"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

厳しい寒中も、春の兆しがチラホラ

2014年01月23日 19時18分49秒 | まち歩き

 旧十二月二十三日。日曜日(1月19日)に二十四節気の【大寒】に入りました。

  冷ゆることの至りて甚だしきときなればなり。
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

  東京では、1月10日から20日までの11日間、連続で最高気温が10℃未満の寒中らしい陽気が続いて来ました。14_01_23kanbaiそれもどうやら一段落。これからは、少しずつ寒気の出し入れがあって、厚手のコートがいらないような日もあるようです。日差しも少し強さを感じるようになり、まだ寒中後半ですが、春匂いがしてきました。
 写真は、隅田川土手
。とても日当りの良い場所に咲く寒梅です。あまり花つきは良くないのですが、放つ香りは春そのものこのような暖色系の花を目にすると、気分も軽やかになります。


師走の始まりは紅葉に彩られ

2013年12月01日 23時44分54秒 | まち歩き

 旧十月二十九日。師走の始まりです。一気に慌ただしさが増してきます。二十四節気では【小雪】に入って(11月22日)9日。6日には【大雪】に入ります。今年は冬の訪れも早いようで、日本海側は愚図つき、太平洋側はカラカラの天気が続くようです。寒い冬の予感がします。

 このところ、朝晩が冷え込み、日中との寒暖差が激しいので、都会でも紅葉が綺麗です。写真の紅葉は【小雪】に入った日。調布の深大寺をフラリと訪れた際のものです。この時はまだ少し早いかな、と思いましたが、今は丁度いいか、ちょっと過ぎた頃でしょう。
1201jindaiji  深大寺の森のほとんどは、都立神代植物園の
敷地となっています。バラ園や大温室などがある有料ゾーンに加えて、深大寺の南には水生植物園。北側には「植物多様性センター」が新たに整備され、ここは無料で入場することができます。お寺周辺の賑わいが嘘のように、静かなこれらの空間はお薦めの散策コースです。訪れる機会がありましたら、ぜひ行ってみて下さい。

 初冬の味覚の話をひとつ。拙宅でこの頃に欠かせないのが【芋の子汁】。山形や宮城などで、野外で繰り広げられる「芋煮会」と同類の、里芋をメインにした汁物です。 岩手県北上市特産の里芋【二子芋】が送られてきたので、今年も早速作り、味わうことにしました。
1201imonokojiru 二子芋は、東北の大河、北上川がクランク状に流れることで、砂が堆積した土壌の二子地区で栽培されています。特に「赤ガラ」と呼ばれる赤茶色の茎の芋がねっとりとしていて美味しいです。芋の子汁に決まりは無く、材料は牛肉、鶏肉、豚肉など、家の数だけレシピがあると言っていいでしょう。馳走なのは「ガニ」と呼ばれるモクズガニの出汁で作る芋の子汁。これは食べたことがないのですが、絶品だそうです。いつかトライしてみたいです。
 で、ここでは、二子町にある妻の実家のレシピです。粘りのある美味しい里芋が手に入った時に、ぜひお試しください。

<二子芋の子
分量は適当で。
~材料~二子芋・豚こま・人参・ごぼう・舞茸・しらたき・絹ごし豆腐・ねぎ・だし昆布・調味料(料理酒・みりん・薄口醤油)
~作り方~
(1)二子芋は包丁を直角に当て皮を削ぐように剥き大きいものは半分に切り、小さい芋はそのまま。豚肉は一口大。人参は薄切り半月切り。ごぼうは薄めの乱切り。舞茸は細かくなりすぎない程度に分ける。しらたきは下ゆでして粗く切る。ねぎは斜め薄切り。
(2)昆布で出汁をとる。昆布は細切りにして汁に加えてもいい。
(3)豚肉を油で炒める。料理酒・薄口醤油少々を加え馴染ませる。
(4)出汁に炒めた豚肉・人参・ごぼう・しらたき・舞茸を入れて煮る。沸騰したら、料理酒・みりんを加える。
(5)5分ほど煮たら、薄口醤油と二子芋を入れる。
(6)芋が柔らかくなったら、豆腐を大さじですくって入れる。ねぎも投入。
(7)10分ほど煮たら、一旦火を止めて冷ます。
(8)食べる前に温め直し味見して整える。薬味には一味唐辛子を。
~ポイント~
・里芋の剥き方。
・肉は炒めて軽く下味をつけてから。
・里芋は醤油を入れてから。最初に入れると粘りが抜けてしまう。


