「マイレージ、マイライフ」をDVDで観ました。
これは今年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞など多くにノミネートされていた話題作でしたね。
そう言えばアカデミー賞授賞式でどうしてあんなにジョージ・クルーニーは司会者にいじられていたのか?
賞レースでは目立たなかったけど、なかなか中身の面白い良い作品で楽しめました。
おもな内容は・・・
敏腕リストラ宣告人として生きるライアン(ジョージ・クルーニー)は世間とのしがらみを避け効率的な人生を送る生き方をしていた。
年間322日も出張をしてマイレージを貯める事だけを生きがいに、余計なものを背負い込まない・・・
つまり「バックパックに入らないものは持たない!」がモットー。
そんな彼の元にネット世代の新人ナタリー(アナ・ケンドリック)が赴任。
彼女はリストラ宣告をネット画面上でやる事を提案し、ライアンの今までの立場が危うくなるのか? というようなお話。
この監督は着目したテーマも時代背景にマッチして興味深いし、作品全部の語り口もかなり洒落ていてユーモアもたっぷりでした。
そして何と言ってもジョージ・クルーニーの魅力が満載で、彼は良い役者なんだな~と改めて思いました。
(ちょっと前に観た「バーン・アフター・リーディング」では苦笑モノでしたが・・・)
ライアンがわずかに過ごす地上の住まいはすごく無機質な部屋。
そしていつも効率的にトランクにパッケージして空港へ。
空港での無駄のない動きはまるでコメディーですね。
そして出会ったのが同じ出張族の魅力的な女性アレックス(ヴェラ・ファーミガ)でした。
設定上は34歳だそうですがもうちょっと大人のイメージかな。
最近大好きな女優で、この作品でもすごく魅力的でした。
とにかく全裸の後ろ姿、腰にネクタイって最高でしたね。
「ディパーティッド」では何とも感じなかったけど、このアレックス役はすごく好きです。
一方、ナタリー役のアナ・ケンドリック。
確かに今時のネット社会の申し子。
優秀でこれからに期待される立場なんでしょうけど、リストラ宣告人としての「心」がまったくない。
やり手のライアン、確かに膨大なマイレージの下には多くの不幸な解雇人がいるのだけれど、彼の解雇テクニックには自尊心を傷つけないような人間的な心があったと思うのです。
予想どおりナタリーの新企画はお蔵入りになり、ナタリーも辞めて行きました。
う~ん、アナ・ケンドリックの代表作には確かになるだろうけれど、私はいまいち好きな女優じゃないかな。
女性としての魅力も感じられませんでした。 残念・・・
さて、こうしてまたライアンも世界を飛び回る生活に戻るのですが、彼がアレックスやナタリーと知り合って、いつの間にか「バックパックに何かを詰めたい」と思うようになっていました。
その変化は身内の結婚式やアレックスの存在が大きかったのでしょう。
しかしそのアレックスの本当の姿は・・・?!
夫と子どもを持ち、自分の家庭があるから「後腐れのない関係だったはずよ」って!
これ男性のセリフだ~! アレックス恐るべし!
それでもヴェラ・ファーミガは好きだけど。
あんなにマイレージ記録達成を夢見ていたライアン、機上で祝われても嬉しそうではない。
彼がまた空港でフライトの電光掲示板を見あげた姿は哀愁がありました。
彼は何かを失ったのではない、ただ何かに気付いてしまったのでしょう。
DVDの特典映像で彼が宇宙服を着て空港を歩く姿がありました。
タクシーに乗って家に帰ってもそのまま空に向かって進む姿・・・
アレックスのために花を持って空港で待つシーンなんてカッコ良かったけど、思うように人生は行かないものですね。
なかなか良くできた作品だったと思います。
面白かったですよ。
今回の評価は・・・ 星4つ ☆☆☆☆