日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「夏時間の庭」

2010-05-27 10:15:58 | 映画・DVD・音楽・TV・本など



「夏時間の庭」を観ました。
2008年のフランス映画でフランスのオルセー美術館20周年企画として製作されたそうです。
監督はオリヴィエ・アサイヤス。
ちょっと苦手なジュリエット・ビノシュが出ているのですが・・・


おもな内容は・・・

美しい芸術と印象派を思わせる自然を堪能できる感動的な家族ドラマ。
母から遺された貴重な美術品を整理する兄妹たちの姿を通して、いつの時代も変わらぬ人の心を描きだす。
スクリーンを彩るコローやルドンの絵画、アール・ヌーヴォーの家具など、色あせることのない本物の重みが印象深い作品です。


75歳の誕生日を家族とにぎやかに祝ったばかりの母親(エディット・スコブ)が亡くなり、3人の兄妹(ジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、ジェレミー・レニエ)たちは母が遺してくれた美しい邸宅と美術コレクションを処分することにした。
遺品の相続処理が進む中、3人の心はそれぞれの思いで揺れ動きます。



ストーリーは大きな山はなく淡々と母エレーヌが亡くなった後のことを描いています。
その中ではやはりフランスに住む長男が「思い出の家を手放したくない・・・」と言う気持ちが強いです。
その他の兄妹はそれぞれ遠く離れた国に住み、もうフランスには帰らない生活設計になっていて家には執着しない・・・正直に言えば仕事の資金が欲しいという現実。
多額な相続税もあるので結局家も美術品も処分することになるのですが、その経過も丁寧に描かれていました。


私は美術品の価値にはまったく無学ですから、コローとかアール・ヌーボーの品と言ってもピンときません。
でも母親の生きている時はその屋敷で多くの美術品が息づいている事がわかりました。
価値のある美術品が美術館の中に展示されるより、人々の生活の中で眺められ使用される方が価値があるというのも理解できました。


長い間、屋敷に住み着いてお世話をしていたお手伝いさんのエロイーズがこの屋敷をさってからまた花を持って訪ねてきて、庭や屋敷の様子をさみしそうに見て回るシーンがジーンと来ました。
人が住んでいて初めて住まいも命を持つのですね。



長男夫婦は思春期の娘の問題行動に手を焼いています。
その娘が祖母の屋敷を処分される前に大勢の仲間とパーティーをするのですが・・・。
何も考えていないと思われていた娘も思い出のおばあちゃんの家がなくなる事にさみしさを覚えているシーンもなかなか良かったですよ。


自然たっぷりの美しい庭、美術品にあふれる屋敷。
過去にはここで子ども達が育ち、親は老いて静かに暮した日々もあります。
祖母から息子たち兄妹、そして孫たちの心の中にいつまでも生き続ける思い出が静かに描かれていました。
私はこういう映画は好きだな~


今回の評価は・・・   星3つ半   ☆☆☆★

















75歳という設定のエレーヌはすごく粋な装いです。
シャツの襟具合とかスカートのシルエットなど完璧。
日本で75歳と言ったらどんな服装になるかな・・・



お手伝いをしていたエロイーズ。
恰幅があるけれど素敵な人でした。









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