オイルドレンボルトが締め付けられるアルミニウム側のネジ山。
今回の対象はボルトサイズがM10とやや細めな上にネジの深さも浅くて、
チカラをかけすぎてしまうとネジ山をなめてしまいやすいところです。
いっぽう弛めようとする時あるいは締め込んでいる途中で折れてしまったボルトを抜き取るほうの作業もありまして、
そんなネジ山のトラブルで持ち込まれるものは時々あります。
バイク屋なんだからこのくらいはできるだろうと思われがちですが、
実際そうでもありません (^_^;)
なにを固定しているのか、場所、奥行き、などなど
考えて考えて、リコイル加工の下穴の第一歩を切り始めます。
だってこれが一番手軽な修復方法ですけど、ゴッソリ交換以外に僕にできる最後の手段でもありますからね。
本件は幸いにも奥に2山ほど健康なネジ山が残っていましたので
それをガイドに「ど直角」の下穴を開けることができたので助かりました。
理屈ではステンレス製のパケット(コイル状のネジ山)が正しく挿入されれば
もとの状態よりも強いトルクに耐えるはずですが、
これから何度も脱着するドレンボルトの弛める瞬間と締め付けた時の手応えには(数値ではなくて)
集中する必要があると思います。
何も知らされずに弱ったネジを回すことになるのは仕事柄いたし方ないのですが、
すでに破綻しているネジの修復は僕のように独学(累計手痛い授業料アリ…)でやっているものにとって
毎回ドキドキな作業ですね。今だに。。。
作業の養生のため分割したので、
関連のガスケットとオイルシールも交換。
測定、加工、洗浄、組立。。。完了
メンテナンスが楽(チェーンドライブより)なんて言われる(思われてる)シャフトドライブですが、
事が起きると簡単とはいきませんね。