日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「モーターサイクル・ダイアリーズ」

2010-09-30 23:43:24 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


「モーターサイクル・ダイアリーズ」をDVDで観ました。
あの革命家チェ・ゲバラの23歳の時の旅を描いた作品です。
若き日のゲバラ役をメキシコ出身の今ノッてる役者ガエル・ガルシア・ベルナルが演じています。
あの「バベル」ではサンチャゴ役、「ドット・ジ・アイ」ではキット役が印象に残っています。
その他にもどんどん映画に出ていて大躍進しているかも。


2003年の作品。
物語は1952年のラテンアメリカ。
23歳のエルネスト(ゲバラ)と親友の29歳アルベルトの二人がオンボロのバイクに乗って南米大陸を横断する旅に出ます。
所持金もわずか、このバイクも白い煙を上げながらやっと走る古さ。
この無謀な計画も二人の勢いにあっては止める事もできません。

最初はバイクが何度も転倒したり故障したりとアクシデントばかり。
二人は知り合う人に助けられながら・・・時には罪のない嘘で食事や寝床を調達する事も。
ケンカしたり、女の子と知り合う事を楽しみにしたりとこの頃までは楽しい若者の冒険でした。
南米大陸の壮大な景色が美しかったです。
ちょっと前にBSで南米大陸の特集を観たばかりなので余計に楽しめました。


いよいよバイクが廃車となり今度は徒歩とヒッチハイクに変わります。
この頃からエルネストは社会からはじかれた民族や貧困、格差、差別を受ける人々の存在を知る事になります。
特にハンセン病で島に隔離されている人々との交流はエルネストにとって大きな決意を持つきっかけになったのでしょう。
ハンセン病患者と接するのに手袋を拒否し、患者や施設関係者との真の交流を持った二人。
エルネストの24歳を祝うパーティーでのスピーチは「チェ・ゲバラ」そのものでした。
アマゾン川を泳いで渡って隔離病棟に向かう命がけのシーンも良かったです。
こうしてエルネストは「人のために生きる」という人生を目指して、さらに一歩を踏み出すのでした。


若き日のゲバラをがガエル君が本当に生き生きと演じていました。
彼の輝く瞳、そして物事をまっすぐ捉えて笑顔で人に接する姿はすごく良かったです。
この時の旅が彼の人生の起点になったのはまちがいないですね。
自然とそれがわかるのも良い感じでした。

 
キューバのゲリラ指導者として有名なチェ・ゲバラ。
一つ一つの国だけでなく、南米大陸そのものを大きく捉えていた彼の素晴らしさを感じました。
彼の運命は濃く短いものだったけれど、この映画が彼の起点になったものとして観られたのはとても良かったです。
旅の相棒アルベルトはこの映画の撮影時も同行されたとか。
ゲバラの分も長生きをしているのが嬉しいです。


今回の評価は・・・    ガエル君好きなので星4つ   ☆☆☆☆















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「悪人」

2010-09-29 23:07:58 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


映画「悪人」を観てきました。
久しぶりの大きなスクリーン、「プレシャス」以来かも。
邦画に限って言えば、まず映画館まで行って観たいものがないのですが、これは原作を読んでぜひ観たかった私。
レディース・デイでもあったのでほぼ満員でした。



吉田修一さんの優れた原作を李相日監督が手掛けた作品です。
深津絵里さんがモントリオール映画祭の賞を受賞した事もあり話題作になっていますね。


おもな内容は・・・

若い保険外交員の女性が殺された事件。
犯人と思われた大学生ではなく真犯人として土木作業員の祐一が指名手配される。
出会い系サイトで知り合って祐一と一緒に逃避行をする光代はいつの間にか祐一と離れられなくなっていた。
そして最後に追いつめられた祐一がとった行動は・・・?
彼は本当の悪人だったのか・・・?    というようなお話。



まず一番の感想はあの420ページにも及ぶ原作を139分にまとめるのは難しかっただろうな~と思います。
もちろん映画ならではの伝え方もあるのでしょうが。
それでも私にとっては原作がもったいないと感じた中身でした。
それを言ったら仕方ないかもしれませんが・・・2時間ドラマでも充分だったかも。(辛口失礼)
それほど原作に思い入れがあるのかもしれません。



祐一の育ちや日頃の生き方をもっと伝えて欲しかった。
ぶっきらぼうで粗野な男のようだけど、その生い立ちや背景など。
特に映画にはなかったファッションヘルスで出会った美保とのエピソードはすごく重要に思えたのです。
祐一が若い男性特有の強い欲望を持ちながらも、変に真面目で一途になってしまう性格。
殺された佳乃とのやり取りも発作的にカッとなったりする一面ももちろんあります。
それから祐一が自分を捨てた実母(余貴美子)から何故お金をせびったか?
そして最後に祐一がどうして光代を殺める(あやめる)ふりをしたか?
この辺りが映画だけを観ている人に本当に理解されるのだろうか!


