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「プリンセスチュチュ」ファンページ

Fruehlingslied

2011-02-11 23:19:16 | 二次小咄
数々の御都合設定には、どうぞお目こぼし下さいませ(笑)↓

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あおとあに感謝する日がこようとは夢にも思わなかった。

「おかえりー、ふぁきあ、雪降ってきちゃったね、寒かったでしょ?ほら、上着脱いで、早くこっちおいでよ。そういえばさっきカロンさんが来てね...」
「あひる...」
「うん?ちょっと待ってて、今、お茶淹れるお湯を沸かすから」
「後でいい。それよりこれ」
「なに?わぁ!バラの花束!!ありがとう、ふぁきあ!!」
「実は偶然、花屋の前を...」
「何言ってるの、バレンタインデーのプレゼントでしょ。ぴけとりりえから聞いたから知ってるよ。そういえばふぁきあ、去年も同じこと言って、バラを買ってきてくれたよね、あたし鳥だったけど。あれ?ってことはふぁきあ、あたしが鳥の頃から...」
「別に深い意味はねーよ。くだらねー事考えるな、バーカ(くそ、あいつら余計なことしやがって...)」
「えへへー。実はかなり期待してたんだ。だって、人間になって初めてのバレンタインデーだし、ふぁきあって意外と細かい事にこだわるトコあるから。あ、別に意外じゃないか...」

その通り。ただし今日はそのこだわりが災いして練習が長引いてしまい、完全に出遅れて、花屋に行った時にはバラは売り切れていた。他の花で誤魔化せるだろうかと悩んでいた時、どこからともなく現れたあおとあに―本当にこいつは、図書の者かと思うくらい、どこにでもいる―バラの花束を押し付けられた。

「何だ、これは?」
「君の行動パターンなぞ見切っているよ、ふぁきあ君。あひる君に渡したまえ。これで貸し一つだ」

何か腑に落ちないものは感じたが、背に腹は替えられなかった。

「うーん、そう思って嗅ぐと、ロマンチックな匂い...ふぁきあがあたしのこと好き、ってちゃんと分かってるけど、やっぱりこういうのって嬉しいな。あたしも大好き、ふぁきあv」
「お、おい、俺は別にそういうつもりじゃ...」
「いいの、いいの、分かってるって。それもぴけとりりえから聞いたんだ。ちゃんとお礼しなきゃいけないんだよね」
「お、おおお礼?」
「いーから、もう黙って」

奴らが完全に余計なことをしてくれたのは確かだったが、せっかくの『お礼』を断る理由は無かった。