今月のテーマは、悩んだ末に、お雛祭り。
ベタなテーマなので、どうしよう?と悩んだのだけれど、やはり伝統行事は、しっかりと見つめなおしておきたいので、選びました。
今月のお料理が、中華なので、「シノワなお雛祭り」です。
お雛祭りは、3月3日の女の子の成長を願う5節句の一つで、「上巳の節句」「桃の節句」とも呼ばれています。
日本では、奈良、平安時代の頃には、貴族階級に取り入れられていた行事で、江戸時代には、一般庶民に広まりました。
桃の花が用いられるようになったのは、中国の周の時代、詩経の中に、王様がお嫁さんを探す歌があり、その中で「桃の花のような女性」と謳われていたので、このような古典に親しんでいた平安貴族にとって、女性の節句の花は、梅でも桜でもなく、桃だったと言われています。
さて、今回のコーディネート。
クロスは、トップの錆青磁色を引き立てるため、アンダークロスは白にして、ダブルクロスとして使っています。
ディナー皿は、唐草文様のものを。唐草文様の食器は、和食器のイメージが強く、和食のコーディネートしか使えないのでは?と思っていらっしゃる方も多くいるかと思いますが、もともと唐草文様は、大陸から伝わってきた文様です。なので、シノワなコーディネートの時に使うのは、大陸文化を感じさせるので、十分アリだと思うし、そう堅苦しく考えずに、洋食に使ったりするのもオシャレです。
ナプキンは、桃色を選び、竹のナプキンリングでまとめました。
同じく青磁模様のレンゲには、紫檀のお箸を。
菱餅を彷彿とさせる、ひし形の白磁の器には、蒸篭で蒸しあがった桃饅頭を乗せて。
なぜ桃饅頭かというと、桃の節句だからということと、中国では、桃のカタチのお菓子を食べると、不老長寿がかなうと言われていた縁起物だから選びました。
テーブルに、桃色が多いので、お花は白い桃と、春のぜんまいを足元にさしてみました。
正統派で、きちんと和食でお雛祭りを楽しむのもよいけれど、ちょっと外して、エッセンスだけを取り入れて、お雛祭り気分を味わうのも、楽しみ方の一つです。
取り入れやすい方法で、季節の行事を楽しむのが、肩の力を抜いた楽しみ方のような気がします。
ぜひ、お試しくださいませ。