今月は、春の和の食卓。
春は、「萌木の卵」と言って、料理の暦の中では、卵が旬の季節。
旬の卵料理を味わってもらうための、コーディネートです。
基本的なこととして、和のコーディネートの時は、「直角・直線」を意識すると、具合がいいです。
なぜなら、日本のインテリアは、畳、障子などは、直角、直線なので、テーブルの上でも、これを意識されると、和のコーディネートは整いやすいと思います。
今回折敷は、白木のものを。この折敷は、新しく取り入れたアイテムなのですが、和・洋・中、どんなジャンルの食器にも馴染みやすい、使い勝手のよい折敷です。この折敷を美しく見せるために、クロスは濃紺のちりめん素材を選びました。
写真では見えにくいのですが、お箸置きは、象牙の空豆と筍をかたどったものを。
取り皿として、左の丸いお皿は、現代の作家もの、右の緑の四角いものは、少し古いものを。
ナプキンは、黄色に蝶々の文様の和手ぬぐいを。
テーブルのお花は、こんな感じ。
卵料理を味わうテーブルなので、お花を「鳥の素」に見立てて、イミテーションの卵を飾っています。
お花に関して言えば、和のテーブルだからと、必ずしも和花を選ぶ必要はありません。
逆に、洋っぽいアレンジを置くと、和モダンなイメージになります。
どう見せたいか?を考えて、そして、家庭での食卓なので、無理のないように、アレンジするとよいかと思います。
先日伺ったお料理屋さんで、改めて和食の文化の話を聞く機会に恵まれ、もう一度、和の食文化について勉強中です。
初めてテーブルコーディネートの講義を拝聴した時に、西洋の食文化の根底には、ギリシャ神話と聖書が、和の食文化の根底には陰陽五行説があると教わり、それなりに文献を読んだものの、使わないとすっかり抜けきってしまっています。
陰陽五行説は、味付けにも、盛り付けにも、器選びにも、すべてに関わってくるんですよね…。
難しいことは抜きにしても、簡単なルールを片隅においておくことは、お役に立つと思うので、上手に伝えられるようにしなくては。
まだまだ、春の食材を楽しめる季節です。どうぞ、春の食卓をお楽しみくださいませ。