中小企業診断士 地域活性化伝道師のブログ

地域活性化を目指すプロフェッショナル人材をリンクさせイノベーションを目指す中小企業診断士、地域活性化伝道師です。 

給与の削減ではなく労働時間の削減でしのぐ!

2015年05月19日 05時27分37秒 | 中小企業白書(2015年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2015年版)59ページ「同一企業規模間における売上高経常利益率の比較」をみましたが、今日は61ページ「利益配分及び費用調整の考え方」をみていきます。

下図から、中小企業における高収益企業と低収益企業の両者における利益配分及び費用調整の考え方に関する違いをみると、まず、利益配分の考え方については、高収益企業、低収益企業ともに「従業員への還元」、「内部留保」、「設備投資」、「有利子負債の削減」を重視している ことが分かります。

次に高収益企業と低収益企業との間で差が顕著に出ているのは、「株主への還元」、「新商品・新技術のための研究開発」、「雇用の維持・拡大」であり、回答数は多くないが高収益企業の方が低収益企業よりも回答割合が高くなっています。

また、費用調整の考え方については、高収益企業、低収益企業ともに「役員賞与・給与の削減」、「原材料費の調整」を重視しているが、高収益企業と低収益企業との間で差が顕著に出ているのは、「従業員の労働時間の削減」と「従業員賞与・給与の削減」となっています。

高収益企業では「従業員の労働時間の削減」を重視する企業の割合が低収益企業よりも顕著に高いのに対し、低収益企業では「従業員賞与・給与の削減」を重視する企業の割合が高収益企業よりも顕著に高い。

この結果、高収益企業では労働時間の調整を通じて従業員の残業代を調整することで人件費を調整できるが、低収益企業にはその余地がない場合が多いことを表しているといえる。

ビジネスが軌道に乗り、「株主への還元」、「新商品・新技術のための研究開発」、「雇用の維持・拡大」ができるようになれば、調子が悪くなっても、「従業員賞与・給与の削減」ではなく、「従業員の労働時間の削減」で対応できるということですね。

問題は収益をいかに高めていくかですが、その課題については明日、みていきます!

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