パッフェ

夜。
Ｋ氏が誕生日だと言うので集まろうというお誘いを受ける。

おお！
そんな目出たい席に行かないハズがないじゃないですか！

突然だけど数人が集まり、カラオケ屋さんに行ってきた。
『ハッピーバースディ』と書かれたピザや、巨大パフェ（高さ３０センチ）でお祝い。
プレゼントなんかも渡したりして、『誕生日会』という名目の集まりは終了。
そこからは普通のカラオケ。
Ｋ氏の事なんてすっかり忘れて、みんなあれこれ歌っていく。

が…

開始から１時間以上経過した時、フト気付いた。
そういやボク全然歌ってないわ。

別に歌が嫌いってわけじゃない。
恥ずかしいってわけでもないし、気後れしてるってわけでもない。

でも、曲本を見ても何だか全く歌う気力が沸かないの。
どしたんだろ…。
結局、Ｏ氏からマイクを渡されて『ヤァ～ヤァヤァ～！』ってとこを叫んだだけだったわ。
まあたまには聞くだけってのも悪くないけどね。

それにしても、さっきから一生懸命パフェを食べているＫ氏が実に辛そうだ。
他の人も食べたけど、上のほうの美味しそうなとこをちょこっと食べただけ。
パフェ下部の、量を誤摩化す為だけのようなあまり美味しくない部分は全てＫ氏が食べていく。
必死になって、どうにか終了時間までには食べきってたけどね。

人のいいＫ氏だから終止笑顔だったっけど、心の奥底では注文したボクを恨んでいることだろう。

帰り際
「今日はありがとうございました」

なんて言ってたけど、今頃家に帰ってボクのことを呪っているに違いない。

「鼻デカ！鼻デカ！」と叫びながらボクの写真を八つ裂きにしているに違いない。
ボクの家のポストに入れるため、犬のウ●コを集めているに違いない。
ボクの車に傷付ける為の釘を購入しに行ったに違いない。

くそ～！Ｋ氏め～！
何て奴だ。

怖い怖い。