ようこそ地上へ! 力一杯賑やかしてちょうだい

2013年07月23日 23時16分56秒 | まち歩き

 旧六月十六日。今日の早朝に満月となりました。そして今日からは二十四節気の【大暑】です

  暑気いたりつまりたるゆえなればなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 と東京では7月6日に梅雨が明け、もう随分と長いこと「暑気」に包まれているように実感しますが、少しずつ陽射しが傾き、眩しさを増すこの頃からが、確かに最も暑い頃と言えるでしょう。くれぐれも熱中症には気をつけて、元気に夏を乗り切りましょう。
 夏の日曜日。夕方から出掛け代々木公園へ。広場では熱狂的な『ブラジルフェスティヴァル2013』が盛大に開催され、炭火で肉やソーセージを焼く芳香を漂わせています。
0723semi  そのお隣にある陸上競技場「織田フィールド」が今日の目的地。ランナー仲間が出場する5000mの記録会が開催される。この日はエントリーせず(なぜなら前夜の居酒屋寄席打ち上げ具合が読めないから)、応援と見学、それにちゃっかり7~8レーンでトラック走を楽しもうという算段でした。
 夜風が気持ちよくなる頃、15分~17分疾走する最終の熱い走りを見届け。余韻に浸りながら仲間と談笑していたときのこと。鞄に何か付いているのを発見。よく見ると蝉の抜け殻?でも、さっきまではなかったはず。さらに接近すると動いている。地面の下で6年間?過ごしてきたニイニイゼミの幼虫でした。ここではカラスの餌食になってしまうので、そっと植え込みの枝へ移動させました。これから羽化して、明日の夜明けまでにゆっくり時間を掛けて羽を慣らし「ジ~~~~~ッ」と賑やかしてくれることでしょう。年々数が減っているように感じているニイニイゼミくん(卵管が無かったからたぶん男の子?)。一夏を賑やかしてちょうだい。


宣言されても梅雨はまだ来ず、芒種です

2013年06月05日 10時41分24秒 | まち歩き

 旧四月二十七日。二十四節気の【芒種(ぼうしゅ)】に入りました。た。

(のぎ)ある穀物、稼種する時なればなり。
     『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

  「芒」とは、稲や麦など、イネ科の植物の実の先端にある針状の突起のことを言います。例年だと梅雨入り間近となるこの頃に、麦の収穫、あるいは田植のピークを迎えます。
 関東甲信では、5月29日水曜日の11時に「梅雨入りした」と気象庁が発表しました。
それから一週間が経ちましたが、数日ちょっと愚図ついただけで、初夏らしい爽やかな晴天の日が続いています。0605syoubu_2早くも「空梅雨?」「水不足?」という声が聞こえてきますが、本格的な梅雨のシーズンはまだまだこれからでしょう。
 気象庁に
よる、昭和26年(1951年)以降の梅雨入りのデータを見ると、関東甲信は、平年が6月8日ごろとされています。実際に63年分のデータから、梅雨入り6月7日ごろから9日ごろと三日間の巾を持たせて見ても、意外と少なく18回しかありません。五日間の巾でも27回ですから、いかに梅雨入りの日はばらつきがあるか、ということなのでしょう。
 今年はすでに「梅雨入り宣言」されていますが、平年の8日過ぎてからが本格的な梅雨
空になるのでしょう。

 梅雨と言えば、「五月雨」「五月晴れ」。今年の旧暦五月朔
は奇遇にも6月8日です。五月雨を浴びて菖蒲の花がより鮮やかに、葉がより色濃くなるのは、旧端午の節句の頃(今年は6月13日木曜日)になるのでは、という気がします。(写真は、旧浜離宮恩賜庭園の菖蒲。まだ三分咲きくらいといった感じでした。)


緑一段と濃くなる【小満】

2013年05月21日 15時35分57秒 | まち歩き

 旧四月十二日。二十四節気の【小満(しょうまん)】となりました。

万物盈満すれば草木枝葉繁る。
     『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

  物事が満ち足りると、かえって災いを招きやすい」という意味の『盈満(えいまん)の咎(とが)め』という言葉を、0521satsuki昨年も紹介しましたが、今まさに野山の草木は盈満の頃を迎えています。淡い新緑から、色濃く力強い緑へといつの間にか姿を変えています。

 桜の頃はもう遥か遠い昔のことの様で、藤、つつじと続き
今はさつきが見頃。かきつばたや菖蒲も花を咲かせてきています。気付けば紫陽花の葉も厚みを増し、蕾が徐々に存在感を増してきています。もう一つ気付けば、といえば梅の木。青々とした葉の奥に、大きく成長した実がたくさんついています。梅干用の盆笊や、梅酒のための焼酎に氷砂糖が店先を賑わすことが近づいてきています。
(写真は皇居大手門前の歩道、道行く人を導くようにサツキの植え込みが続いている。)

 梅雨入り前の過ごしやすく、静かな季節。少し早く起きて長い一日を楽しみたいものです。