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「眠れる美女」、イタリア尊厳死裁判にヒントを得た尊厳死を巡る3つのエピソード

2014-07-31 17:07:21 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

尊厳死に関心のある方 ☆☆☆☆☆

イタリアの巨匠マルコベロッキオ作品(イタリアフランス合作)

2009年に起こったイタリア尊厳死事件。

17年前交通事故で植物状態になった21歳の女性。両親が延命停止を求めて裁判を起こし、裁判はそれを認めた。

しかし、カソリック教国イタリアでは、物議を醸し、政界まで巻き込んだ騒ぎに。

映画は、女性が延命処置を外され死ぬまでの3日間に起きた3つの物語を並行的に描いていく。

いずれも、尊厳死に絡むエピソードで、キリスト教国イタリアならではの展開がある。

冒頭、テレビで事件を報じる様が写され、臨場感が漂う。

ただ、三つの物語に脈絡がないので、ちょっととまどう。

1、自ら、妻の要望で、延命装置を外した国会議員。自らの体験から、所属する政党に反対な議員は悩む。その娘は父のした行為が許されず、反対運動に参加する。だが、そこで知り合った男性と恋に落ちてしまう。

2.金を盗まれかかった医師が、その女性が自殺志願でこん睡状態にあるのを知る。そして寝ずの番を。だが、執拗に自殺を繰り返す女性。

3.寝たきりになった娘を家で看病する元女優。家族たちは、延命を拒否するが頑強に否定。職業を捨ててまでの凛とした母親の態度と、家族たち。

非常に重苦しいテーマを真摯に描いた本作は力作だが、見るものにつらい思いを強いる。

宗教の違う我々に取って、分かり難い部分もある。

結局、尊厳死についての結論は出ないまま映画は終わる。それぞれが考えることなのか?
コメント (2)
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