おススメ度 ☆☆☆
変わった時代劇好き ☆☆☆☆
城戸賞を受賞した土橋章宏の作品だけに、アイデア満載の映画になっている。
8代将軍・徳川吉宗の治世下、東北の小藩・湯長谷藩、これは史実ですが。
当時の参勤交代は、大変金がかかり、小藩ではその負担が大変だった。
老中・松平信祝の横やりで、湯長谷藩取り潰しの目的で、参勤交代を終えたばかりの藩に、一年余裕があるのを通り越して、すぐさま、それも8日かかるところを５日で出頭せよとの難題を吹っかけてきた。
そこで、知恵を働かして、経済的に、かつ時間の節約をして、目的を達成する、これぞ、超高速参勤交代。
だが、そうは簡単には通してくれない。敵もさるもの、忍びのものを使っての妨害活動。
まあ、目的達成のためのロードムービーだ。
途中で、足の悪い殿は、馬に乗り一人別行動。そして泊まった宿の飯盛り女に惚れるという色恋沙汰まで、用意されている。
参勤交代に同行した面々は、アイデアもさりながら、それぞれ腕っぷしもたつ。ただ、最初は、軽量化のためのため竹光を持たされているなど、難行する。
ただし、後半の武闘シーンは、かなり真剣な立ち回りで、只のコッミク映画ではないところを見せる。
一方、主人公の藩主は、じつに人間的なやさしさを備えており、それが後々役に立つなど、なかなか、考えた作りだ。
盛りだくさんな仕掛けをこれでもかと見るものを飽きさせない作り、おかげで、時代考証とかすっ飛ばした面は無きにしも非ずだが、すべてうまく収まる作りに、見終わったすっきり感は楽しい。
藩主に扮する佐々木蔵之介、飯盛り女の深田恭子など、演技陣は大頑張りで盛り上げる。
