知らないほうが

こないだ本屋に行った時に発見した。

『人気マジシャンのタネぜんぶバラします」

最近いろんなマジシャンが出回っているが、そのカラクリを暴くという趣旨のもの。
これは興味深いですよ。

さっそく読んでみた。

う～ん。
なるほどねぇ。
こうしてこうなってたわけね。
やるなぁ。
マジックってのは日々進歩していくもんだね。

でも…

見なかったほうが良かったような気もする。
こういうのって知らないほうが幸せなのよね。

謎のままでいいってこともあるのだ。

小学校の時、大分県の有名デパート『トキハ』に行くといつも、６階にある手品コーナーに行っていた。
そこでは鼻の大きくて赤いオジさんが、手品を披露してくれていた。
それが楽しくて、ワクワクしながら見ていたもんだ。

ある時、どうしても自分でもやってみたいマジックがあり、親に買ってもらったことがある。
買ったらこっそりと裏手で『使い方』を教えてくれる。

それを見たボク。
たぶん、生涯初の『マジックのタネを知った』という瞬間だっただろう。
そのタネの下らなさ、そして単純さにガッカリした記憶がある。

なんだよなんだよ！
そんな単純な仕掛けなのかよ！
くっだらねぇ！
大人は卑怯だ！
帰り道、「あの鼻デカめ！鼻デカめ！」と叫びながらバスで帰ってもんだ。

それ以来、手品のタネは知るもんじゃないってのは分かっていたハズだ。
ネッシーもミステリーサークルも宇宙人手術の映像も、どれも本物と思ってたほうが楽しかった。
作った本人がバラしてしまい、どっちらけになったもんね。

そんな事は分かっていながらも……
どうしても欲望には勝てませんでしたよ。

今度からは純粋な目で彼らのマジックは見れないんだろうね。
つまんね～の。

でもボクとしてはこんなのよりもナポレオンズが得意とする『顔がグルグル回るマジック』のタネを知りたいなぁ。
長年疑問に思ってるけど、あれだけは未だに分からん。