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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

セミナーpert2「女性の生き方を考える」@ヒルサイドテラス

2009-01-17 15:12:41 | 好きなもの・講座やワークショップ

15日木曜日は、東京方面はこの冬一番の冷え込みと北風でしたが、
そんなことの気にならない楽しい一日でした。
今年初めてのヒルサイドセミナーで、しかもほぼ定番となった「遠足」のおまけつきだったからです。


「女性の生き方を考えるーねずみ女房を入り口にして」という今回のタイトル。
それならば、ぜひとも「ねずみ女房」を読んでおかなければ、と、初めて予習をしてから出かけました。


ねずみ女房』は、深いお話でした。
人生のいろんな時期に読み返したい、数少ない本のひとつだと思います。

もう戻ることはできませんが、もし子供時代に読んでいたら、
どんな感想を持ったのだろうなあと思います。
ほかのねずみとどこか変わっているという「ねずみ女房」の、なにが変わっているのか、
その内側までを見ることはきっとできなかったでしょう。

思春期に読んでいたら‥結婚する前に読んでいたら‥母になる前に読んでいたら‥?

その時々の自分を想像しながら、どんなことを思ったのだろうなあとしばし思いを馳せました。

初めて読んだ、「今の私」は、とてもねずみ女房の気持ちがよくわかり‥
最初の方の、こんな箇所から、胸がどきんとしたのでした。

「これいじょう、何がほしいというんだな?」とおすねずみは聞きました。
めずねずみには、何がほしいのかわかりませんでした。でも、まだ、いまもっていない、
何かが、ほしかったのです。


さて、セミナーです。
この『ねずみ女房』にポイントをおいて、いろんな女性の生き方や
その本や、作品をご紹介くださいました。

グランマ・モーゼス ‥ 『グランマ・モーゼスの贈り物』 
・ヘレン・ブラッドレイ ‥ 『ミスカーターはいつもピンクの服
・バーバラ・クーニー ‥ 『エマおばあちゃん
山本容子 ‥ 『おこちゃん
・ベトリックス・ポーター ‥ スケッチブック
・アン・モロウ・リンドバーグ ‥ 『海からの贈り物
・イーディス・ホールデン ‥ 『The Country of an Edwardian Lady
ガートルード・ジャキル
・Gwen Rayerat ‥ 『Period piece
タシャ・チューダー
ジョージア・オキーフ
・児島なおみ ‥ 『聖マクダレナ・ソフィア・バラ
・マーガレット・K・マッケルデリー
・イエラ・レップマン
・甲斐仁代(かいひとよ)

最初のお二方は、画家で、グランマ・モーゼスは58歳から、
ブラッドレイは70歳から絵を描き始めたのだそうです。
(私は、丸木スマさんのことを、ちょっと思い出していました。)
クーニーの描いた、エマおばあちゃんも、おんなじですね。

『おこちゃん』は、山本容子さんの自伝的な絵本。一番好きな絵本かも、と
末盛さんはおっしゃっていました。

『海からの~』を書いたのは、あの有名なリンドバーグの奥さまだそうです。
とても読みやすい英語で、とか、英語の文章ってこんなふうに書けばいいのねと
思いながら読んでいた、と何度も末盛さんがおっしゃるので、日本語で読んだら
英語版に挑戦したいなあなどど、無謀なことを思いながら聞いていました。

タシャ・チューダーのところでは、以前にお宅に泊まったときのお話をしてくださいました。

「ジョージア・オキーフは、ねずみ女房ではないかもしれませんが‥」という一言が、
オキーフを語っていると思いました。

イエラ・レップマンについては、ことり文庫さんのブログにとてもいい文章が載っています。
ぜひそちらを読んでください。 →

マーガレット・K・マッケルデリーさんは、名編集者で、同じ年に自分が担当した二人の作家が
カルデコット賞とニューベリー賞を受けたことがあったそうです。
どうぶつたち』をアメリカで出版した方だと思います。

