日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「仕立て屋の恋」

2010-09-15 13:29:24 | 映画・DVD・音楽・TV・本など


またまたフランス映画です。
パトリス・ルコント監督の「仕立て屋の恋」をDVDで観ました。
こちらは1989年の作品・・・ちなみに「髪結いの亭主」が1990年だからこのあたりからルコント監督の力が発揮されてきたのかな。


おもなあらすじは・・・

主人公の中年男性イール(ミシェル・ブラン)は服の仕立てをして暮らしている。
彼は人づきあいも悪く、ちょっと変り者の印象からか周りからも浮いた存在。
たまの息抜きが一人ボーリング!
そんなイールの密かな日課が向かいの部屋に住む女性アリス(サンドリーヌ・ボネール)を覗き見する事。
ただひっそりと毎日覗いている事は犯罪すれすれなのか分からないけど、このイールはわいせつ事件の前科もあるようです。
う~ん、かなり胡散臭いかも・・・


ある日、雷の稲妻でイールが覗いている姿にアリスは気付いてしまいます。
そしてアリスが秘密(恋人の犯罪をかばっている事)がバレルのを恐れ、イールに近づくのですがイールにしたら純粋に彼女に想いを強くするばかり。
イールが警察から疑われて付きまとわれている事もあり、アリスの本当の気持ちは・・・?
そしてラストにイールはどうなってしまうのか・・・?


ただの映画ではなく80分の中には凝縮されたルコント監督の世界を感じました。
このイール・・・女性からしたらちょっと怪しく思えるのですが、彼のアリスへの想いは一途な純愛として描かれています。
直接的な官能シーンではなく、視覚や聴覚などを使った愛の表現がいかにもフランス映画!
色のトーンも生きていて、最後まで引き込まれました。
イールの立ち振る舞いがあまりにも無駄がなく紳士のように見えるけれど、一方彼の表情の怪しさ(どうしても感じてしまう)が非常に私にはインパクトがありました。


もし彼が刑事に手紙を送ってなかったら全てが闇の中だったでしょう。
イールの最期を切なく感じるけれど、あのアリスだったらそれしかラストはないだろうな・・・
「何よりも自分を愛してくれる男性イール」を利用するのはアリスだったら簡単でしょう。
イールの言葉・・・「君を恨んでなんかいない、ただ死ぬほど切ないだけだ」は彼の真の気持ちですね。



う~ん、100パーセントの純愛には思えないけれど切ない中年男性の恋です。
どうしてもイールの不思議な怪しさが強くて、いろんな意味で参りました。
ルコント監督、巧すぎる。


今回の評価は・・・    星3つ半    ☆☆☆★










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