妻夫木君は新境地を開きましたね。
彼は今まで良い人役が多すぎたから。
(「涙そうそう」のにいにい役のようなのはもう見たくないかも)
今回の祐一役は良かったと思います。


それから祐一の祖母役の樹木希林さん。
相変わらずの存在感でした。
ただ、スカーフのエピソードが原作と変わっていたのは私には残念でした。
幼い祐一を引き取って、真面目に必死に母親代わりとなって育てた祖母。
祐一の学校などへ行く時に他の若いお母さんに対して物おじしないためにスカーフを良く巻いた、というお話。
これは原作で私がすごく心を奪われたエピソードなんです。
ガードレールに巻かれたオレンジのスカーフは少しの所持金で思い切って買った新しいスカーフだったはず。
映画では祐一に以前買ってもらった設定でした。
たかがスカーフなんだけど祖母房枝の生き様がすごく表れるシーンだったのです。


さて、それから増尾役の岡田将生君!
この人は「ハルフウェイ」では可愛かった。
そして「ホノカアボーイ」ではお尻を出して、のほほんとした役がピッタリでした。
ただアイドルっぽくなくどこかシニカルな口元なので悪い役も似合ってます。
チャラチャラしたお坊ちゃん役が巧かったな。
カプセルホテルから引き摺り出されるシーンなどもね。


この映画は「本当の悪人とは?」がテーマでした。
相手によって態度を露骨に変える佳乃も悪人だったし、佳乃と佳乃の父親(柄本明)を蹴り倒す増尾も悪人。
祐一を捨てた実母も悪人。
祖母に健康食品を売りつける人も悪人です。
もちろん殺人を犯した祐一も理由はどうあれ悪人です。
誰もが悪人になるかもしれないそんな不安定な人間社会。
そんな世の中で生きている切なさを感じました。


原作は本当に良いです。
映画で描ききれなかった人間の心の隅々を多くの人に読んで欲しいな~と思いました。


今回の評価は・・・   星3つ   ☆☆☆  


祐一のダサい格好とスカイラインGTRのギャップが印象に残りました。
深津絵里さんは普通だったかな。




























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今日のつぶやき

2010-09-27 19:32:17 | 日々のこと
  


昨日は三男坊の体育祭でした。
すっきり晴れ渡った青空の下で競技をした中学生のみんな、頑張りましたね~
我が家のアホ息子に限っては、この年頃独特の力の入れ具合(?)体力温存していた気がするのは気のせいか?
その理由は体育祭そのものよりも「打ち上げ!」に力を入れる予定にも思えた母の直感!
だいたいこの子は打ち上げが好き。
何かにつけて「今日さぁ、打ち上げに行って良いかな」と言ってくる。
そもそも必要のない時にでも計画する男子数人なので時には厳しく却下。
そう言えばこの前は「夏休みの打ち上げ・・・」なんて言ってたな、アホか!


昨日の体育祭後の打ち上げは男子も女子も気の合った仲間達で多く出かけたようでした。
フッフッフッ、だから夜は雨が本降りだったのさ。
駅前のファミレスの数店前にはジャージで並ぶ女子も多かった。
あ~、これが今の時代の中学生・・・
特に中三は受験生の心構えがあるのかないのか。
うちの子はない・・・



            



さて、いよいよ9月もラストスパート。
今日は寒い雨でした。
何か8月から一気に10月になるようにも感じてしまう今日この頃です。


プロ野球ではソフバがパ・リーグ優勝しちゃうし、西武が優勝を逃したのは渡辺監督もイタかったでしょうね。
セ・リーグは何故か阪神にマジック点灯。
残り試合全部勝ったら面白いけど。
そんな中、矢野さんの引退試合が2軍戦であったそうですね。
最後は矢野さんと下さんの黄金のバッテリー。 良い仲間だな~
こんな日がいつかは来てしまうのは分かっていたけど矢野捕手の引退は会見も含めてさみしかったです。
いつも試合後にマウンドに行って投手をねぎらう矢野さんのニコニコの笑顔を忘れません・・・
お疲れ様でした

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真央さん、20歳の誕生日!

