『チュチュ』にはオペラの曲も使われてるんですが、やっぱりバレエに比べると影が薄いですね(話に噛んでないから)。
でも、豊かなオペラ音楽の世界(正直、チャイコフスキー以前のバレエ音楽は不毛地帯 笑)も是非お楽しみいただきたい!ということで、NHK BSハイビジョンのオペラ放送の御案内。
ひとつは恒例「華麗なるメトロポリタン・オペラ」シリーズ(2/1~5、各日23:00-)。
チュチュファンの方への一番のオススメは、やはり「サロメ」でしょうか。
2010/2/1(月) 23:00-00:54 NHK BSハイビジョン 「サロメ」( リヒャルト・シュトラウス )
サロメ (ヘロディアスの娘):カリタ・マッティラ
ヨカナーン (預言者):ユーハ・ウーシタロ
ヘロデ (ユダヤの領主):キム・ベグリー
ヘロディアス (領主の妻):イルディコ・コムロージ
ナラボート (若いシリア人、護衛隊長):ジョゼフ・カイザー
[2008年10月11日, メトロポリタン歌劇場]
ヒロインが『踊る』ことによって望むものを手に入れる(そして一人の男の運命を変えてしまう)ってところで『チュチュ』と共通点があるかな...
このオペラの山場の一つが、その、サロメ(ドイツ語読みではザーロメまたはザーロミという発音)が踊る「七つのベールの踊り」なんですが、オペラなのに歌は無く、オーケストラのみ。主役のソプラノ歌手は、歌わず、踊ります。演出にもよりますが、たいていかなり本格的に踊ります。そして、これも演出によりますが、本当に一枚ずつ脱ぎます。カリタ・マッティラがどこまで脱ぐかは見てのお楽しみ、ってことで(笑)
彼女はいわゆるワーグナー歌手の一人で、芯の有る、力強い声質の人ですね。演技力もなかなか素晴らしいです。(見かけによらず 笑)
そしてこのハードな踊りの後、たぶんまだ息切れしてるんじゃないかと思われるうちに、幕切れ前の超長いソロのアリア(狂乱の場)が!
めっちゃしんどい役です(笑)
あ、念のため、歌詞はドイツ語です。
ワイルドの戯曲(のドイツ語訳)にかなり忠実なオペラ台本になってますので、原作を読まれた方なら字幕が無くても何を言ってるかはだいたいお分かりになるかと思います。
サロメが繰り返し言う"Ich will deinen Mund kuessen, / Laβ mich deinen Mund kuessen, Jochanaan!"(私はおまえの口にキスしたい / お前の口にキスさせて、ヨカナーン)とか、ヨカナーンの捨てゼリフ"Du bist verflucht, Salome!"(おまえは呪われている、サロメ!)は特に耳に残りますね。
今回の演出はわりと最近のもので、オーソドックスな、古代ユダヤの世界を神秘的・象徴的に表現した演出とはちょっと違うかなって感じですが、禍々しい月の下で展開する血なまぐさいお話の、エロティックで、ある種倒錯的な雰囲気と、見事なまでに完璧に相互理解というものが欠如した物語の異様さは感じられるんじゃないでしょうか。
あと、全くの余談ですが、「サロメ」録音のマイ・ベストはJ. シノーポリ指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ(CD)。
サロメをシェリル・ステューダー、ヨカナーン(ドイツ語読みではヨハナーン)を御存知ブリン・ターフェルが歌ってます。
キリスト教の最重要聖人の1人らしい威厳の中にも、神への忠誠を守ろうと苦悩する一人の生身の男を感じさせるヨカナーンですよv
でも、豊かなオペラ音楽の世界(正直、チャイコフスキー以前のバレエ音楽は不毛地帯 笑)も是非お楽しみいただきたい!ということで、NHK BSハイビジョンのオペラ放送の御案内。
ひとつは恒例「華麗なるメトロポリタン・オペラ」シリーズ(2/1~5、各日23:00-)。
チュチュファンの方への一番のオススメは、やはり「サロメ」でしょうか。
2010/2/1(月) 23:00-00:54 NHK BSハイビジョン 「サロメ」( リヒャルト・シュトラウス )
サロメ (ヘロディアスの娘):カリタ・マッティラ
ヨカナーン (預言者):ユーハ・ウーシタロ
ヘロデ (ユダヤの領主):キム・ベグリー
ヘロディアス (領主の妻):イルディコ・コムロージ
ナラボート (若いシリア人、護衛隊長):ジョゼフ・カイザー
[2008年10月11日, メトロポリタン歌劇場]
ヒロインが『踊る』ことによって望むものを手に入れる(そして一人の男の運命を変えてしまう)ってところで『チュチュ』と共通点があるかな...
このオペラの山場の一つが、その、サロメ(ドイツ語読みではザーロメまたはザーロミという発音)が踊る「七つのベールの踊り」なんですが、オペラなのに歌は無く、オーケストラのみ。主役のソプラノ歌手は、歌わず、踊ります。演出にもよりますが、たいていかなり本格的に踊ります。そして、これも演出によりますが、本当に一枚ずつ脱ぎます。カリタ・マッティラがどこまで脱ぐかは見てのお楽しみ、ってことで(笑)
彼女はいわゆるワーグナー歌手の一人で、芯の有る、力強い声質の人ですね。演技力もなかなか素晴らしいです。(見かけによらず 笑)
そしてこのハードな踊りの後、たぶんまだ息切れしてるんじゃないかと思われるうちに、幕切れ前の超長いソロのアリア(狂乱の場)が!
めっちゃしんどい役です(笑)
あ、念のため、歌詞はドイツ語です。
ワイルドの戯曲(のドイツ語訳)にかなり忠実なオペラ台本になってますので、原作を読まれた方なら字幕が無くても何を言ってるかはだいたいお分かりになるかと思います。
サロメが繰り返し言う"Ich will deinen Mund kuessen, / Laβ mich deinen Mund kuessen, Jochanaan!"(私はおまえの口にキスしたい / お前の口にキスさせて、ヨカナーン)とか、ヨカナーンの捨てゼリフ"Du bist verflucht, Salome!"(おまえは呪われている、サロメ!)は特に耳に残りますね。
今回の演出はわりと最近のもので、オーソドックスな、古代ユダヤの世界を神秘的・象徴的に表現した演出とはちょっと違うかなって感じですが、禍々しい月の下で展開する血なまぐさいお話の、エロティックで、ある種倒錯的な雰囲気と、見事なまでに完璧に相互理解というものが欠如した物語の異様さは感じられるんじゃないでしょうか。
あと、全くの余談ですが、「サロメ」録音のマイ・ベストはJ. シノーポリ指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ(CD)。
サロメをシェリル・ステューダー、ヨカナーン(ドイツ語読みではヨハナーン)を御存知ブリン・ターフェルが歌ってます。
キリスト教の最重要聖人の1人らしい威厳の中にも、神への忠誠を守ろうと苦悩する一人の生身の男を感じさせるヨカナーンですよv