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「プリンセスチュチュ」ファンページ

「タイス」補足

2014-03-15 01:15:44 | その他
あんまり「チュチュ・ファン向け」情報っていうんじゃないですが...

「ららら♪クラシック」番組内で使われてたオペラ「タイス」の映像は、主役二人にいずれもアメリカを代表する名歌手を配した、メトロポリタン歌劇場の公演録画(2008年)でしたね。
このプロダクションはわりとオペラ台本に沿った演出で(ところどころ歌詞と合ってないところもあったりしますが...^^;)、変に奇をてらってないので、普段あまりオペラを御覧にならない方にもオススメ♪
タイスの衣装はクリスチャン・ラクロワ(しかも何着も...)、メトロポリタンお約束の派手なパフォーマンス有り(札束バラ撒きとか)、二人一役での歌付きベリー・ダンス有りと、エンターテインメントとしても見応えあります(^^)

世間を惑わす美女タイスは、長年に亘って世界中で高い人気を誇る美貌のソプラノ、ルネ・フレミング。
彼女の声は、あんまり人間的(情感的?)でないというか、『楽器のような声』だと私は思ってるんですが、こういう、神秘的な、人間を超越した存在の役には合ってる気がしますね。
トマス・ハンプソンのアタナエルは対照的に、叙情豊かな歌唱で、特に後半、タイスへの欲望に苦しむところの辺りからが見どころv
この二人の声質の違いが、最終場(有名な間奏曲のメロディーと歌とが絡み合って、臨終のタイスと、駆けつけたアタナエルとの見事にすれ違う想い(笑)が描き出されるシーン)で効いてくるんですが、これまた鳥肌モノ (゜0゜*)
あと、私はニシアス(アタナエルの旧友で現・タイスのパトロン)役のミヒャエル・シャーデが好きなんですが、彼の澄んだ明るい声のおかげで、損な役回りでありながら嫌味のない、爽やかなニシアスになってます。

あと、『原作』と言ってるのはオペラ台本の原作であって、タイス自身はローマ帝国時代のアレキサンドリア(注:エジプトです)に実在した(と信じられている)カトリックの聖人です。
その聖タイスの伝説を基に、彼女の入信の過程を、妄想満載(笑)のドラマチックな物語に仕立て上げたのがアナトール・フランスの小説。
聖タイスはマグダラのマリアとキャラが被ってるところが有って(娼婦だったけど導きによって信仰の道に入った)、絵画なんかでも、聖タイスを描いたのかマグダラのマリアを描いたのか曖昧なものがあったりしますね。



さて、今週末のNHK「プレミアムシアター」はボリショイ劇場特集。
去年上演されたオペラ「イーゴリ公」と、ボリショイ・バレエの「パリの炎」(2010年)の再放送。
バレエ・ファンの方も「イーゴリ公」の「だったん人(ポロヴェツ人)の踊り」(←底無し胃袋みゅうとのテーマ 笑)は是非チェックなさってみて下さい。
「パリの炎」については、オシポワ&ワシーリエフはもちろんスゴいんですが、私は侯爵令嬢アデリーヌを演じたニーナ・カプツォーワの品の有る踊りに唸らされました。
彼女のお姫様は、実にお姫様らしいお姫様ですよね。
コメント
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