日々、心のつぶやき☆

映画やフィギュアや好きな事を勝手につづっています。最近、弱気なのでダニエウ・アウヴェスのようなタフさが欲しいです。

「青い鳥」

2010-05-03 14:26:37 | 映画・DVD・音楽・TV・本など



邦画は本当に観ないのですが、阿部寛さんが好きなのでこれは特別。
TSUTAYAディスカスのレンタルで「青い鳥」を観ました。
2008年の作品、あの重松清さん原作を映画化したものです。
(原作は未読なので今度読もうと思います)


あらすじは・・・


いじめによる自殺未遂などなかったかのような、平穏な新学期を迎えた中学校。
そこへ新たに赴任してきた極度の吃音である臨時教師の村内(阿部寛)は、事件後転校した被害者生徒の机を教室に戻すように命じて生徒たちに衝撃を与える。
そんなある日、いじめに加担したことに苦しむ真一(本郷奏多)は、その苦しい胸の内を村内にぶつけるが……。
           (シネマトゥデイより抜粋)


もう本当に余計なセリフがない映画でした。
阿部寛さん演じる村内先生の言葉なんて、まさにポイントをついた本当の言葉でした。

学校内でいじめによる自殺未遂(自殺も含めて)というセンセーショナルな事件が起きたら、今の教育現場ではきっとマニュアルがあるのだと思う。

この学校では反省文5枚以上、それも何度も教師のチェックが入って書き直しを強要される。
朝の挨拶運動、これもすごくわかりやすい。
そしてお決まりの「生徒の心のケア」・・・今回の学校は「青い鳥」ポストを設置。

表向きではこれだけ学校として対処しています!とアピールできるものですが、本当の闇は生徒の心の中や学校全体の陰湿な空気にあると思います。


そんな中で放つ村内先生の言葉は・・・
「本気で話しますから、本気で聞いてください」とか
「いじめを忘れて一からやり直すなんて卑怯だな」とか
「忘れない事が責任だ」などなど。
どの言葉もハッとするくらい心に響きました。



村内先生のいた期間はあっという間だったし、村内先生が背負い込んでいる何かの重みは映画の中では明かされませんでした。
でも阿部寛さんのおさえた演技と一つ一つの言葉が最後まで印象深い作品でした。


今回の評価は・・・   星3つ半   ☆☆☆★












こういうテーマの映画はかなり気持ちをしっかり持って観ないとだめですね。
私の記憶に一番強く残っているのは、かなり前の中野富士見中の鹿川君の事件です。
本人も楽しそうだった・・・とか
担任教師も加担して葬式ごっこをやったとか、いろいろな事が報道されました。
何冊もこの事件に関連した本を読みましたが、冬の寒い日に遠く離れた盛岡の駅ビルの地下トイレで命を絶った彼の最期を思うだけでつらかったです。
決して忘れてはいけない事件だと思うのです。

そしてもちろん彼以外でも多くの少年、少女がいじめを苦に自殺しています。
何も教訓にできない教育現場を物語っています。
10代の繊細な時期を生き抜くにはどうすればいいのか?
自分がやられるから人を貶める連鎖はどうしたら断てるのか?
そんな事をいろいろ考えた作品でした。

たくさんの人に観てほしいな・・・




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