夜。
車を走らせて、もうちょっとで我が家というとこまできた。
この先を左折してちょびっと進めば我が家だ。
で、左折しようとすると…
ん?
その交差点の先で、誰かの車がヘッドライトを付けたまま傾いている。
あら!
ヒグってるじゃん!
あ。
意味不明な言葉を書いてしまった。
ヒグったというのは、ボクが作った造語のことだった。
ボクらの間で使われている言葉なんだよね。
車が溝にハマってしまった事をそう呼ぶ。
起源は数年前。
ヒグ●(本人の名誉の為に一部伏せ字)という友達が、家の近くの溝にハマったのが誕生のキッカケだ。
ちょうど我が家に数人集まっていたのでみんなで駆けつけたものの、どうにもならず。
結局JAFを呼んだものの、かなり細い道だったのでJAFの人も苦労して、何とか引き上げた。
という事があった。
それ以来、車が溝に落ちる事を『ヒグる』と呼ぶようになったのだ。
さてさて。
話しがそれちゃったけど、今はどうしよう。
ヒグった車の周りでは、3、4人の大人が呆然としている。
暗いのでハッキリ分からないが、ちょっと高齢っぽい。
う~ん。
手伝いに行くべきかどうか。
ま、ちょっと状況を見てから考えようかね。
一旦自宅に車を停めて、歩いて10秒ほどの現場へと近づく。
仕事の打ち合わせ帰りだったのでスーツ姿のボク。
なるべく汚さないで終わらせたいと思っていたんだけど、近くに行くと向こうから声をかけられてしまった。
大変そうだったらそのまま通り過ぎようかとも思ったけど、これは手伝わないわけにはいかない。
で、そのまま手伝う事に。
でも…
高齢な方が2名と、若い夫婦らしき人がいるだけ。
どうしたものか。
こんな人数じゃどうにもならないぞ。
ここは、ヒグるという言葉の発祥である彼にお願いしよう。
目と鼻の先にある彼の家に行き、チャイムを鳴らす。
「そこでヒグってる人がいる!」
と言うや否や
「なんですと!」
と、喜び勇んで飛び出してきた。
他人がヒグるのがそんなに嬉しいのだろうか?
親近感ってやつか?
それとも同じ境遇を経験した身として、放っておけないのだろうか。
現場に着き、状況を確認したかと思えば…
「なるほど。ではあそこにあるレンガを使いましょう。あとはこちらからジャッキで…」
と、的確な指示を出す。
さすが!
ヒグるという言葉の当事者だけに、こういう時の対処はこなれている。
突然呼び出されたとは思えないほど機敏に行動し、一気にその場のリーダーにのし上がってしまった。
ヒグりのプロフェッショナルだね。
いや。
次にいつヒグってもいいように、こっそり勉強していただけかもしれないな。
だって、自分の時は今日の人みたいに唖然としてただけだったもん。
こんなに迅速じゃなかったもん。
ま、いいや。
で、彼が言うように動いていると、近くを通った車の人が、続々と停まってくれた。
「お手伝いしましょうか?」
と、瞬く間に若い男が7名ほどに。
みんな親切だね。
ありがたいね。
自分の事じゃないけど、人の親切が身にしみるね。
男がそれだけいれば、小細工はいらない。
全員で一気に車を持ち上げる。
無事に引き上がりましたわ。
良かった良かった。
ボクもさほどスーツが汚れなかった。
良かった良かった。
ヒグリのプロフェッショナルも、持ち味を発揮出来たようでなによりだ。
今後も、ヒグった時は本家である彼に頼むようにしよっと。
車を走らせて、もうちょっとで我が家というとこまできた。
この先を左折してちょびっと進めば我が家だ。
で、左折しようとすると…
ん?
その交差点の先で、誰かの車がヘッドライトを付けたまま傾いている。
あら!
ヒグってるじゃん!
あ。
意味不明な言葉を書いてしまった。
ヒグったというのは、ボクが作った造語のことだった。
ボクらの間で使われている言葉なんだよね。
車が溝にハマってしまった事をそう呼ぶ。
起源は数年前。
ヒグ●(本人の名誉の為に一部伏せ字)という友達が、家の近くの溝にハマったのが誕生のキッカケだ。
ちょうど我が家に数人集まっていたのでみんなで駆けつけたものの、どうにもならず。
結局JAFを呼んだものの、かなり細い道だったのでJAFの人も苦労して、何とか引き上げた。
という事があった。
それ以来、車が溝に落ちる事を『ヒグる』と呼ぶようになったのだ。
さてさて。
話しがそれちゃったけど、今はどうしよう。
ヒグった車の周りでは、3、4人の大人が呆然としている。
暗いのでハッキリ分からないが、ちょっと高齢っぽい。
う~ん。
手伝いに行くべきかどうか。
ま、ちょっと状況を見てから考えようかね。
一旦自宅に車を停めて、歩いて10秒ほどの現場へと近づく。
仕事の打ち合わせ帰りだったのでスーツ姿のボク。
なるべく汚さないで終わらせたいと思っていたんだけど、近くに行くと向こうから声をかけられてしまった。
大変そうだったらそのまま通り過ぎようかとも思ったけど、これは手伝わないわけにはいかない。
で、そのまま手伝う事に。
でも…
高齢な方が2名と、若い夫婦らしき人がいるだけ。
どうしたものか。
こんな人数じゃどうにもならないぞ。
ここは、ヒグるという言葉の発祥である彼にお願いしよう。
目と鼻の先にある彼の家に行き、チャイムを鳴らす。
「そこでヒグってる人がいる!」
と言うや否や
「なんですと!」
と、喜び勇んで飛び出してきた。
他人がヒグるのがそんなに嬉しいのだろうか?
親近感ってやつか?
それとも同じ境遇を経験した身として、放っておけないのだろうか。
現場に着き、状況を確認したかと思えば…
「なるほど。ではあそこにあるレンガを使いましょう。あとはこちらからジャッキで…」
と、的確な指示を出す。
さすが!
ヒグるという言葉の当事者だけに、こういう時の対処はこなれている。
突然呼び出されたとは思えないほど機敏に行動し、一気にその場のリーダーにのし上がってしまった。
ヒグりのプロフェッショナルだね。
いや。
次にいつヒグってもいいように、こっそり勉強していただけかもしれないな。
だって、自分の時は今日の人みたいに唖然としてただけだったもん。
こんなに迅速じゃなかったもん。
ま、いいや。
で、彼が言うように動いていると、近くを通った車の人が、続々と停まってくれた。
「お手伝いしましょうか?」
と、瞬く間に若い男が7名ほどに。
みんな親切だね。
ありがたいね。
自分の事じゃないけど、人の親切が身にしみるね。
男がそれだけいれば、小細工はいらない。
全員で一気に車を持ち上げる。
無事に引き上がりましたわ。
良かった良かった。
ボクもさほどスーツが汚れなかった。
良かった良かった。
ヒグリのプロフェッショナルも、持ち味を発揮出来たようでなによりだ。
今後も、ヒグった時は本家である彼に頼むようにしよっと。