海と島のマイリ』という絵本の日本語版はすえもりブックスから出ています。

最後の甲斐仁代さんは画家で、死後にアトリエに2000点もの作品が
残されていたそうです。
彼女もまた「ねずみ女房」だったということでしょうか‥
吉屋信子さんと同時代の方で、その記念館に甲斐さんの作品もあると
こちらのブログに書いてありました。


自分自身の覚書として、駆け足で、思いつくままに書いてしまいました。
読んでみたい絵本や本、またたくさんできました。
読みたい本がなくならないというのは、ほんとうにしあわせです。

そして、セミナーのたびに会うことがあたりまえのようになった(笑)
よき友人たちの「毎日」こそが、すごく身近にある「女性の生き方」だなあ、なんて
思ったりしながら、ねずみ女房連作っちゃう?なんて、ニヤニヤしています。


※運よく、ランチのキャンセル待ちに当選?して、ちゃんと写真も撮りましたが、
画像と説明は、はらぺこさん琴子さんが載せてくださったので‥これで失礼いたします・笑



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17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (まつかぜ)
2009-01-17 18:32:12
rucaさん、こんばんは。
私もこの「ねずみ女房」を初めて読んで
過去のあの時、もしくはあの頃、この本と出合っていたらどんな事を考えただろう、と何度も想像しています。

>読みたい本がなくならないというのは、ほんとうにしあわせです。
ほんとうに、同感です。

あの日、奇跡的?なランチを皆で楽しんだ後、
さらにもう一つの奇跡が舞い込んできてくれました。思わせぶりですが・・・
後日、報告いたしますね・笑
返信する
Unknown (nao)
2009-01-17 19:12:42
今、琴子さんのところにもお伺いしてきました♪「思春期に読んでいたら‥結婚する前に読んでいたら‥母になる前に読んでいたら‥?」
 本はその歳、時、立場によって全く違いますよね。大学生のころ好きだったはずの作家さんの本。今読むと「あれれ??」と。あの頃の私と今の私、変わっているのかなぁって考え込んでしまいました。
返信する
この年齢で読むと (ミセス・ヤング)
2009-01-18 16:33:23
  

 我が家の夫は耳を噛みつきはしません 
 が、女は家を守るべきという信念のもと  
 に、妻たるものがすべき家事を奪ってはいけ
 ないと遠慮(?)するタイプです。  
 
 夫は私が命令調に言う事には耳をかたむけま せんが、自発的に結構時折なにかしらしてく れていますし、夫もまた 私に対して我慢し
 ているにちがいないので、別離のきっかけは
 死という日まで お互いのぬくもりを感じな
 がら生きるのだろうと思います。

 
 賢く、好奇心が旺盛で、情もあるこのねずみ
 女房、実際に遠くにはいけなかったかもしれ
 ない。しかし はとを通して知った違った世
 界や 自分の居場所は大空だというはとを逃
 がしてあげた事を心に秘めて、子供を育て上
 げ、孫ひ孫の誕生を喜び、そしてその孫やひ
 孫に尊敬されながら、人生を終りそうな こ
 のねずみ女房に私は限りないエールを送りま
 す。

 そして

 「そうか もう君はいないのか」

 と言うセリフをおすねずみに言わせずにすん
 だ ねずみ女房を 心から羨ましく思うので
 す。 
返信する
Unknown (琴子)
2009-01-19 10:32:04
rucaさん、おはようございます。
先日は、いつものコースでお楽しみをありがとうございました。
ふふふ、ねずみ女房連作、いいですね♪
☆を見つめながら、日々の暮らしを満喫したいです。

あの日求めて帰った、『海からの贈物』がまた
とても示唆に富んでいて、
今まで感じてきたことがずばり、繰り返し書かれているのです。
まだ途中ですが、とても読み応えがあります。
読みたい本は、つきませんね!(笑)

また、来月も楽しみに・・ よろしくお願いします。
返信する
まつかぜさんへ (ruca)
2009-01-19 14:44:34
こんにちは。

ほんとに木曜日は楽しかったですね~
あたりまえのように、ランチも楽しみましたが、
4人そろってって‥ありそうで、今までなかったですよね?

