注文

今夜は飲み会。
場所は以前から気になっていた焼肉屋さんだ。

しかも食べ放題コース！

これは楽しみだ。
最近食べ放題に行ってなかったんだよね。
口一杯にホルモンを詰め込んでいる自分の姿を想像しつつ、会場へと向かう。

と、その前に用事があって実家に寄った

ら…

「今から食べ放題に行く」ってのに、必死でトンカツを食べさせようとする母・美智子。

いらん！

って言うのに、必死でトンカツを食べさせようとしてくる。

なんでよ！
今はそんな場合じゃないっての！

「じゃあせめてプリン食べて行きよ！プリン！」

と、また意味不明な事を言ってくる。
どうして今からご飯を食べて行く息子にたいしてそこまで何か食べさせようとするのだろうか。
分からん。

ま、それくらいならと思って食べましたけどね。

その後は会場へ向かう。
タツヤも参加者なので、２人で行った。

ジャンジャン焼いて、ムシャムシャ食べる。
次から次に食べていく。

けど…

食べてるボクの目はずっとシバシバしたまんまなんだよね！
細い目がさらに細くなり、ショボショボしているの。

煙が目にしみるんだよ！

真上に煙を吸い込む機械があるにも関わらず、全く吸い込まれる気配がない。
それどころか、それの風向きのせいで全ての煙がボクのほうに回ってくんの。

これはキツイぞ！

部屋の角っこに座っちゃったせいもあるんだろうね。
この場所を選んでしまった自分が悪い。

もうどうしようもないので、我慢して食べましたわ。

今日の参加は１５名ほど。
焼肉の鉄板は４つに別れている。

バイキングではなく食べ放題なので、追加オーダーはテーブルごとに勝手に注文する事になる。
ボクらのテーブルも、肉や飲み物を次々に注文しては食べていく。

と…

そんな時、フト隣のテーブルを見て気付いた。

あら？
あっちはやけにカラフルですよ？

そういやこっちは、野菜ってものを頼んでいなかったな。

見渡すと、他のテーブルは肉以外のものがやけに充実しているではないか！

この鉄板は、いつまでたっても肉ばかり。
それも同じ肉しか頼んでないから、さすがに飽きてくる。

やばい。
完全にこのテーブルだけ取り残されている！

あっちはイカとか頼んでますよ。
そっちはコーンバターのホイル焼きなんてものを頼んでますよ。
さらに向こうは、ちゃんぽん麺なんてものも頼んでますよ。

だけどこっちは同じ肉のみ。

普通は、
「あれ頼もう」「こんなのもある」
なんて言う人がいるんだろうけど、このテーブルにはそういう人がいなかったのが敗因だな。

Ｙ氏やＵ氏は《肉よりも酒》という感じで飲みまくっているし、
タツヤに至っては、《食えりゃ何でもいい》という人だ。

そしてボクはどれを頼んでいいか分からない。
だから注文も「肉のおかわり」と言う事しか出来ない。
だから当然、届くのも同じものばかり。

最後には、見かねた隣のテーブルの人がホイル焼きやイカを恵んでくれましたわ。
人の情けが目にしみるね。

おかげでお腹いっぱい食べられましたよ。

今度このメンバーでまた食べに来る事があったら、座る位置は慎重に考えたほうが良さそうだな。
少なくとも、タツヤと同じテーブルは避けよう。