三味三昧 笛三昧

津軽三味線奏者、笛・尺八奏者、たまに胡弓奏者、なぜかアマ無線家
音楽好き趣味三昧人間「くまりん」のお気楽日記です

尺八づけの週末~後編

2012年05月30日 01時53分46秒 | 民謡・尺八・笛

尺八づけの週末~怒濤の後半戦です。

27日(日曜日)
この日は、加賀山流家元の加賀山昭先生から直々に頼まれた「能登麦屋節全国大会」の尺八固定伴奏で、おとなり石川県輪島市へ向かいます。

輪島までは約2時間と考えて、早朝5時45分に自宅を出発します。
早朝で交通量も少なくて、快調に走って予定通り約2時間で輪島市文化会館に到着。
すぐにゲストコーナーのサウンドチェックが始まりました。

ゲストコーナーでは加賀山昭家元先生の「佐渡おけさ」と「福光めでた」の笛、「青田もどきメドレー」の尺八、それから加賀山昭絵さんの「越前紙漉き唄」の尺八を吹くことに。

ところがここで大問題が発生。
去年のチャンピオンのアトラクションで、「本荘追分」と「正調なき荷方節」も吹いてくれ、と突然言われまして、「本荘追分」は何とか平気なのですが、「正調なき荷方節」は尺八唄。
三味線の入る普通の「なき荷方節」しかやったことが無くて、ゆゆしき問題になりました。
前もって聞いていれば練習してきたのに、突然言われてもねぇ・・・
唄は何度か聞いたことがあるので、何とか唄に付いていくことはできても、前奏と間奏はどうするのよ~。
でもここで引き下がるわけにはいかないので、急遽M先生に前奏を口ずさんでもらってそれをぱっぱっとロツレチの楽譜にして、何とか間に合わせることにしました。

というすったもんだもあったので、あっという間に開演の時間。
心の準備もできていないうちに大慌てで着物を着て、ステージに出たらすぐに幕が上がりました。

のど自慢参加者は100人ちょっと。
尺八は私と金沢から来られた先生の2人で担当します。
予選~本戦を入れるとひとり当たり60~70人分の伴奏をしたことになります。
はじめは4~5人毎に伴奏を交代していましたが、最後は2人ともにバテバテになって、2人毎に交代して何とか乗りきりました。

能登麦屋節は、唄の音域が低めなので、女性の方だと1尺6寸~1尺2寸あたりの調子になります。
おまけに尺八は「リ一」の曲になるので、その2度短い尺八で吹くことになります。
といってもそんな短い尺八は持っていないので、「レ一」とか「ツ一」の手で吹くことになります。
「レ一」だと5度長い管で吹くことになって1尺2寸なら1尺7寸の管で吹きます。
私は7孔の尺八ですので、「ツ一」の方が吹きやすく、同じく3度長い管で、1尺2寸なら1尺5寸の管で吹きます。金沢からお越しの先生は「レ一」で吹いておられました。
と言っても皆さんわからないでしょうけど、尺八はいろんな吹き方があるのですよ・・・実に奥が深い。
三味線もそんな高い調子では弾けないので、二上りのまま5度低い調子で変わった手で弾くことになります。

短いお昼休みに弁当をかき込んで、トイレにいこうと思ってちょっとステージを覗いたら、すぐに去年のチャンピオンの「正調なき荷方節」だと言われて大慌てで走り書きをした譜面を持ってステージへ。
何とか無事に吹くことができましたが、今朝言われて大慌てで譜面を書いて吹いたとは皆さん思っていないでしょうねぇ、綱渡りのようなスリリングな経験でした。
これを教訓に富山県の代表的な尺八唄の「正調なき荷方節」と「布施谷節」ぐらいはいつでも吹けるようにしておかなくてはいけないなぁ、と思いました。

今年のチャンピオンは金沢市の男性の方。
表彰式の後のチャンピオンの唄は、私が伴奏することになり、尺八前奏から吹かせていただきました。
一日中ドタバタでしたが、良い経験をさせていただきました。

写真を撮る暇もなかったので、表彰式の時に大急ぎで玄関先と客席を回って撮りました。









「能登麦屋節全国大会」終了後は、七尾市の和倉温泉に移動して、民謡アトラクションです。
ちょっと時間に余裕があったので、のんびりと下道の能登島経由で和倉温泉へ。
いつもお世話になっている「華の会」の踊りの地方伴奏です。

いつもと同じ、「麦屋節」「こきりこ節」「といちんさ」「福光めでた」「帆柱起し祝い唄」「越中おわら節」の富山県民謡のステージです。
能登麦屋節で疲れ果てていたのですが、何とか気力でステージを終了。
一風呂浴びてから帰路に着きました。
朝6時前に自宅を出てから、帰り着いたのが午後11時半、実に長い一日でした。


コメント (2)
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