『ねずみ女房』

思うところオオアリの本ですね。
いかにさりげなく家の中におき、娘に読んでもらおうかと
思ったりなんかして。
きっと、薦めても、あまり読みたがらないと思うのですよ、
ああいう年ごろは。

そして、いつの日か、ああママがあの頃読んでた本だ、って
気がつくのでしょうね‥
返信する
naoさんへ (ruca)
2009-01-19 14:48:56
こんにちは。

好きな本や、作家は、いつ出会うかによってずいぶん
違ってきますよね‥

そして、読み返すたびに、やっぱり好き♪と思う場合と
どこが好きだったのだろう?となる場合も、たしかにありますね。

『ねずみ女房』

もし、まだ読んだことがなければ、お嫁入り前のnaoさんに
読んでもらいたいかも・笑
(別に深い意味はないのですが、もう自分は「嫁入り前」には戻れないのでー)

返信する
ミセス・ヤングさんへ (ruca)
2009-01-19 14:57:16
こんにちは。

先日はお会いすることができて、嬉しかったです。
でも、その後病院へ行ったというおはなし‥具合いかがでしょうか?

『ねずみ女房』のねずみのおくさんは、そうですね、しあわせですよね。
外の世界へのあこがれを押し殺して生きていったわけでは
ないのですもの。
いろんなことを知っている、すこし変わったねずみとして
子供や、孫たちから尊敬もされていたし‥

でもでも。

まだ私が青臭いせいかもしれませんが(笑)
どこへ行っていたのだ、と、おすねずみが
怒って耳を噛むところは、やっぱり許せない気持ちです。

なんで、夫だからという理由で、あんなことされなくちゃいけないの???です。

夫より先に、私の方が旅立つに違いないと、漠然と
思っているのですが、そうか君はもういないのか のひとことは
胸に染みますね。
返信する
琴子さんへ (ruca)
2009-01-19 15:05:26
こんにちは。

今回も、ほんとに楽しかったですね~

余韻にひたっているうちに、こうめさんのブログを読んで、
次に琴子さんのを、読ませていただいて‥
やっと私も、追いつくことができました。

『海からの贈り物』

私も、あそこで買っておけばよかったな。
落合恵子さん訳が、あの本とは別にあるのかと思ったら、
それはまた「別の」本なんですよね~

今読んでいるのと、積んであるのがなくなったら、
ぜひ読んでみようと思います。

「読みたい本がなくならないってしあわせ」は
たしか、ことり文庫さんのところの、琴子さんの
残したコメントでしたよね?

名言だなって思いました。
返信する
ねずみ女房 (jasumin)
2009-01-20 13:46:42
この本は、なんだかとても難しいお話でした。
今だからこそ言わんとすることが分かる気がするので
子どもの頃だったら「ふーん」だったのではないかと思ってしまいます。
ねずみの奥さんは、自分でそう決めたんだなって
だからどんな場所にいたって、ココロに星を持った女性で
いられるんだなって・・・いろいろ考えます。
やはり、末盛さんのお話も、私の頭の中に入って来て欲しいところです(笑)
あの格安ランチも、やはりおいしそうだし、
このところの代官山は、以前にも増して充実しきっきりです。
それでも、交通費さえかけずに聞かせてもらえる私も
お陰さまで嬉しいことだと思っています。
返信する
つきません (こもも)
2009-01-20 15:05:34
行きたかった回も行けずに終わり、このまま
最終回も行けそうになくて、ちょっと、がっかりのこももです。
まあ、こういう時ってあるものですね。
一人身ではないのだから。。。と、自分に言い聞かせて、みなさんのブログを読んで歩いて
行った気になっています(笑)
そして、私も、読みたい本がつきないなあと
つぶやきながら、メモをとりました。
まずは、「ねずみ女房」。読んでみますね。
返信する

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