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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

想うことを続けよう

2013-04-05 11:53:56 | 好きな本

友人が毎月の終わりに書いているエッセイ(って言っていいのかな?)を
あるサイトで読むことができて、それを教えてもらって以来、毎月とても
楽しみにしています。

最新版で、この本のことを知り、地元の図書館へ予約をいれ早速読みました。



主人公はDJアーク。スタジオからではなく、杉の木のてっぺんから
赤いヤッケを着て、逆さまになったまま、片手に携帯電話を開いた状態で
握ったまま【想像ラジオ】を放送をしています。
大きな揺れの後の大津波で、どうやら杉の木のてっぺんまで押し上げられ
ひっかかってしまったようなのです。

彼の放送する「ラジオ」をどうしたら聴くことができるのかー。
また「聴く」ことは何を意味しているのかー。
そもそもDJアークはこの世の人なのかー。

ボランティアで東北へ行った小グループが、帰り路のワゴン車の中で
そのラジオが聴こえるかどうかの話から、自分の意見や思いを
ぶちまけるのですが‥はじめは、【想像ラジオ】というものをただ「想像」して
読んでいればよかった受け身の姿勢から、彼らの話を聞いている(読んでいる)うちに、
ものごとをどうやって見つめ、どう自分自身は考えているのかという深い命題に
自分なりに取り組んでいかなければ、という気持ちに変わっていきました。


万人が平等などということは、決してありえないこの世界で、
絶対的に違う他者のことを、そもそも人は「理解」することなんてできないのだから、
「わかっているふり」をすることがすでに失礼なことである、という考え方は
正しいのだろうと思います。

実際に被害にあった人と合わなかった人。
失うものが大きかった人と失わなかった人。
その決定的な違いは埋めようもありませんし、「理解」することだってできないでしょう。

でも、それでも「想ってみる」ことは忘れたくないと思うし、ある日突然、自分が大切に
していた何かを失うことになり、それを知って一緒に泣いてくれる人がいたとしたら、
何もわからないくせにと、つっぱねない柔らかい気持ちを持つことができたら、と
切に願います。

想うこと、想ってみること。

自分の居る場所、知っているセカイの中だけで生きていくだけでは、
ほんとうに生きていることにならないのではないか、と思います。
どこまでも空は広がり続いているのだから、せめてココロの中では
想いの翼で、飛び続けよう。



※『想像ラジオ』の中で、DJアークが紹介してくれた曲‥
 知らないのもあったので、調べてみました。でも、その時自分が思い浮かべた曲を
 聴いてくださいね、とDJアークも言っているので、余計なお世話になってしまうかもと
 思い迷いましたが、自分が忘れないために、こっちのブログに動画載せました。


コメント (2)
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