SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「闇の子供たち」

2008年09月03日 | 映画(ヤ行)

 重い題材の重量級作品だ。

 NPOと日本ジャーナリストの活動を通して、タイの子供たちの置かれた過酷な状況が描かれる。

 臓器移植と幼児売春がリンクした社会的な闇の世界だ。警察までもが裏では繋がっている。買う人がいるから売ることを考える。買い手はもっぱら外国人だ。

 一方でNPOの活動も盛んだ。これも名目や目的は様々だが、外国からタイに入り込んでくる。これを快く思わないタイ人もいるわけだ。

 江口洋介の主人公はタイに暮らす日本人ジャーナリストで、彼の目から臓器売買の実態をルポするというのが主筋になる。「悪を暴く正義」という視点に組し、主人公に感情移入していると足元がぐらついてくる、という部分が本作の複眼的な視点だ。

 ある部分で正義の人が、他のどの部分でも正義の人か?というミステリーがラスト近くの仰天の中身だ。
 ただ同じように子供を売り物にした二つの罪悪が、相互にはまったく関係ない独立した事象であると、この主人公は思っていたことになるが、卑しくもジャーナリストがそんな鈍感なものなのだろうか?


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