おすすめ度 ☆☆★
文学作品好き、サスペンススリラー好き ☆☆☆★
イギリス・アイルランド合作 PG12
ギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、幸せな家庭が1人の少年を迎え入れたことで崩壊していく様子を描き、第70回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したサスペンススリラー。
全編に漂う不思議なスリル感、後半になって命題が与えられさらにエスカレート。
心臓外科の名医スティーヴン(コリン・ファレル)と眼科医のアナ(ニコール・キッドマン)は郊外の瀟洒な邸宅で聖歌隊に入っている優等生の長女キム(ラフィー・キャシディ)とロック好きの息子ボブ(サニー・スリッチ)と暮らして居た。
しかしスティーヴンは数カ月前から彼を訪ねて来る元患者の遺児、マーティン(バリー・コーガン)と密会を重ね、様々な援助を与えていた。
スティーヴンはマーティンの父の死に或る事がらから自責の念を感じていたのだ…。
古代ギリシア悲劇のひとつ『アウリスのイピゲネイア』を基にしていると言われる本作。その悲劇の概要は、「聖なる鹿を殺して女神の怒りを買った父親が娘を生贄に捧げる」というもの。
次々とボブの予言が当たり、結局犠牲者を選ばねばならない。
ギリシャ神話だけに、いささか難解だが、監督の手腕で、カメラワークや音楽も加わり、不穏な雰囲気映画としては出来のいい作品だ。
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