飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

和蝋燭(わろうそく)作りを体験

2009-02-12 23:16:20 | できごと
 昨夜は久しぶりに雪が降り、朝には3cmくらいですが積雪がありました。でも昼は天気がよくなったので、ほとんど溶けてしまいました。暖かい空気が流れ込んだせいか、霧も出ていました。

 さて、今日は半日仕事をやすんで、白川村にあるトヨタ白川郷自然学校で和蝋燭作り体験に参加しました。体験といってもイベントではなく、3月のエコツアーに向けたスタッフの勉強会にご一緒させていただいた次第です。ロウソクはお仏壇で使うのと、山用非常用品に使うくらいで、ふだんあまり使うことはありません。特に和蝋燭は、お目にかかることもなかなかありません。でも、飛騨のちょっと古い家に行くと(他の地域の状況はあまり知りませんが…)仏壇には白いロウソクではなく和蝋燭が置いてあります。和蝋燭を使う文化が、ずーっと残っているのでしょう。

 講師は滋賀県からお越しの大西さん夫妻、気さくな感じでわかりやすく説明していただきました。

 和蝋燭は漆(ウルシ)や櫨(ハゼ)の実などから蝋(ロウ)成分を取り出し、灯芯草(とうしんそう)の異名を持つイグサの髄を芯として作った蝋燭です。近年は真っ白いパラフィンの安い洋ロウソクに押され、また作り手(蝋燭の作り手だけでなく、蝋採取や芯の作り手も)が減少しているとのこと。それでも、100%自然素材から手作りされること、また自然の素材を巧みに利用する文化の伝承という点が見直されつつあるようです。

 作り方の概要は、イグサの芯を串にさし、溶かした蝋を塗り、手でこするというもの。


 芯は、和紙の筒にイグサの髄をらせん状に巻いて最後に真綿でくるんだもので、イグサの茎を束ねて使うと思い込んでいた私には、えー!!という感じでした。これに蝋をかけていきますが、何度も蝋をかけることで、だんだん太い蝋燭になっていきます。バームクーヘンのように年輪状に太くなっていくのです。
 はじめは作り方を見せていただき、次いで体験です。櫨蝋は融点が40度くらいと低いので、溶けた蝋を触っても熱くはありません。芯に蝋をつけ手でこすると、蝋の厚みにムラがでたり、気泡ができたりなかなかうまくいきません。まぁ、最初からうまくいくようなら職人さんはいりませんが・・・。
 蝋の厚みにムラがあったりするとヒビ割れの原因になるとのこと。そして・・・ヒビ割れました。orz

 一応完成したのですが、商品(写真左)は最後に仕上げの白っぽい色の蝋をかけるとのことで、当然ながらぜんぜん見た目が違います。


 2時間程度で体験は終了しましたが、大西さんのお話が面白く、また目新しいことが多かったので充実した時間をすごすことができました。今まで手を合わせていた仏壇の蝋燭がこうやって作られるということがわかり、楽しかったです。また、これほど完全に自然素材で手作りの伝統工芸というのも興味深かったです。

 エコツアーは3月で、そのときにはウルシかハゼのみから蝋を絞る実験もするとのこと。私も蝋や油を植物からとる方法にとても興味ありますが。自然派体験の和蝋燭作りに興味がわいた方は、自然学校のサイトにぜひアクセスをしてみてください。

雪山レスキュー講習会に参加しました。(その2)

2009-02-02 21:49:00 | 山岳会
 今日は、仕事の関係で地元のケーブルテレビの収録があり、珍しくスーツで出勤しました。収録では緊張して何度もとちったのですが、なぜか一発OK。ちょっとできばえに不安が残りますが、良かったのでしょうか・・・。

 さて、前回に続き、1月24・25日の土日に参加した雪山レスキュー講習の様子を記したいと思います(主催:岐阜県山岳連盟 会場:乗鞍青少年交流の家)。 
 今回の講習のメインイベント(?)というと、やはりビーコン研修でしょう。雪崩に見舞われて人が埋もれた場合、一刻も早く掘り出して救命措置をとらなくてはなりませんが、早く掘り出すために、近年ではビーコンを用いる方法が主流になっているようです。「ビーコン(別名アバランチトランシーバー、アバランチは雪崩の意)」とは、小型の電波受発信機のことです。雪崩のおそれのありそうな冬山に入るときは身につけて、電波を発信状態にしておきます。万が一仲間が雪崩にあって埋まった場合は、電波受信モードに切り替えると、仲間のビーコンから発信される電波の方角、距離がわかるので、すばやく仲間を救出できるというものです。ただ、価格が高く(4~5万円が主流)、雪崩にはあわないだろうという楽観的見方(雪崩にあいたくないという思いの裏返し?)もあり、なかなか普及していないようです。かくいう私も、購入に踏み切れないでいます・・・。ただ、使い方を知っておくことで、何かのときは役に立つはずです。
  
 講習では、初めはわかりやすいところに埋めたビーコンを探すことからはじめ、だんだん実践的な状況を体験しました。電波の特性や機種の特徴もあり、学ぶことが多くありました。まだ冬山に入る予定はないものの、雪崩の可能性のある山域に入るときはぜひ携行したいと思いました。

 また、併せてプローブ研修もありました。これは、細長い金属棒で、雪崩のあった場所で雪面に刺して、埋もれた人などを探し当てるための道具です。ビーコンでおおまかに場所を特定した後、プローブでピンポイントで位置を決めたりして使います。また、ビーコンを持っていない遭難者を捜索する場合は、大勢で一列に並んで、30cm間隔くらいで刺しながらしらみつぶしにして探し当てるのにも使います。並んでの捜索では、隣の人との間隔が空き過ぎたりすると、プローブが遭難者(に見立てたザック)に当たらないなど、こちらも難しかったです。


 最後には、参加者を2班に分け、広い雪面で雪崩にあったパーティを救出するという想定での実践研修がありました。メンバーが役割分担(ビーコンで探す人、プローブで位置を決める人、掘り出す人、掘り出した後に遭難者の面倒を見る人、次に雪崩が来ないか見張りをする人など)ひとをして、効率よく捜索に当たることの大切さを学びました。

 このほかには、雪山で風雪から身を守る方法として、簡易かまくら作りも体験しました。普通かまくらは雪をたくさん集めて山にして、後で入る部分を掘りますが、今回学んだスノーマウント(スノーマント?)では、まずザックなどかさばる物を集めてシートを掛け、そこに雪を集めて山にします。そして山ができたら風下側から穴を掘り、ザックなどを取り出すと出来上がり!というものです。雪を集める手間も掘る手間も省略できてすぐ作ることができました。スノーマウントの中は、風もなく、外と比べるとずいぶん暖かく感じました。冬の野外体験でも応用できる方法かもしれません。


 2日間の研修はあっという間に終わりましたが、たくさんのことを学ぶことができました。また、多くの同好の士とお話しすることができました。これで参加了5千円は安い!と思いました。雪崩にはあいたくない!けど、雪崩にあったときは素早く適切な対処ができるよう、反復練習をしていきたいと思いました。
 そのうち、雪の飛騨山脈の写真を、ブログでご紹介する日がくるかも!?あまり期待しないでお待ちくださいませ。