2010-09-25 23:20:30 | フィギュアスケート
  


今日25日は浅田真央さんの誕生日でした。

「20歳の誕生日おめでとう~!」


今日はネット上にも真央さんファンの質の良い素晴らしい祝福動画がいっぱいUPされていましたよ。
一つ一つが本当に素晴らしかったです。
そして15歳のシニアデビューから今までのプログラムを動画で観て楽しみました。
まだプレッシャーの感じられない15歳のグランプリファイナル初優勝とか、私の好きな2008年の世界選手権とか。
それから悔しさの残った、でもその挑戦が素晴らしかったバンクーバー・オリンピックの演技など堪能しました。


20歳の誕生日にこんなにネット上でも祝われる選手ってあまりいないですよね。
そして彼女の演技を観ると涙がなぜか込み上げるというのも不思議です。
特にこの一年は辛い事も多かったでしょうね。

もうすぐ2010~2011のシーズンインです。
ちょっと大人のイメージを感じさせるこの頃。
目標は世界選手権でしょうが、試合一つ一つに気持ちを込めて頑張ってくれる事でしょう。
今シーズンもケガなく納得の滑りができますように。
そして幸せな一年になりますように。


      

  




お気に入りの画像がたくさんあって大変だ~

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情けないこの日本・・・

2010-09-25 13:26:50 | 日々のこと
尖閣諸島沖の衝突事件の報道はずっと追っていました。
衝突のビデオ映像も証拠としてあるはずなのに、昨日は処分保留で船長を返還?!
信じられませんでした。

今日の報道ではチャーター機で帰国した船長、おろしたてのシャツを着てVサイン!
この船長は過去にも2度ほど衝突事件を起こした有名な人物との事。
中国当局は「日本には謝罪と賠償を求める」と宣言。
どこまでこの国はしたたかに戦法を練ってくるのか。


民主、小沢氏が大勢の議員を引き連れて中国を訪れた時も呆れたけれど、今回の管政権での日本の対応はもう情けなくて情けなくて、ガッカリします。
あくまでも検察の判断だ!と主張している政府ですが、世界各国から見たら腰砕けの日本の印象は強くアピールされたはず。
FUJITAの社員拘束やレアアースの輸出取りやめ、その他の日本への強硬な嫌がらせの数々。
こうして日本の司法権まで中国に奪われた現実。
憂いているだけでなく、何か恐怖さえも感じます。


どうなる、この日本・・・

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「ずっとあなたを愛してる」

2010-09-24 14:12:08 | 映画・DVD・音楽・TV・本など
久しぶりの更新になりました
この数日ネットをするよりも「悪人」の原作を一気に読んでいました。
かなり前に読んでいたのに再読でも改めて中身の濃い内容にビックリ。
登場人物の心の動きが鮮明に書かれていた小説でした。
来週あたり時間を作って、映画も観に行きたいです。


            



さて、話題は変わって。
フランス映画「ずっとあなたを愛してる」をDVDで観ました。



2008年製作、監督はフィリップ・クローデル。
作家であり刑務所で教員をしていた経験もあるらしく、映画はこれが初めてだそうです。
もちろん、主演の女優クリスティン・スコット・トーマスの静かな抑えた演技も素晴らしかったけれど、映画全体の丁寧な創りがかなり感じられた作品でした。


おもな内容は・・・

我が子を殺した罪で15年服役していたジュリエット(クリスティン・スコット・トーマス)。
出所してから歳の離れた妹レア(エルザ・ジルベルスタイン)の家に身を寄せます。
レアは姉の存在をずっとなかった事にされた家庭に育ち、自分の子を産む事をおそれベトナムからの養女を二人迎えていました。
社会に復帰してきたもののジュリエットは世間の厳しさを感じながら妹一家の中でも最初はぎこちない暮らしでした。
その後、だんだんと姉妹の絆を感じたり、ジュリエットが出会う人々へも心を開放していく兆しが出てきます。
ジュリエットの罪の真相は・・・?
彼女は罪を背負ってこの社会でまた暮らしていけるのか・・・? というお話。




