![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/37/e4a1e52c362ec57ce0f60a872ae17a79.jpg)
重い題材の重量級作品だ。
NPOと日本ジャーナリストの活動を通して、タイの子供たちの置かれた過酷な状況が描かれる。
臓器移植と幼児売春がリンクした社会的な闇の世界だ。警察までもが裏では繋がっている。買う人がいるから売ることを考える。買い手はもっぱら外国人だ。
一方でNPOの活動も盛んだ。これも名目や目的は様々だが、外国からタイに入り込んでくる。これを快く思わないタイ人もいるわけだ。
江口洋介の主人公はタイに暮らす日本人ジャーナリストで、彼の目から臓器売買の実態をルポするというのが主筋になる。「悪を暴く正義」という視点に組し、主人公に感情移入していると足元がぐらついてくる、という部分が本作の複眼的な視点だ。
ある部分で正義の人が、他のどの部分でも正義の人か?というミステリーがラスト近くの仰天の中身だ。
ただ同じように子供を売り物にした二つの罪悪が、相互にはまったく関係ない独立した事象であると、この主人公は思っていたことになるが、卑しくもジャーナリストがそんな鈍感なものなのだろうか?
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