ひろの映画見たまま

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「新しき世界」、韓国やくざ社会、潜入捜査の軋轢

2015-01-08 17:24:10 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

韓国、やくざ映画好き ☆☆☆☆

見逃していたこんな良作を。

潜入捜査ものといえば「インファナルアフェイア」が、心に残るが、この映画もそこに並ぶ出来だ。

冒頭、潜入捜査官の拷問シーンから。

コンクリート詰めにするのはいいが、胃の中にまで、コンクリートを注ぎ込む執拗さ。

この冒頭の拷問シーンが後々まで響く。

潜入捜査8年になり、やくざ組織ナンバー2にブラザーと呼ばれる実力者にのし上がってきた潜入捜査官ジャンソン。

ヤクザ組織の親分が死に(多分殺された)、跡目争いが必死の情勢の中、ジャソンは、その地位の危うさに早く辞めたいと上司に申し出るが、上司は今がチャンスとばかり、ヤクザ組織に追い打ちをかけたい。そこで、さらなる要求が出される。

ヤクザ組織ナンバー2のチョンチョンは、中国系韓国人、ジャンソンも中国系なことから目をかけられる。そして二人は、兄弟関係だ。

跡目争い必死の中で、警察も動く。ナンバー3を刑務所にぶち込んだ。

そんな中、チョンチョンの秘密の中国出張が漏れ、潜入捜査に疑いが、そして連絡役の女性が囚われ、拷問にかけられる。

チョンチョンの手には、潜入捜査組織の一覧がもたらされ、もう一人潜入捜査員がいるということで、とっさに近くにいたヤクザがスコップで滅多打ちにされる。

この辺は、ジャンソンの秘密がばれ、いつ襲われるか、ジャンソンの顔色から血の気が引いている。

ドンパチや血の洪水のような見せる絵はないが、その恐怖をあおる手法は抜群。

そして、次は、ナンバー3による、チョンチョン襲撃事件。

大勢のやくざがチョンチョンをエレベーターに追い込み、それこそ、バットとナイフでの死闘。チョンチョンは強い。いろんな角度からの映像は、手に汗握らせる。

まあ、全編、このような調子で、非情なるヤクザが描かれるが、

高倉健、菅原文太の亡き後の日本のやくざ映画は、この韓国映画に及ばない。

韓国映画らしいブラックユーモアも交えながら、緊迫感を持続させる力はすごい。

父のような警察の上司とヤクザの兄貴、二つの間で揺れ動いたジャンソンは、死に際の兄貴の言葉で吹っ切れる。

だが、所詮ヤクザ、これで収まりとはいくまい。新たな火種はくすぶっている。


ジャンソンのイ・ジョンジェ、チョンチョンのファン・ジョンミン、警察の上司のチェ・ミンシク、芸達者がそろっている。

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