社会復帰をテーマとしているのでしょうが最後まで親と子など家族の意味が問いかけられた内容でした。
いなかったはずの姉を引き受ける妹レア。
レアの夫は最初は「殺人をした人間に自分の子どもを見てもらうのは嫌だ!」と拒絶。
でもこれは誰だって思ってしまう本心でしょう。
そんな夫がジュリエットを理解するのは、皮肉にも養女プチ・リサの存在だったのかも。
プチ・リサが「今までどこに行ってたの?」とか「ママとはずっと一緒だったの?」とか思った事を全て言葉にして質問攻撃をしてきます。
それを拒絶していたジュリエットもだんだんとプチ・リサ達と一緒にお菓子を作ったりピアノを教えたりして良い関係になってきます。
子どもと信頼関係を築けるのはもしかして大人とよりも難しいかもしれない。
それほど嘘を見抜き、気持ちをまっすぐぶつける存在だから。


ジュリエットの表情はずっと険しかったかもしれません。
出所後、妹レアと会うシーン。
刑事と面会するシーン。
妹の仲間とのパーティーのシーンなどなど、最初はずっと冷たくて険しい表情でした。
だから余計にピアノをプチ・リサと、そして妹レアとも連弾する表情はやすらかに笑顔になってきて良かったです。
それから失語症である妹の義父の部屋にいる時は穏やかだったかな。


ジュリエットが息子を殺した理由は想像通りでした。
ただ、医師として息子の命を奪った時にジュリエットは孤独だったのだろうか?
夫は?
その頃のジュリエットの親は?
息子の安楽死を一人で決め、誰にも真実を言わなかった15年だったのか。
その辺は疑問もちょっとあります。


認知症で施設に入っている実母を姉妹で訪ねた時、妹の事はわからないのにジュリエットの姿を見て
「我が娘!」と抱きつくシーンは重かったです。
記憶が飛んでいるはずなのに15年ぶりにジュリエットを認識できる親の愛。
本能なのでしょうか?


最後までかなり重い内容の作品でした。
「ずっとあなたを愛してる」とジュリエットが言いたかったのは息子に対してかもしれない。
妹レアは姉に対してかもしれない。
ジュリエットの再生をテーマに描かれた落ち着いて重厚な作品でした。


今回の評価は・・・    星3つ半    ☆☆☆★


















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「マイレージ、マイライフ」

2010-09-20 15:21:05 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


「マイレージ、マイライフ」をDVDで観ました。
これは今年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞など多くにノミネートされていた話題作でしたね。
そう言えばアカデミー賞授賞式でどうしてあんなにジョージ・クルーニーは司会者にいじられていたのか?
賞レースでは目立たなかったけど、なかなか中身の面白い良い作品で楽しめました。


おもな内容は・・・


敏腕リストラ宣告人として生きるライアン(ジョージ・クルーニー)は世間とのしがらみを避け効率的な人生を送る生き方をしていた。
年間322日も出張をしてマイレージを貯める事だけを生きがいに、余計なものを背負い込まない・・・
つまり「バックパックに入らないものは持たない!」がモットー。
そんな彼の元にネット世代の新人ナタリー(アナ・ケンドリック)が赴任。
彼女はリストラ宣告をネット画面上でやる事を提案し、ライアンの今までの立場が危うくなるのか? というようなお話。


この監督は着目したテーマも時代背景にマッチして興味深いし、作品全部の語り口もかなり洒落ていてユーモアもたっぷりでした。
そして何と言ってもジョージ・クルーニーの魅力が満載で、彼は良い役者なんだな~と改めて思いました。
(ちょっと前に観た「バーン・アフター・リーディング」では苦笑モノでしたが・・・)


ライアンがわずかに過ごす地上の住まいはすごく無機質な部屋。
そしていつも効率的にトランクにパッケージして空港へ。
空港での無駄のない動きはまるでコメディーですね。



  


そして出会ったのが同じ出張族の魅力的な女性アレックス(ヴェラ・ファーミガ)でした。
設定上は34歳だそうですがもうちょっと大人のイメージかな。
最近大好きな女優で、この作品でもすごく魅力的でした。
とにかく全裸の後ろ姿、腰にネクタイって最高でしたね。
「ディパーティッド」では何とも感じなかったけど、このアレックス役はすごく好きです。










