ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

あの二人、別れてくれないかなあ。

2012-03-19 03:16:43 | いわゆる日記

 ”MIWAのオールナイト・ニッポン”を聴いている、なう。というか、だいぶ前に終わってしまったが。もう次の番組、”R”が始まっている。
 私はこの子の、妙に甲高くて硬質な声は異様な感じでちょっと好きなんだが、CDにおけるバックのサウンドがあまりにも無神経にやかましいタイプのロックで、ちょっと買う気にはなれないね。惜しいなあ。

 惜しいと言えば、ハンバート・ハンバートという男女二人組のグループがいるけど、あそこはまだ男女デュオでやっているのかしら?あれも惜しいなあ。
 あそこの女性ボーカルの人の歌、私は大好きなんですがね(知らない人に説明すれば、”アセロラ”のCMソングがあるでしょう、あれを歌っているのが、その人)なのに、なにかというと、男性メンバーが間抜けな声でコーラス入れてきたりするのね。なんだよ、あれは。清楚な女性ボーカルが描き出した世界が、無神経な男のマヌケ声ですべては台無しだ。
 だから私、あのグループのCDは買ったことないんだけど。女の人はファンなんだけどねえ。あれは惜しい。

 デュオの片方がいらない、といえば、これはもう古い話なんだけど、彼らのファンの間では「そんなこと、絶対言ってはいかん」くらいのタブー、もうそんな発想、するだけでも獄門、くらいの話らしいんで、ついでだ、あえて書いてしまうけどさ。
 イギリスのフォーク=トラッド界の大ベテラン、リチャード・トンプソンが昔、当時の奥さんだったリンダとデュオで活動してたでしょ、リチャード&リンダ・トンプソンなんてバンド名で、ずいぶん長いこと、活動してた。
 この場合はさっきと逆で、私、この奥さんのリンダの声が好きじゃなくてねえ。なんかやたら力強くて、音色も明るすぎる。アメリカのカントリー・ルーツの歌い手みたいな日向臭さがある。

 英国の歴史の重苦しい各場面を背負ったみたいなリチャードのつくる暗い美学に律せられた音楽に、あの声はないでしょう。ヴァシュティ・バニヤン、とまではいうまい、サンディ・デニーであるとかシャーリー・コリンズであるとか、英国伝統の滅びに向かって吸い込まれて行くようよな影のあるかすれ声の美学、これでしょう、リチャードのペンになる曲を歌うのなら。

 だから、早く別れればいいんだがなあ、あの二人、と遠く海を隔てた日本で祈ってたんだけどね。で、その祈りは通じて、二人はめでたく離婚と相成ったんだが、あまリにも長い歳月が過ぎ去っていた。結局、リチャードのクリエイターとしての一番輝いていた時代は、彼の作品を歌うにはあまりむいていない女性歌手に作品を提供することに費やされた。
 ああ、もったいない。今からでもいい、リチャードよ、リンダとのデュオ時代の曲を、彼自身の歌声で歌い直す作業にかかってくれないかなあ。

 さらに、ジョン・レノンとオノ・ヨーコ・・・は、いまさら言うまでもないか。




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