シャンプー

実家に寄ると母・美智子が

「アディダスのシャンプーが…」

と言ってた。

それを言うなら『アジエンス』だっての！！
スポーツ選手専用のシャンプーでも出てるのかと思ったよ。

ったく…

その後は家に戻り、いつものように編集作業。

そんな時。
メールが鳴った。

「顔出さない？」

Ｒ氏からだ。

ああ。
そういや今日は、Ｒ氏が団長を務める吹奏楽団の忘年会があるって言ってたな。
んで、少し遠くに住んでいるＲ氏は、お向かいのＨ氏邸に泊まるって言ってたな。

でも、時刻は２３時半。

行き慣れているＨ氏邸とはいえ、この時間から行くのは気がひける。
おまけに編集中だし。

そこで

「今日はやめとく」

と返事をしたものの

「まあそう言わずに」

と返ってきた。

え～。
めんどくせぇ。

でも、そこまで言うって事は何かあるのだろう。

ボクに話したい事があるかもしれない。
何か贈り物があるのかもしれない。

そこで寒空のもと、はるばる１５秒かけてＨ氏邸へ。

部屋に入ると、ギッシリと人がいた。

あら。
こんなに大勢いたのね。
忘年会の後、みなさんこちらに流れてきたようだ。
てっきり、Ｈ氏夫妻とＲ氏だけと思ってたわ。

部屋の隅っこのほうに座る。

さて。
ボクは何の用で呼び出されたのかな？

と、Ｒ氏のほうを見ると…

無視！

ボクに取り合う事なく、他の人達と話しているだけ。

そしてその後も完全放置！

何で呼ばれたのよ！
他の人達もすっかり顔なじみだから別にいいんだけど…
ったく…

おまけに、テレビでは彼らの演奏会のＤＶＤが流れていた。
これはボクが撮ったもの。

それもかなり昔に撮ったものだ。

はっきり言って、かなり出来が悪い。
だもんで、かなり恥ずかしい。
出来ればもう封印したい。

そんなボクの気持ちを知ってか知らずか

「映像が古くさい…」

「あ、ここの文字を間違えてる」

「ここで画像が乱れた！」

などと、言われたい放題。

ちくょ～！！

まさか撮影から５年も６年も経った今、ダメだしされるとは思わなかったよ。

しかもこの年の瀬にこんな辱めを受ける事になるとは…

逃げて帰ろうかと思ったけど、ここはジッと耐える。
全てが終わってから、泣きながら帰宅しましたわ。

後から見ても満足出来る、しっかりした物を作らないとダメだね。
いい勉強になりましたよ。