もろもろの調子が整わず、1週間遅れでのご報告ですが、ただいま六本木のSAVOIR VIVRE にて、画家かとうゆめこさんの展覧会が開催されています。
震災の年から続いている「羽図」です。
ゆめこさんに言われて気づいたのですが、なんと私、「羽図」皆勤賞なのだとか。
はじめてのSAVOIR VIVRE 、国立、熊本、そして再びSAVOIR VIVRE …。
偶然、4回拝見できて、本当によかった。
どの展覧会もそうかもしれないけれど、拝見するときの自分自身の心持で、捉え方がすごく変わってくるのだと思う。
1回目は、震災当日、自分自身も東京にいて経験したことや、親友が東北に住んでいることから、ただただ胸が締め付けられて、涙が止まらなかった。
2回目は、緊張感と、ちょっと気持ちが緩んだようなところがあって、自分の置かれている状況とオーバーラップさせながら拝見しました。
3回目は、ちょうど1年前。熊本という、馴染みのある場所で、震災から遠く離れた場所で拝見すると、ずいぶんと穏やかな気持ちで、じっくりと拝見しました。
今年は、まるで旧友に再会するような心持ちでした。懐かしい作品の行方が気になったり、「元気だった?」というような気持ちになったり、新しい作品には、いつも新しいモノに出会ったときのように、ワクワク、ドキドキしたり…。とても、心地よい時間でした。
毎回ですが、ゆめこさんの作品には、自然と肩の力が抜けるような、緊張感をほどいてくれるような、ものを感じます。
新しい作品で、心にひっかかったのは、椿の1枚と、屋久島の神様の1枚。
屋久島の神様を描いたものは、樹木医さんとのお話を元に描かれたのだそう。
その樹木医さんは、人間のせいで傷ついた場合のみ、治療を施すのだとか。
雷は、天災なので、雷で枝が折れたりした場合は、そのままにするのだとか。
人間は、自然の中で、生かされてるんだな、としみじみ感じる。
ちょうど読んでいた辰巳芳子先生の「仕込みもの」の帯にも、「人は、自然から離れると、予想以上のものを失います。それは、人間が自然そのものであるからでしょう。もの=自然は、無言で人間を評価してくれます。」とあり、自然と人間の関係について読んでいたから、ひっかかった1枚だったのかも。
そんな私の感想は、どうでもよく、とにかく素敵な展覧会です。
お知らせが遅くなったため、会期があと少しですが、3月23日(日)まで、開催されているよう。
お近くを通られることがあれば、ぜひお立ち寄りくださいませ。
かとうゆめこ展