”I Can Wonder What You Did With Your Day”by Julie Doiron
以前、一回触れた事のあるカナダの女性シンガー・ソングライター、Julie Doironの2009年作。
ジャケには素朴なタッチの絵画で、顔に猫ヒゲを描いた少女や猫耳の生えた仮面を被った少年の姿が描かれている。こちらとしては何となく宮沢賢治の童話なんかを連想してしまう、気味悪いような懐かしいような世界なのだが、このようなものを欧米では、どのように認知されているのか。
ちょっとしたアーティスティックな気取りと、それと裏腹な、刺々しい現実に心折れた者の奥底に芽生えた「悪意の表出の権利、我が内に生ぜり」みたいな確信犯的思いが、透けて見えるみたいな感じだ。
前回紹介した出世作は、ギターの弾き語り中心のシンと静まり返って独り言みたいなフォークっぽい音つくりだったが、今回はギター中心のロックバンドが入って賑やかなものになっている。。
とはいえバンドもあまり濁った音を出すタイプではなく、クリアな弦の音を響かせる個性なので、Julie Doironの温度の低いモノトーンっぽい持ち味にあまり変わりはない。出来の良い曲も実は、いつものギターの弾き語りを聴かせるものだったりする。
とにかくJulie Doironの歌唱そのものはいつもの訥々としたものなので、このエレクトリック・サウンドの導入は合っているようなちぐはぐのような、奇妙なユーモアを含んだパントマイムを想起させるものとなって、聴く者の脇腹をくすぐる。そして気が付けば、喧しく思えたギターの轟音も、いつしか心地良く聴こえ始めるのだった。
以前、一回触れた事のあるカナダの女性シンガー・ソングライター、Julie Doironの2009年作。
ジャケには素朴なタッチの絵画で、顔に猫ヒゲを描いた少女や猫耳の生えた仮面を被った少年の姿が描かれている。こちらとしては何となく宮沢賢治の童話なんかを連想してしまう、気味悪いような懐かしいような世界なのだが、このようなものを欧米では、どのように認知されているのか。
ちょっとしたアーティスティックな気取りと、それと裏腹な、刺々しい現実に心折れた者の奥底に芽生えた「悪意の表出の権利、我が内に生ぜり」みたいな確信犯的思いが、透けて見えるみたいな感じだ。
前回紹介した出世作は、ギターの弾き語り中心のシンと静まり返って独り言みたいなフォークっぽい音つくりだったが、今回はギター中心のロックバンドが入って賑やかなものになっている。。
とはいえバンドもあまり濁った音を出すタイプではなく、クリアな弦の音を響かせる個性なので、Julie Doironの温度の低いモノトーンっぽい持ち味にあまり変わりはない。出来の良い曲も実は、いつものギターの弾き語りを聴かせるものだったりする。
とにかくJulie Doironの歌唱そのものはいつもの訥々としたものなので、このエレクトリック・サウンドの導入は合っているようなちぐはぐのような、奇妙なユーモアを含んだパントマイムを想起させるものとなって、聴く者の脇腹をくすぐる。そして気が付けば、喧しく思えたギターの轟音も、いつしか心地良く聴こえ始めるのだった。