SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
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映画「さよなら、僕らの夏」~ どっちがイジメっ子?

2006年08月03日 | 映画(サ行)
 夏の終わりのほろ苦さが漂ってくる作品。イジメっ子に対するちょっとした制裁のつもりが思わぬ事故に発展する。

 チラシにあるように「スタンド・バイ・ミー」に比肩するような作品ならば、もう少し公開形態も考えられたのだろうが単館レイトショーもやむ無しというところか。極めてまじめに直球を投げられたようで、映画的な興趣がない。

 配役は悪くないし、少年、青年がそれぞれにトラウマを背負った設定も映画を膨らませる要因になりうるのだが、それが膨らまないままに終わってしまう。

 イジメっ子と言っても腕力勝負のガキ大将風である。誰かとつるんで陰湿なイジメを先導するわけでもなく、むしろ群れからは離れて一人で遊んでいる。デブの留年生で、言動はエキセントリック、確かにイヤな奴で、腕力も強い。だけどそんなに悪い奴ではないのだ。

 日本なら、むしろこちらの方が皆から嫌われて無視され、イジメの対象になってしまうのではないか、と思うほどである。

 体の小さな主人公はいつも理不尽にイジメられているという設定だが、画面で表現されるのは主人公がイジメっ子のビデオカメラを勝手にいじったために暴力をふるわれるシーンのみである。イジメっ子はこのビデオカメラを非常に大切にしており、理由がないわけではないのだ。

 逆に制裁をたくらむ主人公の兄の友達グループはイケメン揃いで、けして苛めを受けるタイプではない。どうも、どちらが苛められているのか分からなくなってしまう。


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