一方、ナタリー役のアナ・ケンドリック。
確かに今時のネット社会の申し子。
優秀でこれからに期待される立場なんでしょうけど、リストラ宣告人としての「心」がまったくない。
やり手のライアン、確かに膨大なマイレージの下には多くの不幸な解雇人がいるのだけれど、彼の解雇テクニックには自尊心を傷つけないような人間的な心があったと思うのです。
予想どおりナタリーの新企画はお蔵入りになり、ナタリーも辞めて行きました。

う~ん、アナ・ケンドリックの代表作には確かになるだろうけれど、私はいまいち好きな女優じゃないかな。
女性としての魅力も感じられませんでした。 残念・・・




さて、こうしてまたライアンも世界を飛び回る生活に戻るのですが、彼がアレックスやナタリーと知り合って、いつの間にか「バックパックに何かを詰めたい」と思うようになっていました。
その変化は身内の結婚式やアレックスの存在が大きかったのでしょう。
しかしそのアレックスの本当の姿は・・・?!
夫と子どもを持ち、自分の家庭があるから「後腐れのない関係だったはずよ」って!
これ男性のセリフだ~!  アレックス恐るべし!
それでもヴェラ・ファーミガは好きだけど。


あんなにマイレージ記録達成を夢見ていたライアン、機上で祝われても嬉しそうではない。
彼がまた空港でフライトの電光掲示板を見あげた姿は哀愁がありました。
彼は何かを失ったのではない、ただ何かに気付いてしまったのでしょう。





DVDの特典映像で彼が宇宙服を着て空港を歩く姿がありました。
タクシーに乗って家に帰ってもそのまま空に向かって進む姿・・・
アレックスのために花を持って空港で待つシーンなんてカッコ良かったけど、思うように人生は行かないものですね。
なかなか良くできた作品だったと思います。
面白かったですよ。


今回の評価は・・・   星4つ   ☆☆☆☆












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「いつか晴れた日に」

2010-09-19 12:40:28 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


ちょっと前にWOWOWで放送、録画しておいた「いつか晴れた日に」を観ました。
これは時間の余裕のある時にゆっくり堪能したいと思っていたのです。
質の良い作品であるのはもちろんですが・・・とにかく私は
「ジェイン・オースティンの作品は好きだ~!」


1995年の作品。
原題は「SENSE AND SENSIBILITY」つまり「分別と多感」です。

原作はイギリスを代表とする作家ジェイン・オースティン。
監督はあのアン・リー。
製作がシドニー・ポラック。
そして脚本が役者としても素晴らしかったエマ・トンプソンです!


おもな内容は・・・

19世紀初頭、イングランドの東南部サセックス州に住むダッシュウッド家では主人を亡くし彼の妻と3人の娘が遺された。
当時の法律では遺産の相続を受けるのは先妻の息子ジョン。
残された妻と娘達は亡き主の言い残した約束を反故にされ、悲しみの中で少ない予算を考え新しい棲み家を探します。
長女エリノア(エマ・トンプソン)次女マリアンヌ(ケイト・ウィンスレット)そして三女マーガレット(エミリー・フランソワ)の新しい人生は?
そして愛する人と幸せになれるのか・・・
イギリスの美しい風景とともに壮大な愛が描かれていた作品です。



さて、また出ました!
この時代を象徴するかのような生き方。
女性に相続権がなく、仕事をする事もできない階級の暮らし。
女性の幸せはただ条件の良い相手との結婚だけ、って言うのは今考えるても不思議な感覚です。
たとえ愛し合っていてもお互いに貧しいと一緒になっても苦しみだけというのも時代的には仕方ないのですね・・・
う~ん、なかなか生き辛い時代だったのか・・・。



この時代の衣装は本当に好きです。
胸のすぐ下で切り替えになっているドレス、というか普段もそんな服ですが。
衣装の色やデザインがまた登場人物の性格までも表しているようでした。
やさしいしっかり者のお姉さんエリノアはブルー系でシンプルなデザイン。
情熱的で可愛いマリアンヌは色使いも淡い可愛いものでフリルやレースが好み。
帽子やストールのおしゃれも見ていていっぱい楽しめました。

