ中学校へ行くから友達と別れる寂しさは全然なかったんだけど、担任のＴ先生と別れるのが寂しかったんだよね。

いい先生だったもん。

ボクは小学校、中学校、高校と、各１人ずつ男の先生が担任だった。
別に男性だからってわけではないと思うけど、その誰もが恩師と呼べるほど大好きだった先生なんだよね。
ボクが今あるのはその３人の先生のおかげだと言ってもいいほど。

中でもそのＴ先生は未だに会いたいと思うほどの人で、過去に何度かネット検索した事もあるくらいだ。
たぶん本人と思う人が小学校とは別のとある教育関連機関にいたけど本人という確信が持てず、何も連絡出来ずにいた。

いつか見つけて同窓会でも開催したいものだよ。

さて、今日の卒業式。
毎年行っている小学校だ。
雨もギリギリであがり、いい雰囲気のままで式は始まる。

でもなぁ。
やっぱり今年もなかったな。
『贈る言葉』の歌がさ！

ここで、何度か書いた事あるんだけど、ボクの中での卒業式の定番は贈る言葉なんだよね。
古臭くいと思われようが、やっぱり卒業式にはあれを聞いて泣きたいよ。
あれがあってことの卒業式でしょうが。
来年こそは期待しておこう。

そんな小学校は、今年は校長先生が変わったらしい。

と聞いたけどボクの撮影の窓口は他の先生なので、撮影前に会うタイミングはなく。
まあ、終わった後に挨拶に行こう。
と思いながら撮影。

卒業証書授与になり校長先生が出てきて証書を渡す。

と…

え？

え？

聞き間違いか？

今言った校長先生の名前…さっきのＴ先生と同じに聞こえたよ？
言われてみれば雰囲気もそっくりだ。

本当に…あのＴ先生か？

まさか…。
なにしろ３０年ぶりなので確信がもてない。
でも別の教育機関にいたとはいえ、校長先生になっていてもおかしくはない。

半信半疑のまま撮影を終え、式は終了。
しばらくして落ち着いた頃、校長先生に近づいて撮影をした御礼をし、そして

「３０年ほど前に○○小学校にいらっしゃいませんでしたか？」

とドキドキしながら質問。

「うん」

という返事。

うわ～！
やっぱりそうだった！
先生だ～！

ボクが名乗ると「おお～！覚えてるよ～！」と先生。
その言葉を聞いて、ポロポロとあふれてくる涙。
ずっと会いたいと思っていたからね。
当時の同級生の名前も口にしてきたから、たぶん本当に覚えてくれていたと思う。

カメラ持って号泣しているビデオ屋を、周りの人はどう思ったんだろうなぁ。
まあいいや。

こんなに嬉しい事はないよ。
先生の雰囲気も前のままだったしさ。
その時はさすがに時間がなかったけど「後で校長室においで」と言ってくれ、名刺交換なんかをしましたよ。

３０年程前の卒業式で別れた人と、また卒業式で再会するとはなぁ。
感慨深い。

こりゃ同窓会しなくっちゃね。
当時のクラスメイトで今も付き合いあるのはシャインクラブのタツヤしかいないけど、どうにかして開催にこぎつけよっと。