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「スポットライト 世紀のスクープ」を観てきました。
ご存じ、アカデミー賞最優秀作品賞を受賞し、公開を楽しみにしていました。
2015年製作、アメリカ映画。
原題は「SPOTLIGHT」、監督はトム・マッカーシー氏。
主な内容は・・・
2002年、アメリカの新聞『ボストン・グローブ』の記者たちによって、カトリック教会のスキャンダルが明るみに出る。
神父による性的虐待とその事実を看過し続けたカトリック教会の共犯とも言える関係を、『スポットライト』と名のついた一面記事に掲載したのだ。
彼らの追跡は、教会で長く隠蔽されてきた衝撃的な歴史を暴き、社会で最も権力をふるう人物たちを失脚に追い込むことになる、記者生命を懸けた闘いだった……。
(MOVIE WALKERより抜粋)
とにかく素晴らしい作品でした。
アカデミー賞の最優秀作品賞にはこのところあまり相性が良くなかった私にとっては、今回の受賞作品として
すごく納得した内容でした。
でも、すごく地味。
名だたる有名俳優陣がたくさん出ているのに、誰が主人公でもなく (むしろ「スポットライト」の記者達全員が主人公)
特別に盛り上がるドラマチックな場面もないのに、じわじわと押し寄せてくるクライマックス。
脚本も良かったな~。
カトリック教会の神父による性的虐待のニュースを私が初めて知ったのが2002年頃でした。
当時、アメリカのマスコミ(今から思えば「ボストン・グローブ誌」だったのでしょう。)で報じられたこのスキャンダルを
日本人としては馴染みは薄いものの「あの神父たちが・・・」と驚いた記憶があります。
そもそも神父に対するあまりにも禁欲的な規律が事件を起こしているのも事実でしょうし、教会に寄り添いながら生きている
カトリックの信者にとっては驚きの報道だったでしょう。
映画のあとにボストン以外でもわかった性的虐待事件の場所がアメリカ全土だけでなく世界中におよぶという真実にも
改めて驚きました。
被害にあった子ども達のその後が本当に気の毒なくらいでした。
被害者の一人一人に対して地道に取材を続け、一方、救済のために活動する弁護士なども。
古い資料を丹念に調べる粘り強い活動がやがて少しずつ真実を浮き彫りにします。
被害者に寄り添うガラベディアン弁護士役のスタンリー・トゥッチが良かった。
彼は癖のある役が多いけど、好きな役者さんです。
声だけ登場の心理療法士はやっぱりリチャード・ジェンキンスだった。
その他の「スポットライト」チームの役者たち全員もすごく良かったな~。
「これを記事にしたら誰が責任を取るんだ?」
「では記事にしない場合の責任は?」
というやりとりがすべて。
ジャーナリズムの根本とはこれなんだろうな。
これは反カトリックの映画ではないんですよね。
多くの被害者を生んでしまったことをカトリック教会のすべてが認めたということで終わりました。
と言うことで、久しぶりに見応えのある作品を観られて良かったです。
今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆
登場人物の多さには要注意。
頭に叩き込みながら観ないと・・・
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