  


さて、登場人物では一番良かったのがエマ・トンプソン!
設定よりはだいぶ年齢も上だけど、彼女の存在が一番この作品を生かしました。
優しく誠実でしっかり者のエリノア役、自分の本当の気持ちを抑えながらこの時代を生きていく長女をとても巧く演じていてビックリ。
最後のエドワードからの告白を聞いて嗚咽するシーンがまさに秀逸でした。
思わず涙がでそうになります。



次女マリアンヌ役のケイト・ウィンスレットも良かったです。
ふっくらお顔の可愛いケイトを見て、もしかして「タイタニック」よりも魅力がいっぱいかも。
ピアノを弾きながら歌い、詩を朗読し、「ウィロビー」に恋をする。
その感情を全て表に出して喜び、泣き、苦しむマリアンヌを好演。
  


  


男性陣ではブランドン大佐役のアラン・リックマンが最高にカッコよかった。
最初はダイハードのテロリストのイメージが強くて「嫌な役で何かやらかしそう」と思ってしまったけど最後までりっぱな紳士でしたね。
大佐は心に傷をかかえながら、ダッシュウッド家の女性陣を支えてくれました。
そして最後はマリアンヌと幸せにコインシャワー~!
この作品の中ではアラン・リックマンに愛されるのが一番幸せに思えた私です。





そしてちょこっとだけの登場なんだけど印象に残ったのはパルマー夫人の夫を演じるヒュー・ローリーです。
おしゃべりな夫人の連れ合いにはぴったりの寡黙なMr.パルマー。
目つきも悪くどこか不機嫌そうなんだけど、決して意地悪じゃない。
なぜか印象に残った素敵な役者でした。




最後にエドワードを演じたヒュー・グラント!
彼の事は大好きなんだけどな~
この時代の衣装が似合わなかったのは残念。
首周りが不自然で歩き方も可笑しい・・・
(「ジェイン・オースティン 秘められた恋」のジェイムズ・マカヴォイは颯爽としてカッコよかったのに)
今回の作品では大佐のカッコよさに比べてエドワードの魅力があまり感じられなかったのです。
ヒュー・グラント好きなのにな~
もっと歳をとってからの方が良い感じかも。
この前観た「ラブ・アクチュアリー」の製作シーンでヒュー・グラントとエマ・トンプソンの共演した話があったのですが、このお二人はやっぱりエマがお姉さんに見えてしまいます。
しっかり者のエマと頼りないヒュー?(首相役は良かったけど)




思うままに書いてしまいましたが、上質な作品で良いものを観た満足感があります。
衣装やパーティでのダンスや男女のチョコンとおじぎする挨拶などお気に入りのシーンがあふれていました。
この時代は会いたくない人ともきちんと応対しなくちゃいけない礼儀があるのも興味深いです。
(今だったら面会拒否、着信拒否ができるのにね)



エマ・トンプソンの魅力に気付いた良い作品でした。

今回の評価は・・・   星4つ   ☆☆☆☆



    





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「ノッティングヒルの恋人」

2010-09-17 16:24:18 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


「ノッティングヒルの恋人」をDVDで観ました。
ヒュー・グラントの作品なのになぜか観ていなかったのです。
1999年の作品・・・当時のヒュー・グラントは39歳?
ちょっと古さを感じる髪型だけど我慢、我慢。


おもな内容は・・・

有名ハリウッド女優アナ(ジュリア・ロバーツ)と本屋を経営する平凡な男ウィリアム(ヒュー・グラント)が偶然出会って恋に落ちる、というお話。
何だか「ローマの休日」っぽくも感じるけれど、こちらはロンドンのノッティングヒルの街が舞台です。


確かに有名女優と一般の平凡な男性の恋と言ったら身分違いのように感じるかもしれません。
それでもどんな人も「一人の人間」である事は変わりないし、出会いや恋は偶然と運命の上に転がっているでしょう。
だけど、2度目に会った時にいきなりウィリアムにキスするアナ・・・このシーンはあまり理解できなかったな。
アナにとっては一見全てが満たされているかのような苦労があるのかもしれない。
その心の孤独からいきなりのキスになったのか?
でも有名女優としての名声と引き換えに多くの人からの注目やプライバシーのない事は仕方ない。


ウィリアムはどうしてアナに惹かれていったのか?
最初はアナと出会った事に対する驚き、そして妹の誕生パーティーでアナの素の気持ちに惹かれたのか・・・
ただ私にはこの二人がどうして恋に落ちたのかがあまり分からなかった。
このあたりがとても残念。


ウィリアムの周りの友達の存在は良い味出してました。
特に同居人の芸術家男のTシャツのセンスに大笑い!
ウィリアムの仲間のそれぞれが一人の人間として悩み考え日々生きている・・・そんなメッセージは良い感じでした。


ヒュー・グラントはこの作品ではめずらしく(?)普通の男性。
ちょっと頼りない、でも真っ当な考えを持っています。
どちらかと言うと彼にはチャラチャラした役をやってほしいな~。
そして何故か私の印象に強く残っているのは「アバウト・ア・ボーイ」でマーカス少年と舞台で歌う役が結構好きです。
それから「ラブ・アクチュアリー」での英国首相の役!
だから今回のウィリアムス役はちょっと魅力が足りないかな。
そんな彼も50歳! 


ジュリア・ロバーツ作品は昔はほとんど観ていました。
最近は自身の家庭を優先しているのか、ちょこっと役が多かったかも。
「バレンタインデー」なんて、少しの出演で美味しい役をやっていたっけ。
最新作の「食べて、祈って、恋をして」もあまり評判が高くないと聞きます。
もっとシナリオを選ぶ女優かと思ったけど、最近はそうでもないのかな・・・


さて、今回の評価は・・・   星3つ   ☆☆☆   普通かも

   
ノッティングヒルの街並が好きでした。
内容はもっと昔に観ていたら良かったのかもしれないけど・・・




















潜水服で過ごす同居人スパイク!

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「仕立て屋の恋」

2010-09-15 13:29:24 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


またまたフランス映画です。
パトリス・ルコント監督の「仕立て屋の恋」をDVDで観ました。
こちらは1989年の作品・・・ちなみに「髪結いの亭主」が1990年だからこのあたりからルコント監督の力が発揮されてきたのかな。


おもなあらすじは・・・

主人公の中年男性イール(ミシェル・ブラン)は服の仕立てをして暮らしている。
彼は人づきあいも悪く、ちょっと変り者の印象からか周りからも浮いた存在。
たまの息抜きが一人ボーリング!
そんなイールの密かな日課が向かいの部屋に住む女性アリス(サンドリーヌ・ボネール)を覗き見する事。
ただひっそりと毎日覗いている事は犯罪すれすれなのか分からないけど、このイールはわいせつ事件の前科もあるようです。
う~ん、かなり胡散臭いかも・・・


ある日、雷の稲妻でイールが覗いている姿にアリスは気付いてしまいます。
そしてアリスが秘密(恋人の犯罪をかばっている事)がバレルのを恐れ、イールに近づくのですがイールにしたら純粋に彼女に想いを強くするばかり。
イールが警察から疑われて付きまとわれている事もあり、アリスの本当の気持ちは・・・?
そしてラストにイールはどうなってしまうのか・・・?


ただの映画ではなく80分の中には凝縮されたルコント監督の世界を感じました。
このイール・・・女性からしたらちょっと怪しく思えるのですが、彼のアリスへの想いは一途な純愛として描かれています。
直接的な官能シーンではなく、視覚や聴覚などを使った愛の表現がいかにもフランス映画!
色のトーンも生きていて、最後まで引き込まれました。
イールの立ち振る舞いがあまりにも無駄がなく紳士のように見えるけれど、一方彼の表情の怪しさ(どうしても感じてしまう)が非常に私にはインパクトがありました。


もし彼が刑事に手紙を送ってなかったら全てが闇の中だったでしょう。
イールの最期を切なく感じるけれど、あのアリスだったらそれしかラストはないだろうな・・・
「何よりも自分を愛してくれる男性イール」を利用するのはアリスだったら簡単でしょう。
イールの言葉・・・「君を恨んでなんかいない、ただ死ぬほど切ないだけだ」は彼の真の気持ちですね。



う~ん、100パーセントの純愛には思えないけれど切ない中年男性の恋です。
どうしてもイールの不思議な怪しさが強くて、いろんな意味で参りました。
ルコント監督、巧すぎる。


今回の評価は・・・    星3つ半    ☆☆☆★










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